(北陸地域レポート)【第2回地域レポート】

 福井県の中国への投資案件について、情報収集を行った。残念ながらコロナ禍以降、中国に製造拠点を新たに設立する、もしくは増設する等の積極的な姿勢の話は出てこなかった。逆にサプライチェーンの再構築のために、撤退案件として以下の事例があった。

【撤退事例】
・株式会社Tレース(インナーウェア用レース製造・販売)の製造販売拠点
・浙江省寧波(2002年設立)
・2021年秋、タイ拠点に統合集約のために同業他社に売却
・中国の人件費上昇とコロナ禍による経済悪化が原因
・中国市場の購買力は引き続き重要との認識で、タイから中国への輸出で対応

 一方で、進出案件については、中国市場を狙った飲食業・小売業での進出があるのみであった。以下具体例を紹介する。
特に、眼鏡業界からの新たな進出は要注目である。

【進出事例①:うなぎ屋の出店】
・店舗名「玄白」
・業種:飲食店(うなぎ屋)
・出店時期:2024年5月
・出店場所:上海市虹橋路 高島屋
・動向:中国人顧客を対象とした味付け 
 うな重180元、ひつまぶし190元

      玄白上海店

【進出事例②:眼鏡小売業の出店】
・企業:金子眼鏡株式会社(福井県鯖江市)
・業種:アイウェアの企画・製造・卸および販売
・出店時期:2023年3月~
・出店場所:上海武康庭376店、上海思南公館
      店、上海洛克·外滩源店
・動向:出店目的は「金子眼鏡」の中国でのブランディング。
 上海のファッショナブルな地区に立地。
 日本より高価格帯の眼鏡を販売。拡大路線。

金子眼鏡 上海洛克·外滩源店(同社HPより)
金子眼鏡 上海洛克·外滩源店(同社HPより)

金子眼鏡の中国進出事例については、次回改めてレポートする予定。

大橋 祐之(2025年7月)