【広東省・海南省への出張報告】岡事務局長が見た封関後の海南省自由貿易港の「封関運営」の現状及び日中情勢の下の広東省進出日系企業との意見交換(2026/2/4-6)

 ①海南自由貿易港・海南省政府交流
 海南省全島を関税ゼロにする「封関運営」が2025年12月18日から正式に始まりました。これに中国にとって、高水準の対外開放を揺るぎなく拡大し、開放型世界経済の構築を推進するための象徴的な措置であります。
 「封関運営」開始から1ヶ月半に当たり、2026年2月5日~6日に弊機構岡事務局長が海南自由貿易港政策・現状などについて中国商務部アレンジにより、会談・訪問・視察を行いました。
 今回は海南省商務庁、海南省国際経済発展局、儋州洋浦経済開発区、江東新区管理局、などと座談会・意見交換を行い、展示館・物流現場を視察いたしました。
 封関とは海南島を封じ込めることではなく、よりハイレベルな開放を意味します。「関税ゼロ・低税率・シンプルな税制」「貿易の自由および円滑化・投資の自由および円滑化・越境資金流動の自由および円滑化・人の出入りの自由および円滑化・輸送の往来の自由および円滑化・データの安全で秩序ある流動」を主な特徴とする政策・制度体系の実施により、超大規模な中国国内統一大市場と結びつきながら、同時に国際市場とリンクし、中国がグローバル経済システムと深く融合するための先進エリアを築き上げて、さらに、商品と要素の流動型開放を踏み込んで推進するとともに制度型開放を着実に拡大し、国際的なルール、規制、管理、基準との整合性の向上を推し進め、国内と国際的な二つの循環における戦略的ハブを打ち立てます。「二つの拠点」「二つのハブ」「二つのネットワーク」から、国内および国際市場に効果的にリンクし、東南アジア諸国、さらにはより広範な地域へと重点的に広がってゆく総合的な貿易ハブとなるよう取り組んでいます。三つの連動を加えて、「産業チェーンを連動させる」「地域を連動させる」「国際的な連動を進める」しっかり進めることにあります。
 座談会・視察先の関係者が口をそろえてシンガポール・香港・ドバイを目標として、面積の優位があるため、海南省自由貿易港を三都市に匹敵する国際影響力を持つ自由貿易港へ発展させること、かついつか越えることを目的としています(直近予想目標は2030年香港に越えること)。2025年の海南省の成長率が全国一位で(数字未公開)、外資企業数は9,976社、176カ国、人口数は毎年増加しています。1980年代に中国が設立した第5の経済特区で、前の4つの経済特区は深圳、珠海、汕頭、厦門です。前の5つの経済特区は全く異なる発展を遂げ、深圳は全国で3番目に大きな都市となりましたが、海南はその中で最も発展が遅れた場所です。海南で唯一順調に発展しているのは観光と熱帯農業であり、これは海南がこの2つの分野で天然の優位性を持っています。中国全体から見ると、海南は偏僻な位置にありますが、中国全体と東南アジアを一緒に見ると、海南は中心的な位置にあります。非常に核心的な位置にあり、中国とインド洋を結ぶ航路上に位置しているだけでなく、地域全体の中央に位置しており、立地の優位性が明らかです。最大の目玉は輸入関税の大幅なゼロ化で、輸入品全体の約7割が関税免除の対象になります。さらに、加工増値率30%以上の製品については、海南で加工した後に中国本土へ移出する際の関税が免除され、付加価値創出にも強力なインセンティブが与えられます。税制面でも、特定産業に対する企業所得税15%、個人所得税の実効税率上限15%など、大規模な優遇措置が導入され、海外企業・人材の誘致を後押しします。中国の重要な国家戦略は六つの自由・利便を(①貿易の自由・利便②投資自由・利便③越境資金流動自由・利便④人の往来の自由・利便⑤運輸の自由・利便⑥安全で秩序あるデータ・フロー)を目指して、強化・最適化にすることを力に入れたい施策としています。
「封関運営」開始以降の海南自由貿易港は、「一線開放(海外→海南)、二線管理(海南→中国本土)、島内自由」を実行しています。この1カ月で直面した最大の課題と、海南省はそれに対していかに対応しているのか聞きました。現在までに直面している最大の課題は「二線管理」をいかに高効率かつ的確に行い、安全を確保すると同時に通関の利便性に影響を及ぼさないようにします。特に開放を積極的に進めると同時にしっかりと管理を行い、「ワンストップ式の通関、前倒し・後ろ倒し、スマート監督・管理、信用管理」といった監督・管理サービス体系を整備するとともに、密輸、暴力犯罪・テロ、ネット詐欺、わいせつ・賭博・薬物などの違法犯罪行為を厳しく取り締まることになります。
 現在は中国本土の中央国営、欧米(スイス、ドイツ(シーメンス社)の企業が多い)などの投資をスムーズに稼働しています。日本企業はまだないため、医療介護・旅行・食品加工・グリーン資源・先端技術などを期待しています。中国の人口が多くて、市場が大きいのを目で見えます。中国人は日本人と同様なアジア人であり、日本の製品・食品・サプリメントなどに対して適用されて、信頼度がもっとも高いです。免税店が完備し、お金持ちへのサービスが整えており、日本の企業にとってもビジネスチャンスが広がっています。
 面談を通じた疑問点としては、①中国企業の数は何故外資企業より多いのか、こんな優れた政策は何故外資企業が来ないのか②誘致の方法・方向性を変える必要があるのか③特区としての優遇政策はアピールポイントが何か④直行便はないと便利とは言えない⑤代表する企業モデルの紹介 等々挙げられます。
②広東省日系企業との交流、意見交換
 華南地域の広東省に訪れ、日中関係悪化の下、日系企業との意見交換を実施しました。自動車関連を中心とした地域で、地場企業の台頭に影響を与えかねないので、今後、OEMやローカルサプライヤーなどと、どのようにお付き合いするか、確認や手戻りが発生することで、調整コストの増加も問題視されています。
 弊機構は今後も適宜連携を行い、海南省自由貿易港を更なる深掘りしていく必要があり、華南地域の政府との意見交換や日系企業の生の声を直接伺っており、引き続き日中間の円滑なビジネス展開に向け、様々な機会において情報を発信して参ります。
*今回は面談等を通じて、お世話になりました各社に厚く御礼申し上げます。