【北京だより】10月13日号

9月29日(金)から10月6日(金)までの8日間は中国の中秋節・国慶節で、8連休でした。これは今年の一番長い連休でもあります。文旅部(文化と旅遊部)のデータによると、連休中の国内旅行者数は延べ8億2,600万人次で、国内旅行収入は7,534億3,000万元を実現し、2019年同期比それぞれ4.1%と1.5%増加したそうです。しかし、上記2つのデータはいずれも文旅部の9月30日時点の予測を下回っており、当時は延べ8億9,600万人が旅行し、国内観光収入7,825億元を実現すると予想されました。下図は国慶節期間中、天安門広場に設置された「祝福祖国」花籠の様子です。

また、連休半ばから一部の航空券とホテルの価格が大幅に下落しました。これは警戒すべき信号であり、観光供給側の業者が旅行市場への判断が間違っていたと言えます。中国観光研究院の一部のデータを参照しながらこの8億2,600万人次の詳細を見てみると、実際の旅行者数は3億4,000万人前後で、国内総人口に占める割合は24%だと推測されています。中国モバイルのデータによると、8連休期間中、200キロ以内の短距離旅行の割合が38%、200〜500キロの中距離旅行が32% 、500キロ以上の長距離旅行の割合は30%です。つまり、3割の人だけが長距離旅行をしたということです。また、コストの観点から見ると、安い移動方法ほど人気があります。ドライブ>鉄道>民間航空、となっています。下図は9月28日、連休前日の北京南駅の様子です。

国内一般民衆の観光消費力の回復も、ほぼ限界に達しているだろうという観点を持っている学者が多いようです。これからの旅行産業の成長点は多分、富裕層をターゲットにしている海外旅行、お年寄りを狙っている国内老人旅行、外国人の国内入境旅行等にあると思われます。
また、8連休と言っても実際の法定休暇はわずか4日間で、連休後は土日を含めた7日間の連続出勤になり、今後国慶節や春節、5月のゴールディンウィークの法定休暇を増やすべきだと呼びかけている声もかなり強くなっていると報道されています。

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