東京都内で8月および9月に開催された中国関連の講演会に参加致しましたので、以下の通りご報告させて頂きます。
いずれも私自身よく存じ上げる中国経験豊かなお二人を講師に迎えた講演会でしたが、「中国の現状を理解することの重要性」や「中国市場の重要性」など日本企業が認識しておくべき点について、数多くの示唆が得られる内容でした。
1. 日本・東京商工会議所主催「日米中関係と中国ビジネスの真相」
8月26日、日本・東京商工会議所主催キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 瀬口清之氏による「日米中関係と中国ビジネスの真相 ~中国経済は減速傾向、それでも日米欧企業の対中投資は積極化」と題した講演会が開催されました。
本講演会は東京商工会議所でのリアル開催でしたが、主催者によると当初募集人数を80名としていたところ最終的に会場の定員125名を超える応募があり、会員企業の関心の高さを感じているとのことでした。
冒頭主催者を代表して中国に駐在経験もある日本商工会議所 理事・国際部長の五十嵐氏よりご挨拶があり、「皆さんに中国のリアルな姿を伝えたい。」と開催趣旨をご説明されていました。
瀬口氏の講演は、中国・米国・欧州への定期的な出張と幅広い人脈による現地の生の情報をリアルタイムで伝えて頂ける非常に貴重な機会なのですが、今回も「今年に入ってから欧米日企業の中国ビジネス観に改善傾向がみられる」「ハイテク・AI・ロボットなど中国の好調分野では日本企業の技術に対するニーズが高まっている」「好調分野に着目した日本企業は中国で業績を伸ばしている」「中国で勝てなければ、世界で勝てない」など、報道では知りえない貴重な情報を数多く紹介頂きました。
日中関係改善がいまだ見通せない状況ですが、中国市場の重要性を鑑みると、こうした新たな動きや変化にいち早く目を向ける必要性を改めて実感する機会となりました。



2. 第12回JACCCO連続講演会「中国を知る」
9月10日、日本アジア共同体文化協力機構(JACCCO)主催、KPMG FASシニアアドバイザー 小久保憲一氏による「第12回JACCCO連続講演会「中国を知る」 『中国抜きでは世界経済は語れない~日本の経営者へのメッセージ』と題した講演会が、日中友好会館で開催されました。
小久保氏は日立製作所の元専務で、40年以上に亘る中国業務の経験に基づいた大変内容の濃いお話を伺うことができました。
1時間30分の講演の中では、「中国は東南アジアやインドが代替できる市場ではない」「日本経済は中国抜きでは語れない」「米中のどちらかに偏ることは避けるべきである」「中国は引越しできない隣人」「中国を理解することが重要」など、中国市場の重要性を踏まえ中国を冷静に見つめる必要性を訴えておられました。
また、「日本企業は技術を守るのではなく、磨き続けることが必要」「日本の経営者は定期的に中国へ出張し現状を理解した上で、現地への権限移譲が必要」など、永年製造業に携われてこられた目線から日本企業への提言をされていることも大変印象に残りました。
更には、「中国で戦えなければ、世界では戦えない」という奇しくも瀬口氏が指摘されていたお話を小久保氏からも伺うことになり、これまでの中国に対する認識を転換すべき時期に来ていることを痛感させられる講演でした。


川端 良彦(2026年9月)
