(関東地域レポート)【関東地域レポート2026年1月】

 2025年12月に関東地域アドバイザーに就任致しました川端と申します。
 これから関東地区でのイベントや企業団体との交流、私自身の中国における経験などから皆様のお役に立ちそうな情報をお届けしたいと考えておりますので、何卒宜しくお願い申し上げます。
 私の地域アドバイザーとして初回レポートは、茲許の日中関係を色濃く反映した内容となりましたが、関係改善への願いを込めつつ報告をさせて頂きます。

1.2026年新年賀詞交歓会

 2026年1月7日 ホテルニューオータニ芙蓉の間において開催された日中経済協会・日本貿易促進協会主催、当機構後援の2026年新年賀詞交歓会に参加しました。
 冒頭、日中経済協会進藤会長の開会ご挨拶、駐日本国中国大使館の羅暁梅公使の来賓ご挨拶、日本貿易促進協会河野会長の乾杯ご発声がありました。
 進藤会長から現在の日中関係を踏まえ「日中関係の歴史の重みをかみしめ経済交流を一層推進する。」とのお話があり、河野会長からは「日本政府に誤解を解く努力を求める。」とのご発言のあと日中関係改善に向けた力強いご発声で乾杯が執り行われました。
 今回呉江浩大使の異例の欠席が報道されましたが、羅公使からの「現在の中日関係に胸を痛めている。中日両国の良好な関係を望む気持ちは皆さんと同じです。」という日本企業に寄り添うメッセージや閉会まで参加者と交流される姿には、印象深いものがありました。

 

 私も参加された企業関係者の方々と交流をさせて頂きましたが、「日中関係の行方に懸念はあるものの、中国事業の位置付けに変化はない。」とのお話を多く伺いました。
 今年の賀詞交歓会には日中の企業関係者を中心に昨年を上回る約400名が参加されたとのことで、経済界における日中関係の重要性を改めて認識する機会となりました。

2.中国における開発区の日本事務所訪問

 2025年12月上旬、中国の開発区が日本に開設している事務所を訪問し、所長と顧問の方から日本における現在の活動状況などについてお話を伺いました。
 この開発区には相当な数の日本企業が進出済であり日本事務所の歴史も永く、日本との繋がりが非常に強い開発区です。
 やはり茲許の日中関係は彼らの活動にも少なからず影響を与えているものの、日本企業誘致の重要性に加えて地元中国企業の海外進出ニーズの高まりもあり、関係改善後を見据え今出来ることを着実に行うという明確な方向性を感じました。

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日本企業へのサポート
 11月以降、日中関係が難しい時期に入っているので交流イベントや地元中国からの訪日団などの活動は少なくなっているが、現地へ進出している日本企業とのコンタクトは継続して行っている。
 中国における事業展開のサポートの一環として、本社に対して現地の情報提供や中国事業課題の解決に向けた提案など、まだまだ出来ることがあると考えている。

地元中国企業へのサポート
 地元中堅企業の多くは中国国内に留まっていては今後の成長は見込めないと考えており、海外への進出意欲が強い。
 進出意向のある中国企業は技術面や品質面では相応の水準にあるが、日本ではブランド力や信用力がないため事業展開に苦戦している。
 当事務所としては、これまでの日本企業とのリレーションなどを活用して日本への進出支援に注力しており、今後も日本企業との橋渡しを積極的に行っていきたいと考えている。

今後の方向性
 地元中国企業に対する日本進出支援は、今後も積極的に推進していく。
 日本企業に対する誘致活動に関しては、環境が整った段階で改めて推進したいと考えており、引き続き企業・団体とのリレーション維持強化に努めていく。

3.香港の会計事務所代表との面談

 2025年12月中旬、都内において永年お世話になっている香港所在の会計事務所代表から香港における日系企業の動向や香港でいま注目されていることなどを伺いました。
 記憶に新しい香港の大規模火災、日中関係の悪化、立法会選挙の結果などが日系企業の動向に影響を与えている一方で、金融・税制面での香港の優位性に改めて着目する日本企業やスタートアップが増え始めているという動きは注目に値すると感じました。

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香港における日系企業の動向
 最近改めて香港拠点の撤退を検討する企業が見られるようになった。
 以前から中国華南地域における拠点としての重要度が低下していたところに大規模火災に対する中国本土を彷彿とさせる香港政府の対応や香港立法会選挙での親中派の議席独占、日中関係の悪化などが香港拠点撤退の背中を押した可能性がある。
 日本国内でチャイナリスクが強く意識される中、香港拠点の撤退が投資家や株主から前向きに受け止められていることも要因と思われる。
 一方で、香港の金融面での自由度や税制面での優位性に着目し、「フィナンシャル・サプライチェーンマネジメント」の一環として、香港を海外における貿易取引の資金面での拠点と位置づける企業も見受けられるようになった。
 モノの流れとカネの流れを切り離し、カネの流れを香港経由とすることによって資金の効率的な運用を実現している。
 こうした動きはまだ一部の大企業に留まっているが、財務面の感度が高い中堅中小企業にも広がっていく可能性がある。

香港におけるスタートアップ
 スタートアップというと深センのイメージが強いが、香港においても中国系を中心にスタートアップ企業が増えており、政府もスタートアップ育成に力を入れている。
 海外企業との協業や海外のファンドから資金を得たいと考える中国系スタートアップ企業は、香港を海外の企業やファンドとの出会いの場と捉え拠点を置くようになっている。
 海外の企業やファンドにとっても、中国に比べて外資規制や金融面での規制が少なく英語や西側経済圏の常識・商習慣が通用する香港は参入のハードルが比較的低いと考えられており、Win-Winの関係が成立しやすい。

中国自動車メーカー進出
 最近香港では、中国国営自動車メーカーの「第一汽車」が香港北部で自動車の組立を行う旨の報道が注目を集めている。
 まだ正式に公表されたものではないため断定的なことは言えないが、東南アジアなど海外への進出を見据えての動きではないかと考えられる。
 もし今回の報道が現実のものとなり香港を製造拠点と捉えることが一般的になっていけば、香港の新たな可能性が広がるかもしれない。

以 上

川端 良彦(2026年1月)