宮本雄二 著『2035年の中国―習近平路線は生き残るか―』

中国共産党総書記として異例の三期目に突入した習近平。幹部人事を意のままに行い盤石の体制に見えたが、コロナ対策では国民の反発で軌道修正を迫られ、一転、不安を感じさせる幕開けとなった。建国百年を迎える2049年への中間点とされる2035年に、彼は八十二歳。国内外の難問が山積する中国は、その時どうなっているのか? この国と中国共産党の本質を踏まえながら、第一人者が今後の行方を占う。

目次

はじめに
第1章 中国共産党は「国民」を恐れている
第2章 中国社会の中核をなす「義」とはいかなる価値観か
第3章 未完の「習近平思想」は党と国民に支持されるのか
第4章 人間・習近平の「思考様式」を生い立ちから読む
第5章 習近平は米国の本当の「怖い顔」を知っているか
第6章 「乱から統へ」中国のガバナンス移行は奏功するか
第7章 「権力集中」と「党内民主」のせめぎ合いの行方は
第8章 ウクライナ侵攻「ロシア」からどう距離をとるか
第9章 日本の国益を最大化する「したたかな対中外交」とは
第10章 それでも「江沢民の安定」得られぬ習近平統治
第11章 国際社会を変える「瀬戸際外交」の行き着く先は
第12章 突然の「ゼロ・コロナ」破棄で生じた統治の陰りとは
第13章 「反腐敗」は毛沢東「延安整風」を超えられるか
第14章 共産党政権が抱える永遠の矛盾「民主」と「集中」とは
第15章 「台湾問題」で米中ガラスの了解事項は守られるのか
第16章 習近平は「トウ小平の老練」を手にできるか
終章 2035年の中国
おわりに

著者プロフィール
宮本雄二 ミヤモト・ユウジ

1946(昭和21)年福岡県生まれ。宮本アジア研究所代表。1969年京都大学法学部卒業後、外務省入省。1990年アジア局中国課長、2006年在中華人民共和国日本国大使館特命全権大使。2010年退官。著書に『習近平の中国』『強硬外交を反省する中国』など。

新潮新書
定 価:902円(税込)
発売日:2023/04/17

https://www.shinchosha.co.jp/book/610992/