本誌記者・金知暁 · 2020-01-02 · ソース:北京週報 |
タグ: 外商投資法;対外開放;経済 | 印刷 |
高水準の対外開放を推進し、外国投資家と外商投資企業の権益を保護するための重要な措置として、「中華人民共和国外商投資法」が2020年1月1日から施行された。このほど、日中投資促進機構の事務局長で、株式会社みずほ銀行の理事を務める岡豊樹氏は本誌の取材に対し、「この新しい法律の確実な実施により投資環境の改善が期待される」と語った。
日中投資促進機構事務局長・株式会社みずほ銀行理事の岡豊樹氏
対外開放は中国の基本国策だ。習近平国家主席は多くの場で国際社会に中国が対外開放を拡大する決意を表し、中国では対外開放に関する措置も多数実行に移されている。岡氏は「習近平国家主席が打ち出した高水準で更なる対外開放の政策は今後の中国または中国市場にとって、ビジネス環境の透明性を更に高め、グローバルスタンダードのレベルに達することで、更なる外商投資のニーズ喚起につながる効果をもたらすことになるだろう」と述べた。
岡氏は続けて、「中国はこのように対外開放を量、質ともに拡大していくことによって、国際社会でより高い評価を得ることができ、結果として、外国投資家が自国の株式市場で中国企業にも安心して投資できるというもう一つの大きな役割を果たすことになるだろうと考えている。従い、今後、中国は対外開放による市場のグローバル化と自由化を継続できれば、中国経済は内外ともにさらに飛躍的に成長していくと思われる」との見方を示した。
2019年に入ってから、中国市場の対外開放に関する措置が次々ととられた。2019年11月22日、2019年版市場参入ネガティブリストが発表された。新リストには「高齢者ケア機関の設立許可」の開放措置など131項目が列挙され、2018年版リストより20項目減少し、さらに、各地域が自ら作成した23の市場参入ネガティブリストを廃止した。それに加えて、2019年12月31日には外商投資法に対応した法規である「外商投資法実施条例」も公布され、外資系企業の権利を守る中国の決意はますます明確なものとなっている。
岡氏は、「外商投資法により投資前の段階において外国投資家およびそれらによる対中投資に対し、中国の投資家およびそれらによる投資を下回らない待遇が期待できる。そして、ネガティブリストによる管理制度のもと、リスト対象外の分野については、内資・外資一致の原則に基づき管理されるものと期待している」と述べた。
日中投資促進機構は、1988年8月、中日両国の合意のもと、同年10月に日本から官民合同の「中国投資環境調査団」が派遣され、この調査団の提言に基づき、当時の日本興業銀行(現:みずほ銀行)主導で日本を代表する重厚長大企業を中心に1990年3月に発足された。発足当初より、会員から寄せられた対中投資環境関連の問題や課題等を取りまとめ、中日投資促進委員会との連携や協議を通じて、投資環境改善や課題解決を図る役割を果たしてきた。現在会員である日本企業は200社を超え、業種は化学、鉄鋼、機械、金融、不動産、運輸、サービスなど多岐にわたり、製造業と非製造業企業が約50:50の割合だ。
「会員企業の『外商投資法』に対する反応は全般的に非常に良く、約4割の会員企業が、今後更に追加投資を行うことを検討している。そして中外合弁企業では、『外商投資法』が組織形態、意思決定機関、会社定款、利益分配、持分出資の方法等の面で大きなインパクトがあると認識しており、合弁相手である中資企業との間で、今後どのような実務を行っていくか協議を開始している」という。
「北京週報日本語版」2020年1月2日