【北京だより】2月2日号

間もなく中国の春節になりますので、中国全土は「春節モード」に入りました。
今週は春節前の北京の様子等をご紹介いたします。
町中のお店などは春節の帰省で先週から徐々に営業停止し、1か月近く休業する店が多いようです。「春運」(春節輸送)が既に始まり、空港と電車駅は一年の中で繁忙期を迎えてきました。「春運」というのは春節を中心に前後40日間、毎年旧暦の12月15日から翌年のお正月25日までの期間を指します。交通運輸部の予測によると、今年の「春運」期間中は延べ90億人次が移動し、過去最高を記録する見込みだとのことです。北京のほとんどの道や住宅団地内は赤提灯やざまざまなイルネーションで飾られ、夜になるととても綺麗です。

自由市場では、普通の肉類販売以外、豚肉のソーセージを加工してくれるお店が増え、お客さんの指定に従ってさまざまな味のソーセージを作ってくれます。室外で数日間乾せば冷蔵庫に入れて長く保存できます。このようなソーセージは一番寒い旧暦12月で作るのが普通で、春節後、気候が温かくなると肉類の加工もできなくなります。

各スーパーでは、春節用品が登場しました。「春聯」と「福」字は各家庭の必須用品なので、スーパーの目立つところに置かれています。それ以外、お年玉用赤封筒や、赤提灯等の品揃えも豊富で、また今年は龍年なので各スーパーでは人気の高いドラゴンキャラクターも欠かせない商品になっているようです。

春節は家族と一緒に過ごす「一家団欒」の時期であり、お土産の贈呈と交換が普通なので、スーパーでは春節お土産コーナーを設け、赤包装のさまざまなお土産を販売し始めています。例年のお菓子やお酒以外、「龍年特別バージョン」の食べ物も多く、例えば下図は龍年特別ポテトチップスで、普段のポテトチップスの包装を特別にデザインし、春節用のお土産に変身しています。

伝統的なお土産以外、最近、有機農産物が流行りだしています。卵だけでも栄養成分により様々な種類に分けられ、包装も一層アップグレードされてきました。果物は全国各地の名物が集まり、例えば江西省のオレンジ、新彊のリンゴ、山東省の梨等、選択できるものはかなり多くなっています。また、有機トマト、キュウリ、セロリ等野菜お土産も登場し、今年では果物に近い味で生で食べられ、糖分やビタミン、リン、鉄なども豊富な「アイスクリーム大根」という紫色の大根の販売量が高まっていると報道されています。

また、大晦日の晩御飯の新デザートとして、今年は「錦鯉サンザシもち」を発見しました。鯉は中国においては吉祥と幸運、富貴等を象徴し、縁起の良いもので、春節期間中は必ず食べるものの一つでもあります。この「錦鯉サンザシもち」はサンザシで作られ、甘酸っぱくてさっぱりした味で、柔らかくお年寄りも食べやすいので幾つか購入しました。

春聯で書いたように、「龍年天地回元気、国富民強慶太平」、龍年ですべて順調で平和あるように祈っております。

以上