【北京だより】9月22日号

後1週間で中国の伝統的な祝日「中秋節」(旧暦8月15日)を迎えますので、最近中国各地のスーパーでは「月餅」が人気NO.1の商品になっています。「中秋節」は中国においては、春節に次ぎ一年の中で2番目に重要な祝日で、月円節、拝月節、団欒節などとも呼ばれています。

この日になると、月見をする、月餅を食べる、桂花を鑑賞する、謎を当てるなど、全国各地の人々が様々な方法でこの祝日を祝っています。月餅は丸く、団らんと調和を象徴しているとされていて、その月餅を食べることは中秋節には欠かせない風習の一つです。下図は北京で一番有名なお菓子屋「稲香村」ブランドのお土産用月餅セットで、値段は一箱89元から200元あまりです。

お土産用の月餅セット以外、ばら売りの月餅もあり、1個につき3元から~6元ぐらいで、安くて好きな味が選べる物の売れ行きが好調だそうです。味から見ると、今年の月餅市場は依然として伝統的な味が主流で、五仁、蓮蓉、ナツメ、チャーシュー、卵黄などの餡子が圧倒的に多くて、それ以外ですとバラ月餅、フルーツ月餅、漢方薬が入っている陳皮月餅、海鮮月餅、辛い牛肉月餅等の新しい種類も登場しています。また、消費者の健康意識の向上に伴い、「低脂肪低糖」概念の月餅は増加傾向にあります。例えば従来の砂糖をキシリトールで代替したり、サツマイモやカボチャ、紫イモなど食物繊維が豊富なものを餡子にしたり、このような「健康月餅」は段々人気が高まってきています。

最近、地下鉄の中でも月餅を持っている人をよく見かけます。実は中秋節の前にビジネス上のお客さまに月餅を贈呈したりすることがよくあります。また、友人や親戚間で、特に家族の年長者に月餅を贈呈し、敬意と祝福の意を表す風習もあります。毎年この時期になると月餅の贈呈で人々の交流が一層活発になり、交通渋滞が深刻になることがよくあります。

いよいよ来週の金曜日は中秋節、今年の中秋節は満月で、万事順調にいくことを期待しております。

以上