【新時代以降の金融分野の改革と発展の概要~質の高い発展に向けた金融の推進~】(財政・金融関連)

(2023年10月30日 工業・情報化部HPより)

金融は経済の中核であり、中国は、習近平同志を中心とする党中央委員会の強力な指導の下、中国の特色ある金融発展の道を歩み、金融業界の質の高い発展を推進してきた。引き続き、全ての関連部門は金融供給側の構造改革を深化させ、開放を拡大し、開発と安全を調整し、システムリスクを守り、金融の改革と発展を推進し、実体経済に対する金融サービスの質と効率を向上させる。

<金融と実体経済の好循環形成>
・中国は世界最大の銀行体系と世界第2位の保険、株式、債券市場を有し、長期に亘り安定的健全に発展。
・実体経済への人民元融資残高は2014年の81兆4,300億元から2023年9月には230兆元以上に増加(年平均成長率は10%以上と名目GDPと基本同様に成長)
・中国の債券市場は2012年には30兆元に満たなかったが、現在の預託残高は150兆円超に成長。また、5200社超の上場企業のうち、戦略的新興産業の上場企業は2900社近くに上る(中国上場企業協会孫副会長)。

<重点領域と弱い分野に対する金融強化>
・製造業、科学技術イノベーション企業、中小企業、零細企業、地方活性化、グリーン開発等に対する金融支援を強化し、金融資源を重点領域と弱い分野に集中。
・包括的小口ローン残高は28兆7,400億元で、過去5年間の年平均成長率は約25%。
・グリーンローン残高、製造業中長期融資残高、「特化・特化・新」中小企業融資残高、農業関連融資残高は、それぞれ前年比36.8%、38.2%、18.6%、15.1%増加。

<資金調達コストの低減>
・近年、金利の市場化とローンプライムレートの改革の成果が表れ、社会収支調達コストは漸次低減。
・9月の新規実行融資の加重平均金利は3.85%、と前年比0.14%低下し、歴史的低水準。

<金融リスクの防止>
・金融安全は国家安全保障の重要な要素であり、第18回党大会以来、金融リスクの低下に注力し、重要な成果を上げてきた。

<実物資産から仮想資産へ向かう傾向は逆転>
・リアルマネーのバーチャル化などの活動を断固排除。
・シャドーバンキングの規模は歴史的なピークから約30兆元減少し、実態経済に向かう資金が大幅に増加。

<中小金融機関改革とリスク排除>
・近々、遼寧農業銀行が開業予定等、我が国は中小金融機関の改革を推進、経営統合や合併、市場からの排除等の改革を断行。
・中国人民銀行は2022年第4四半期に4,368行の銀行金融機関の格付けを完了。
・高リスク機関数はピーク時から半減し、10の省・市は高リスク機関がゼロとなった。

<社会金融秩序は「混沌から統治」を達成>
・不法資金行為取り締まりの為「不法資金調達の防止及び対処に関する規程」を公布。
・すべてのP2Pオンライン融資機関は業務を停止。

<不動産市場の安定的な発展を促進>
・近年、多数の要因が重なり、我が国の不動産市場は調整局面に入っており、不動産市場の安定的な発展に向け、この重大な経済金融リスクの有効な解消は重要な任務である。
・3,500億元の住宅保証付き特別融資、2,000億元の保証付き住宅融資支援計画の策定、1,000億元の賃貸住宅融資支援計画の策定、頭金比率と融資利率の合理的な最適化。金利要求の緩和、第一住宅ローン金利の引き下げの組み合わせは不動産市場の健全な発展を促進する。
・金融機関のコーポレートガバナンス強化、「金融持株会社の監督・管理に関する試行措置」、「システム上重要な銀行の評価措置」、「システム上重要な銀行の評価措置」公布等、監督の欠点を補い、強固な金融セーフティネットを構築してきた。

<金融規制制度の改善>
・2023年5月18日、国家金融監督管理総局が北京で正式発足。
・中央金融委員会、中央金融工作委員会、国家金融監督管理総の設置。
・地方金融規制制度の改革深化、中国証券監督管理委員会を国務院直属機関に調整。

<金融分野の制度改革の継続>
・科学技術イノベーション委員会の設立と「ハードテクノロジー」企業の上場支援。
・GEM(創業版)改革、北京証券取引所設立、サービスイノベーション型中小企業創設。
・ローン市場相場金利(LPR)改革、金融機関のコーポレートガバナンス改善、年金保険改革、株式発行登録制度改革。

<金融開放>
・上海・深圳・香港ストックコネクト、上海・ロンドンストックコネクト、本土・香港ボンドコネクト、スワップコネクトの開始。
・中国債券が世界3大債券指数に包含され、外資金融機関による中国での持株比率規制の開放、外資金融業務範囲の拡大等、我が国の金融市場は更に対外開放され、外資による資金流入が継続して増加。
・今年9月末現在、52の国と地域の202銀行が中国に金融機関を設立。2020年から2023年9月末までに中国の外資系銀行は総額187億3,000万元の資本を増資(注入)。海外機関計1110社が中国債券市場に参入し、3兆3000億元の中国債券を保有。
・人民元の国際化:2023年9月時点で人民元の世界の貿易金融に占める割合は5.8%となり、前年比1.6ポイント増加。ランキングは第2位。

金融は国家の重要な競争力であり、質の高い金融発展は、中国式の近代化を強力にサポートする。

記事原文:https://www.miit.gov.cn/xwdt/szyw/art/2023/art_649bf2e0469e4ba4915a7296a4757783.html