【クロスボーダー貿易投資の高レベル開放試点拡大に関する国家外貨管理局の通知】(財政・金融関連)

(2023年12月15日 国家外貨管理局HPより)

・国家外貨管理局は上海市、江蘇省、広東省、北京市、浙江省、海南省全域(以下、総称試験地区)でクロスボーダー貿易投資の高レベル開放政策の試点を拡大、実施することを決定。
・より多くの事業主体がクロスボーダー貿易投資業務を適法に処理できることで、高いレベルの自由化を伴う質の高い発展を促進する。
・要点は以下の通り
① 経常項目の外貨資金の受払をさらに便利化する。
試行エリア内の適格銀行 “顧客の理解、業務内容の理解、デューデリジェンス審査 “の原則に従い、優秀企業に対しサービス貿易およびその他のプロジェクトのための1件5万米ドル以上の受払につき、事後検証とすることができる。
② 銀行の新たな国際貿易決済の最適化を支援する。
試点内の適格銀行が金融サービスを革新し、自主的に試点内優良企業の新たな国際貿易受払業務を実質的合法的に処理すること奨励する。
③ 貿易収支の差額(ネット)決済範囲を拡大する。
試点内の優良企業と同一の外国取引先との間で特定の経常項目の外為取引を実施する際、試点内の適格銀行は、リスクコントロール可能な状況下でネット決済を行なうことができる。
④ 貨物貿易の期限超過などの特殊な外貨返還の登記を免除する。
試点内の適格銀行は、試点内優良企業に対し直接商品貿易特別還付業務を行うことができ、企業は事前に外貨管理局に登記する必要がなくなる。
⑤ サービス貿易項目の前払や分割払業務管理を最適化する。
試点内優良企業と海外の非関連会社との間に発生する期間12カ月超のサービス貿易における前払や分割払いについては試点内適格銀行が取引の真正性と妥当性を審査し処理することができる。
⑥ 外商投資企業の国内再投資の登記を免除する。
外商投資企業が国内再投資を行う場合、投資先企業または持分譲渡人が試点内に登記された企業の場合は、国内再投資登記手続を申請する必要はない。
⑦ 金融リース親会社と子会社による外債枠割当の共有。
試点内の適格金融リース会社とその傘下の特別目的会社(SPV)は、外債枠の割当を共有することを許可する。
⑧ 一部の資本項目プロジェクトの外貨登記は銀行が直接処理する。
試点内の条件に符号する非金融企業が外債借入、海外上場する場合、関連登記手続を銀行で直接実施することができる。
・試点地域の分局は本通知に基づき業務実施細則を制定し、上述の業務に対する事後監督管理と審査検査を強化し、銀行、企業の適法による業務展開を指導しなければならない。
・試点地域の分極は各試行業務の展開状況を密接にフォローし、クロスボーダーの資金の異常な流動の特徴と問題をリアルタイムで監視分析し、リスク評価を行い、違法・違反行為を厳しく取り締まり、国境を越えた資金の異常流動リスクを効果的に防止・解消し、外貨管理の秩序を維持しなければならない。

(記事原文)
https://www.safe.gov.cn/safe/2023/1215/23626.html