【「民営経済促進法」が公布された】(産業政策)(財政・金融関連)

(2025年4月30日 中央人民政府HP)

・2024年4月、「民営経済促進法」が全国人民代表大会常務委員会で審議・採択され、公布された。
・この法律は、民間経済の発展に対する中国共産党と政府の明確な立場と強い意志を示すものであり、法的な支えを提供することにより、民営経済の質の高い発展を後押しすることが目的。
・国家発展改革委員会の劉敏副局長は、法律には「2つの揺るぎない原則(民間経済の発展支援と国有経済の強化)」の遵守や、民間経済の重要性、公平な競争や平等な権利保護が明記されていると強調。
・また、法律第2章から第7章では、公正競争、投資・融資の促進、技術革新、経営の標準化、権利保護など、企業の主要課題に対応した具体的な支援策が定められている。

・「民営経済促進法」の主な内容

 第1章:総則
 本法は、憲法に基づき、民間経済の発展を促進するために制定。
 民間経済は社会主義市場経済の重要な構成要素であり、国家はその発展を法的に支援・保護。
 民間経済団体は他の経済主体と平等な法的地位と市場機会を持ち、国家は公平な競争環境の構築を目指す。
 中国共産党の指導、人民中心主義、中国の特色ある社会主義制度の堅持が基本原則。

 第2章:公正な競争
 民間経済は市場アクセスにおいて対等に扱われ、差別や排除は不可。
 政策は公正競争を前提に審査・評価され、民間企業が公平に参加できる市場を保証。
 国家資源や公共サービスへのアクセスも平等に保障。

 第3章:投融資の促進
 民間経済の国家戦略、重要プロジェクト、新興産業等への投資参加を支援。
 官民連携(PPP)などへの参加促進、資産再構成支援、金融機関の融資条件緩和等の施策が明示。
 直接金融(株式・債券等)の利用も支援。

 第4章:科学技術イノベーション
 民間企業のイノベーション活動、国家研究開発プロジェクトへの参加を支援。
 産学研の連携、データ活用、技術の商用化を促進。
 知的財産権の保護強化、違法行為への厳正対処も盛り込まれている。

 第5章:運営の標準化
 民間経済団体は法令遵守、誠実経営、環境保護、労働者の権利保護が義務。
 ガバナンス強化、企業倫理と法令遵守文化の構築が求められる。
 財務管理の厳格化、私財と企業財の分離が義務付けられる。

 第6章:サービスと保障
 政府機関は法に基づき、民間経済の発展を支援する義務がある。
 政策情報の公開、起業支援、人材育成、行政サービスの効率化などが規定されている。
 政府は民間経済団体の意見を尊重し、法制定に反映するプロセスを確保する必要がある。

 ※この法律における「民間経済団体」とは、その第77条において「中華人民共和国の領土内に合法的に設立され、中国公民が管理する営利法人、法人化されていない組織、個々の工業商業世帯、ならびに前述の組織によって管理または管理されている営利法人または法人化されていない組織」と規定。

(記事原文)国家发展改革委:制定颁布民营经济促进法凝聚信心、共识和力量
https://www.gov.cn/zhengce/202504/content_7022038.htm
(法律原文)中华人民共和国民营经济促进法
https://www.gov.cn/yaowen/liebiao/202504/content_7022018.htm