【北京だより】3月29日号

 間もなく二十四節気の「清明節」で、北京も段々暖かくなってきています。時折、強い風と黄砂がありますが、小雨も数回降りまして、最近、桃の花や梅の花、ハクモクレン等が咲き始め、週末は家族で花見に出かける市民が非常に多くなりました。我が家も先週末、北京市海澱区にある国家植物園に行きました。

国家植物園には2つの園区があり、南園は中国科学院植物研究所で、中には樹木園、牡丹園、漢方薬園、水生植物区、熱帯植物展示温室等、多くの専門温室があり、5,000種余りの植物を栽培しています。北園は本来、北京市植物園で、中にはメタセコイア栽培区、臥仏寺、桃花谷、曹雪芹記念館等の景観があります。余りにも広すぎて、一日で全部視察するのは無理なので、今回は北園だけにしました。チケットは大人の場合は5元/人で、子供と60歳以上の場合は2.5元/人となっています。

西門から国家植物園北園に入って、まず牡丹園と桃花谷に行きました。ニュースの報道によると、河南省の洛陽では牡丹が既に咲き始めましたが、北京では寒いせいか、牡丹は芽生えたばかりで、咲くのはおそらく4月末ぐらいになるでしょう。桃の花は今回は少し早めに咲き始め、後1週間で満開期を迎えそうです。上の図は桃の花の写真で、右側の木は「生きている化石」と呼ばれている希少植物メタセコイア「中国語:水杉」の様子です。

牡丹園と桃花谷から少し先に行くと、「臥仏寺」に到達しました。「臥仏寺」の正式名称は「十方普覚寺」で、唐代の貞観年間(627年-649年)に建てられ、最初は兜率寺とも呼ばれました。清代では「十方普覚寺」と改名しました。お寺の中には元代(1321年)に鋳造された釈迦の臥像があり、長さは5.3メートル、重さは54トン、中国国内には一番有名な銅鋳仏像の一つでもあると言われています。また、お寺の中には唐の時代に植えられた梅の木があり、梅の花を鑑賞する名所でもあります。

「臥仏寺」の後方の山道に沿って登れば、「桜桃溝」(サクランボウ溝)があります。
この溝は2つの山に挟まれた渓谷で、明代に谷の両側にさくらんぼの木を植えたことから名付けられました。今のさくらんぼ溝にはさくらんぼだけでなく、アンズの木や桃、牡丹、シャクヤクなど多くの植物があり、季節に応じて次から次へと咲き、また、中には泉とメタセコイアもあり、夏になるとまるで桃源郷のようで、避暑地の名所でもあります。「臥仏山荘」という古代四合院風のホテルもあります。「桜桃溝」で散策して、山登りして約2時間ぐらいかかりました。
山から下りて、今回の最後の目的地「曹雪芹記念館」に向かって歩きました。曹雪芹(1715—1763)は中国18世紀の偉大な文壇巨匠で、文学作品『紅楼夢』の作者であります。この記念館は曹雪芹の古い家を中心に建てられた小さな田舎博物館で、館舎は清式平屋で、敷地面積は約3,000平方メートルです。中には主に曹雪芹の身の上に関する文物、名著『紅楼夢』に描かれた実物の複製品、実物資料などが展示されています。記念館の外側には、お茶屋、お酒屋、石臼、井戸と野菜畑などもあり、田舎ののんびりとした田園風景に観光客が多く集まっています。

「曹雪芹記念館」の見学が終わり、再び国家植物園の西門から出て帰宅しました。携帯アプリを見ると、一日で約3.9万歩も歩いたようです。次回チャンスがあれば、植物園の南園を見に行きましょう。

以上