【「AI+」開発を後押しするための政策金融ツールについて】(産業政策)(財政・金融関連)(マクロ経済)(その他)

(2025年9月30日 中央人民政府HPより)

中国政府は「企業の『AI+』活動への参加を支援するため、複数の措置を講じる予定」であると発表しているが、国家発展改革委員会は、民間企業の「AI+」への参加を推進するための金融ツールについて2025年9月29日の記者会見で以下のように解説した。

  1. マクロ経済政策の強化
    国家発展改革委員会は中国共産党中央委員会および国務院の方針に基づき、マクロ経済政策を継続的に実施・強化し、経済の監視・予測・早期警戒を充実させて安定的かつ健全な経済成長を目指す。
  2. 新たな政策金融ツールの規模
    新たな政策金融ツールの総額は5,000億元(約10兆円)で、すべてプロジェクト資金の補充に充てられる。これにより地方政府のプロジェクト着工を促進し、効果的な投資拡大と経済の安定成長を図る。
  3. 次世代スマート端末・エージェントの普及促進策
    以下3つの側面から推進する:
      ・政策環境の整備:明確な方向性と法令遵守、標準化を進め、技術標準や業界規範を策定し、企業の健全な発展を支援
      ・技術革新とオープンソース共有:AI企業と産業界の連携を強化し、共同研究やオープンソースプラットフォームの構築で
      イノベーションを加速
     ・市場拡大の推進:教育、医療、高齢者介護、旅行など重点分野でのパイロット事例を支援し、消費者補助などで需要を喚起し、
      広範な産業と家庭への浸透を目指す
  4. 民間企業の「AI+」参画支援
      民間企業、特に中小企業はコンピューティングリソースの不足、データ入手困難、高い技術障壁などの課題に直面。これに対し以下の対策を講じる:
     ・コンピューティングリソースの提供:標準化されたクラウドサービスの開発促進でコスト削減と利便性向上を図る
     ・データ利用の促進:公的資金による著作権コンテンツの合法公開やデータ費用補償制度の模索でデータアクセスを改善
     ・技術ハードルの低減:オープンソース推進と評価・インセンティブ制度の整備で技術普及を支援
     ・さらに、国家AI応用拠点の設置により、コンピューティングパワーやデータ、モデル、アプリケーションの共通サービスを
      提供し、企業の連携やリソース共有を促進
  5. 民間企業の深い参画促進策
     ・政策支援:国内のコンピューティングパワーやモデル構築支援、国有企業のシナリオ開放を推進
     ・資金支援:「AIクーポン」発行による補助金提供で企業の研究開発を後押し
     ・プロジェクト参加:AI応用パイロット基地など大型プロジェクトへの民間企業の積極的参加を支援し、多数の成功事例創出を
      目指す

記事原文:事关新型政策性金融工具、人工智能发展等,国家发改委最新回应→
https://www.gov.cn/zhengce/202509/content_7042877.htm
関連法規等:国务院关于深入实施“人工智能+”行动的意见
https://www.gov.cn/zhengce/content/202508/content_7037861.htm