【北京の二十四節気】小暑-大清花の餃子-

●小暑(2016年7月7日 晴れ、最高気温33℃、最低気温23℃ )

二十四節気では、「夏至」の次が「小暑」、その次が「大暑」となります。まさに字のとおり、本格的な暑さを迎えます。

今年は、夏至を過ぎてから、降ったり、止んだりの雨模様の曇り空が続きました。しかし、「小暑」に近づくにつれて、晴れわたった厳しい日差しの日が多くなりました。

さて、北京では、「最初の酷暑に餃子を食べる」という言い伝えがあります。北京をはじめとした中国北方地方では、餃子といえば、“水餃子”です。夏を迎え、体力、食欲ともに減退するときに、ツルリとした水餃子は、格好の暑さ対策と言えます。

ちなみに、北京の人々にとって、餃子は主食であり、おかずを食べたあとに、最後に出されるものです。そのため、日本の焼き餃子定食(そもそも焼き餃子自体あまり食べませんが)は、彼らにとっては、ナンセンスそのものです。

この餃子のことを話題にしますと、北京の人たちは躍起になって話し始めます。彼らにとって餃子は、初夏、春節(旧正月)、お客様をもてなす時等々、あらゆる行事の際に必ず食べる最も愛すべき食べ物なのです。

写真は、北京の老舗レストンの「大清花」方庄総本店です。満州料理のお店で、餃子が美味しいと評判です。

上が“五色の蒸し餃子”、右が“羊肉とセリの水餃子”、下が“三鮮羽根餃子”です。

午後2時頃、オーナーや調理長などとおぼしき人たちが、隣のテーブルで食事を始めました。日本ではあまり見かけない光景ですが、こちらの人たちは気にする様子もありません。

ちなみに、同じ「大清花」の白紙坊支店に最初行ったのですが、閉店していました。景気の減速がこのようなところにも影を落としています。

写真・文=北京事務所・谷崎秀樹

★本コラムについてはこちらから→【新コラム・北京の二十四節気】(夏至2016/06/22-空竹)