投資機構会員ネット・法律税務相談室より(第8回)

 会員ネット内の法律・税務相談室より、皆様のお役にたつと思われる事項を抜粋して紹介させて頂きます。今回は中国での株式上場に関する質問を取り上げました。
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質問 中国で会社の上場を検討していますが、上場の条件/法制度、外資系企業(日米欧)の上場状況などについて教えて下さい。

回答
 これまでの三資企業の上場で、独資企業の株式上場は厦門燦坤実業という香港系企業が深センのB株(外貨建)市場に上場した以外では実績がないようです。独資企業の上場がほとんどないという理由として、中国での株式上場は、中国の証券監督管理委員会が厳重に管理しており上場基準を満たせば上場できるということではなく、上場の可否は管理委員会への根回しに追うところが大きく、優先順位がまずは国有企業で、次いで有力な集団所有制企業、外資でもやはり中方マジョリティの合弁企業が先で、元々の独資であった企業はどうしても後回しになってしまうということがあるそうです。また、その根回しの過程においても、人間関係がモノをいうことや、実際の上場にあたっては合弁の中方が主導権を握り、外資が主体的に動くということができないというお話も弁護士の方から伺ったことがあります。最近は独資企業を含め外商投資企業の上場を促進しようとする政府関係者の発言を私たちもよく耳にしますが、依然としてその辺りの雰囲気は変わっていないそうです。

 まず、三資企業が株式上場するに当っては、三資企業を株式有限公司に組織変更しなければなりません。組織変更に当っての手順及び要件を規定しているのが、「外商投資株式公司の設立に関する若干の問題についての暫定規定」(1995年1月10日発布同日施行、対外貿易合作部)及び「公司法」(1993年12月29日公布、94年7月1日施行、99年12月25日改正、公布、同日施行)です。
 上記規定によりますと、既に設立されている三資企業が、株式公司への転換する場合には、直近で3年連続利益を上げていることを条件に、原外商投資企業の投資家が会社の発起人となり(又はその他の発起人と)会社設立契約及び定款を締結し、原外商投資企業の審査認可機関に報告し初歩的審査と同意を経た後に、対外経済貿易合作部に再報告し、審査認可を受けなければならないとされています。

 また、外商投資株式有限公司の設立要件は以下のとおりです。

 [1]外資側株主の保有する株式が、登録資本金の25%以上であること(暫定規定第2条)
 [2]登録資本の最低額が3千万人民元を下回らないこと(暫定規定第7条)
 [3]発起人は5人以上で半数以上は国内発起人かつ少なくとも1人の発起人が外資であること(公司法第75条、暫定規定第6条)

 次に、外商投資株式有限公司の上場株式発行についてですが、これは「上場会社の外商投資に係る問題についての若干の意見(2001年11月5日公布)」が参考になると思います(本規定は当機構ホームページ・会員ネットのデータライブラリーにございますので詳細はそちらをご覧下さい)。
 この規定では、「外商投資株式有限公司が国内で株式(A株とB株)を発行するには、外商投資産業政策及び上場株式発行の要求に合致しなければならない」としたうえで以下の条件を要件に挙げています。
 
[1]上場申請前の3年間、全て外商投資企業合同年度検査に合格していること
[2]経営範囲が『外商投資方向指導暫定規定』と『外商投資産業指導目録』の要求に合 致していること
[3]上場して株式を発行した後、その外資株の株式資本総額に占める比率が10%を下回 らないこと
[4]規定にもとづき中国側が株式を支配する(相対的支配を含む)必要がある、或いは 中国側の持分比率に特別な規定のある外商投資株式有限公司は、上場後も関係規定の要求にもとづいて、引き続き中国側が支配的地位、或いは持分比率を維持しなければならない。
[5]上場株式発行に関する法規が要求するその他の条件に合致すること
 
 [5]の上場株式発行に関する法規ですが、これは中国内資企業が上場するための要件ということになります。ここでは代表的な「公司法」及び「株式有限公司の国内上場外資株(B株)に関する国務院の規定(1995年12月25日、国務院令第189号)」をもとにその最低基準の紹介に留めさせていただきます。

1.A株(人民元建)上場時の最低基準
[1]株式が公開発行されていること。
[2]公司の資本金総額が5,000万人民元以上であること。
[3]開業後3年以上経過し、直近3年間継続して利益を上げていること
[4]所有する株券の額面金額が1,000人民元以上で、株主の人数が1,000人を下回 らず、公開発行した株式が公司株式総数の25%以上であること。公司の資本金総額が4億人民元を超えているときは、公開発行した株式の比率が15%以上であること。
[5]会社に最近3年以内に重大な違法行為がなく、財務会計報告書に虚偽の記載がないこと
[6]国務院の定めるその他の条件

2.B株(外貨建)上場時の最低基準
[1]調達資金の用途が国の産業政策に適合すること
[2]外資利用に関する国の規定に適合すること
[3]発起人が引き受ける株式資本総額は、公司の発行予定株式資本総額の35%以上
[4]発起人の出資総額が1.5億人民元以上
[5]公開発行する予定の株式が公司の株式総数の25%以上。発行予定の株式資本額が 
4億人民元超の場合は公開発行する予定の株式が公司の株式総数15%以上。
 


以下これまでの外資系企業の上場実績例について以前証券会社の方にお伺いしたことがございますので、簡単にご紹介いたします。日系企業では、2社の上場実績があるようです。

上海株式市場
会社名  株式上場時期 外資側の株式発起人
上海聯合実業(株)   A株1992.3 香港臉滬毛紡績(有)
上海聯華合繊(株) A株1992.10 香港佳運集団(有)
  B株1993.9  
上海大江集団(株) A株1993.11 タイ正大集団正大上海
  B株1993.12  
上海耀華ピルキントンガラス(株) A株1994.1 英ピルキントンホールディング
  B株1993.12 聯合発展(香港)(有)
瀋陽東大アルパインソフトウエア(株) A株1996.6 日本アルパイン中国
上海茉織華(株) B株1999.1 マツオカ・コーポレーション
    韓国ローマ社


深セン株式市場
会社名  株式上場時期 外資側の株式発起人
中国南玻集団(株)  A株1992.5 招商局(ガラス)工業ホールディング
  B株1993.5   
深セン市中華自転車集団(株) A株1992.3 香港大環自転車(有)
  B株1992.3 米世穏自転車香港(有)
厦門燦坤実業(株)  B株1993.6 香港の企業3社(独資)

以上