【北京の中央金融工作会議にて習近平と李強が重要演説】(財政・金融関連)

(2023年10月31日 中国政府網HPより)

・中央金融工作会議(CFWC)が10月30日から31日にかけて北京で開催された。
・習近平国家主席が会議に出席し、重要な演説を行い、中国共産党中央委員会政治局常務委員の李強、趙楽際、王滬寧、蔡奇、丁雪祥、李習が会議に同席した。
・習近平氏は演説の中で、第18回中国共産党全国代表大会以降の金融業務を総括し、金融は国民経済の血脈であり、国の核心競争力の重要な部分。金融監督を強化し、システムを改善することで中国の特色ある金融を発展させることは国家再生の大義名分に叶うものであると強調した。
・会議では、中国共産党中央委員会の指導の下で、金融システムが経済社会発展に貢献をしたことを指摘。同時に、金融分野の様々な矛盾や問題が絡み合い、互いに影響し合っており、その一部が依然として突出していること、隠れた経済・金融リスクが相対的に高いこと、実体経済に対する金融サービスの質と効率が高くないこと、監督・ガバナンス能力が弱いことを受け止め、これらの問題を根本的に解決するために取組む必要があるとも述べた。
・また、現在と未来において、マネーを供給する側の構造改革を深化させ、監督を全面的に強化し、リスクの予防と解決に重点を置くことが必要であることが強調された。
・更には、質の高い発展が現代社会主義国家を総合的に建設する主要な課題であり、金融は課題解決のために質の高いサービスを提供すべきであると指摘した。
・具体的には、資本供給構造を最適化し、科学技術イノベーション、先端製造業、グリーン発展、中小企業の振興により多くの財源を配分し、イノベーション主導型発展戦略、地域協調発展戦略、国家食糧・エネルギー安全保障の実施を強力に支援。加えて、上場企業の質を強力に向上させ、一流の投資銀行・投資機関を育成する。債券市場の質の高い発展を促進する。
・その他、金融機関の位置づけを向上させ、大型国有金融機関がより良く、より強くなるよう支援し、実体経済への奉仕の主力として、また金融の安定を維持するバラストとしての機能を十分に発揮させる。
・市場ルールを強化し、統一ルールと協調監督を備えた金融市場を構築し、長期的な資本形成を促進する。コーポレート・ガバナンスも改善し、中国の特色ある現代金融企業システムを完成させ、国有金融資本の管理を改善し、金融部門の高度な開放を推進。クロスボーダー投融資の円滑化を強化し、より多くの外資系金融機関と長期的資本を中国に誘致する。また、上海の国際金融センターの競争力と影響力を強化し、香港の国際金融センターとしての地位を強化・向上させる。
・金融と不動産の良循環を促進し、不動産企業主体への規制制度と資金監督制度を改善し、所有権の異なる不動産企業の合理的な融資ニーズを差別なく満たし、市の政策に従って政策を活用し、堅固な改良住宅需要をよりよく支え、保証住宅「三大プロジェクト」の建設を加速し、不動産開発発展プログラムを構築する。金融市場の健全な運営を維持し、金融市場の発行・取引行動を規制し、期待を合理的に誘導し、地域・市場・国境を越えたリスクの伝播の共鳴を防ぐ。
・外国為替市場の管理を強化し、人民元為替レートの基本的な安定を合理的な均衡水準に維持する。
・金融マクロコントロールを改善し、貨幣と信用の需給法則と新機能を正確に把握し、貨幣供給総額と構造の二重規制を強化する必要がある。質の高い金融サービスを強化し、高水準の金融開放を拡大し、「対外開放」と「一帯一路」建設に貢献し、人民元の国際化を慎重かつ堅実に推進する。
・尚、会議には中国人民銀行、金融監督管理総局、中国証券監督管理委員会、北京市、遼寧省、湖北省、四川省、中国共産党中央委員会政治局、中央委員会書記局のメンバー、全国人民代表大会常務委員会の関連指導的同志、国務委員、最高人民法院院長、中国人民政治協商会議全国委員会の関連指導的同志が出席した。

(記事原文) 
https://www.gov.cn/yaowen/liebiao/202310/content_6912992.htm