投資機構会員ネット・法律税務相談室より(第9回)

 会員ネット内の法律・税務相談室より、皆様のお役にたつと思われる事項を抜粋して紹介させて頂きます。今回は中国での株式上場に関する質問を取り上げました。
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質問1 国営企業の民営化について
 私どもの合弁会社の中国側合弁パートナーである国営企業が、民営企業への転換を検討しています。そこで、以下質問させて頂きます。
(1)国営企業から民営企業へ会社形態を変更することは可能なのでしょうか。可能であるのなら、どのような関係法規に則して会社の形態変更が行われるのでしょうか。
(2)中国側合弁パートナーが国営企業から民営企業に組織変更した場合、合弁会社の契約内容の変更は、単に、中国側合弁パートナーの社名変更をするだけで良いのでしょうか。それとも、新たな申請許可を受ける必要があるのでしょうか。
(3)合弁パートナーが国営から民営になることによる、合弁会社経営に及ぼすリスクはどのようなことが考えられるでしょうか。

回答1
 そもそも国営企業という概念は若干古く、会社法の整備に伴う経営と所有の分離の進展という状況の下では国有企業と呼ぶ方が適当かと思います。その国有企業についてですが、(1)全民所有制工業企業法に基づく企業(ここでは、敢えて、これを公司とは呼ばないこととします)と(2)会社法に基づく有限責任公司又は株式有限公司の2種類があります。これは準拠法と組織形式の区別の問題であり、後者であっても持分ないし株式を国家が所有しているという場合が多く、依然として国有企業であることに変わりはありません。
 会社法施行後の(1)から(2)に転換することは頻繁に行われ、現在国有企業の多くは(2)の形態になっているものと思われます(2)の形態になった国有企業については、会社法に基づいて、その下での持分譲渡又は株式譲渡を通じて民営化が行われることとなります。ただし、国有資産の売却を伴うこととなりますから国有資産管理法規の下で厳格な認可規制をも受けることとなります。以上のことは、<関於国有企業改革中登記管理若干問題的実施意見>の2条に国有企業の「公司」(会社法上の概念として使用しています)への転換、7条に新株主の参入、をそれぞれ前提とした規定を置いています。
 中国側合弁パートナーが国営企業から民営企業に組織変更した場合、定款の変更になることから、原審査認可機関の認可が必要となります。
 合弁パートナーが国営から民営になることによる、合弁会社経営に及ぼすリスクですが、
これは国有企業に関する規定が適用されなくなることが法的な相違ですが、これはリスクといえるか否か即断はできません。むしろ、法的な観点からは明白に認識しうるリスクはないと考えておいて良いのではないでしょうか。この点は主としてビジネスリスクの問題として考えればよいということと思われます。


問2 三項基金の使用用途について 
 弊社の中国合弁会社は利益を計上しており、三項基金積み立ても行っております。累積損が無くなって以来ずっと配当継続しておりますが、今期の利益見込みは小さく、例えば準備金や企業発展基金を取り崩して配当に廻せるかどうかをお質ねします。 企業発展基金はその性格上、新規投資以外には基金の資金を流用できませんか。
 また、準備金の使用用途もお尋ねします。

回答2
 お尋ねの三項基金の取り崩しに関する規定は以下に言及されています。
まず準備基金については、「合弁企業法実施条例」第76条(2)に「準備基金は合弁企業の損失に補填に使用するか、審査認可機関の認可を経て、当該企業の増資、生産拡大に使用できる」と規定しており、より具体的には「外国投資工業企業勘定科目及び財務諸表」の「勘定科目使用説明」で、「準備基金は、企業の流動資金の拡大に用いることができ、企業に欠損が発生した時、準備金を取り崩して欠損の補填に用いることができる。また認可を受ければ資本金の増加に使用することもできる。」とあります。また企業発展基金は、同じ「外国投資工業企業勘定科目及び財務諸表」の「勘定科目使用説明」で「技術改造を含む企業の生産発展、固定資産の追加取得及び流動資金の増加に用いることができる。また認可を受ければ資本増加に用いることもできる。」とあります。
準備基金や企業発展基金をこれらの目的以外のために取り崩すことはできません

 

以上