今回の地域レポートは、私がパートナを務めさせて頂いているコンサルティング会社の業務として、4月下旬に上海へ出張しましたので、その内容を報告させて頂きます。
二泊三日の短期間ではありましたが、クライアントとの打ち合わせ以外にJETRO上海事務所やメガバンク上海拠点の訪問に加え、上海で日本関連の事業を行っている方々とも交流をさせて頂きました。
コロナ以降久々の中国でしたので、景気動向に伴う上海の街の変化を肌で感じる貴重な機会ともなりました。
1.JETRO上海事務所訪問
4月27日午前 JETRO上海事務所を訪問し、天野所長から活動状況や日本企業の現状などに関してお話を伺いました。昨年11月以降、JETROにおいても中国政府や公的機関との交流はストップしているとのことでしたが、日本産品の中国における販売支援をはじめとする日本企業へのサポートに加え、ロボット産業などへの新たな取り組みにも注力しているとの説明を伺いました。現状反日運動などの動きは見られず、日中関係の日系企業の業務に与える影響は限定的とのことでしたが、今後イラン情勢が各社の業績に影響を与える可能性が高く、動向を注視しているとのお話もありました。

2.メガバンク上海拠点訪問
午後はメガバンクの上海拠点を訪問しました。中国における日系企業の新たな動きとして、中国現地法人を海外事業の拠点として活用を試みる企業が増えはじめているとのことでした。日本企業持ち前の高い品質に加え、これまで中国で培ったコスト競争力を武器にヨーロッパ、東南アジア、インドなどの市場へ展開していくという新たな動きで、なかには海外に販売網を拡大している中国代理店のルートを使って日系企業にはリーチのない国・地域への販売を広げようとする企業もみられるとのことでした。
3.日本関連事業を行っている方々との交流
今回は、中国で日本関連事業を行っている方々とも交流させて頂きました。エンターテイメント業界に携わっている方からもお話を伺うことができたのですが、昨年11月以降コンサート・イベント・映画上映など日本関連のエンターテイメントに関する活動は基本的にストップしており、現状再開できる見通しは立っていないとのことでした。一方日本の楽曲に関しては政治的な影響が少ないと見られているのか、特に規制は実施されていないとのことでした。エンターテイメントへの規制に関しては、過去は同様の事態が発生した場合でも香港・マカオにおける活動には影響はなかったそうですが、今回は香港・マカオでも活動できない状況が続いているとのことでした。ただ、永年日本のイベントを取り扱っている香港地場資本の中には、日本関連のイベントに意欲を示すところもあり、再開に期待を寄せているとのお話もありました。
4.上海市内の様子
少し時間があったので、人民広場・南京西路・類山関路・浦東陸家嘴など市内の中心街を歩いてみました。以前と変わらず日本語の看板も随所に見受けられ、幸い反日の雰囲気は感じられませんでした。
ただ、コロナ以前に比べると人出は若干少なくなった印象で、街全体が少し落ち着いた雰囲気に感じられました。話を伺った日本人駐在員からは、やはり景気の低迷が消費者の行動に影響を与えており、低価格帯の店舗は引き続き活況ではあるものの、価格が高めの店舗にはあまり客が入っていないとの指摘もありました。
一方で東京ほどではありませんが、外国人が以前より増えているように感じました。上海に到着した日曜午後には街中で大きなスーツケースを持った外国人観光客を多く見掛けました。月曜午後に立ち寄ったユニクロ南京西路店では、来店客の半数近くが外国人という状況でした。
残念ながら今回は上海に進出して間もないスシローに立ち寄る機会はなかったのですが、上海在住の方からは、コスパと品質の良さが支持され盛況が続いており、北京での衛生当局立ち入り検査の影響は見られないとのことでした。余談ですが、最近SNSでは浦東金融街の隣接する3棟の高層ビルを模して、お皿を3か所に高く積み上げる映像をよく見かけるという話も伺いました。




川端 良彦(2026年5月)
