【北京だより】4月26日号

先週の4月19日(金)は二十四節気の「谷雨」で、これは春の最後の節気でもあります。「谷雨三朝看牡丹」と諺が言ったように、「谷雨」前後は牡丹の花が咲く時期であり、牡丹の花は「谷雨花」とも呼ばれています。今、中国山東省荷沢市、河南省洛陽市など牡丹が一番有名なところでは、牡丹の鑑賞大会が行われていて、全国からの観光客を招待しているそうです。

北京の場合、4月下旬から牡丹が続々と満開期に入り、景山公園や故宮、円明園、国家植物園等は有名な鑑賞地となっています。一番有名なのは景山公園で、先週末、牡丹の花を鑑賞に行きました。

北京景山公園は歴史の長い王立庭園で、故宮の北側に位置し、元・明・清にわたる御苑です。景山公園は金代(1115-1234)から牡丹の花を植え始め、今まで千年近くの牡丹栽培歴史があります。今、この公園では500種類以上、2万本余りの牡丹が栽培されています。

牡丹の品種を具体的に見てみると、「姚黄」、「趙粉」、「墨流」、「寿紫」など王家御園の伝統的な名品が沢山あり、また歴史上長い間有名だった洛陽牡丹と荷沢牡丹の名品、例えば「朱砂塁」、「墨散金」、「曹州紅」、「桃紅増艶」なども多くあります。また、国内で稀の品種である西北紫斑牡丹(例えば「冠世墨玉」、「緑幕隠玉」、「緑香球」等)と海外から導入された牡丹の品種(例えば「海黄」、「黒豹」、「白玉」など)も栽培されています。これらの牡丹の花は色が鮮やかで、形態が異なり、花期がずれているため、観光客は1ヶ月以上の間に異なる姿の牡丹の花を鑑賞することができます。

牡丹は中国においては特別な位置づけがあり、古くから「花王」と呼ばれています。花は「富貴吉祥、国泰民安」の象徴であり、歴代の皇帝たちに好かれ、御花と見なされてきました、また、各時代には牡丹を賛美する作品が多く、例えば「唯有牡丹真國色,花開時節動京城」、「何人不愛牡丹花,占斷城中好物華」、「落盡殘紅始吐芳,佳名喚作百花王」等、牡丹の花の美しさや上品さを謳歌するものが多く残されています。ちなみに、現在、中国には法律上の国花がまだ正式に確定されていないですが、民間の調査では投票率1番なのは牡丹で、2番は梅の花となっているそうです。将来、牡丹が中国の国花になる確率は非常に高いと言えるでしょう。

花見のほかには、当日、景山公園で牡丹と関係する絵画作品の展示会があり、60点以上の作品が展示されました。その他、牡丹文化祭りがあり、花茶や古代の扇子、様々な手作りのものが展示、販売されていました。また、ニュースの報道によると、景山公園では夜の牡丹観賞活動も展開しており、ライトアップ効果を利用して、夢のような雰囲気を醸し出し、牡丹の花が夜にも異なる魅力があるとアピールしています。

牡丹の花期は割と短くて、咲いてから散るまでは半月ほどで、その中の盛りは1週間にすぎないそうです。今回で満開の牡丹を鑑賞し、次回は来年になります。

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