投資機構会員ネット・法律税務相談室より(第7回)

 会員ネット内の法律・税務相談室より、皆様のお役にたつと思われる事項を抜粋して紹介させて頂きます。今回は資金調達(借入・リース)に関する質問を取り上げました。
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質問1.中国現地法人の対外借入について
 香港の子会社A社が中国に現地法人B社を設立します。中国現地法人B社の必要資金は、香港の子会社A社からの資本金と借入(株主融資)で調達します(中国現地法人B社は金融機関からの借入は行いません)。この場合、据置期間、貸出金利の利率、その他に関し、何らかの法規は存在するのでしょうか?存在するとすれば、どのような規制でしょうか? ご教示の程宜しくお願いします。
 また、中国現地法人B社は、設備等の減価償却によりcash-flow上現金が蓄積されますが、その蓄積された現金を香港子会社A社が回収する方法はあるのでしょうか?例えば損益計算書にては、収支ゼロにて株主への配当が行われないが、減価償却により現金は残る。この現金を回収する方法はあるのでしょうか?

回答1.
 対外借入については公認会計士の先生に確認いたしました。「国内機構の国際商業ローン借入管理規定(中国人民銀行1997.9.8認可、国家外貨管理局1997.9.24公布)」第9条には、「国内機構が対外的に借用する国際商業貸付金は、原価コントロールを強化しなければならない。その借入金総原価は、国際金融市場の相応の信用レベルの借入機構の同期間の借入金総原価より高くてはならない。外貨管理局は、国内機構が借用する国際商業貸付金の原価コントロールに対して監督と指導を行う」とあり、この第9条は外国投資企業にも適用されると第50条で規定されています。また、外国投資企業および外国企業所得税法で規定されている移転価格税制に基づく「関連企業間業務往来の税務管理規程(国家税務総局1998.4.23公布・施行)」によれば、移転価格の取引類型に金銭の貸付が規定されており(第2条)、金銭の貸付については正常な利率水準を参照して調整する方法と、転貸融資については原価基準法に類似した方法で価格が調整されます(第29条)。以上から、金利については国際市場等を勘案して決定した方が無難であるようです。
なお、据置期間については、特に規定はないようです。
 現法からの利益回収については、減価償却費も考慮した上で算出した税引き後利益から、賠償金等の支払、欠損補填、三項基金の積立を行った残額が配当原資となるため、減価償却分の現金を回収するのは難しいと思われます。ただし「外商投資企業の『企業会計制度』執行に関する問題の規定(財政部2001.11.29公布)」では、定額法や200%定率法(加速度償却)等の償却方法が認められており(第36条)、利益計画、見込み等に応じて償却方法を選択し、配当原資を調整する余地はあると思います。


質問2.リースによる設備導入について
 中国に所在する既存の合弁企業が新たに日本製設備を導入するに当たり、日本の親会社からリースにより導入する事を検討しています。そこで、以下の点をお教え願います。
質問(1)
 親子間の直接のリース契約は有効ですか?リース会社を絡ませる必要はありますか?
回答(1)
 親子間の直接のリース契約は可能です。
質問(2)
 リースの場合の外債登記も外貨借入の外債登記の手続きと同じと考えていいですか?
回答(2)
 「対外債務統計監督測定実施細則」では国外の機構が提供するファイナンスリースは、規定に従い登記手続きをしなければならないと定めております。オペレーティング・リースのリース料支払いは、経常項目下の外貨取引ですので外債登記は不要です。
質問(3)
 支払いリース料にかかる税金関係についてお教えください。
回答(3)
 外国企業(非居住者)が中国の企業に中国内で設備をリースした場合、ファイナンスリース、オペレーティングリースの形態により税務関係も異なります。ファイナンスリースの場合、営業税(5%)は免税、企業所得税はリース料から機器代金を控除した金額が課税対象になり源泉徴収されます。税率は中国の国内法では20%ですが、日中租税条約により10%に減免されています。リース料に含まれる利息相当分については、この利息が貸出国の信用金利を上回らない場合はこれに対する企業所得税も免税となります。 オペレーティングリースの場合、リース料全額が課税所得になりこれに対して営業税(5%)、企業所得税(10%)が課せられます。ただ、一般に日本の本社が中国現法に設備をリースするのは、自社の設備をレンタルするオペレーティング・リースに該当すると思われます。なお、ファイナンスリースとオペレーティングリースの違いは企業会計準則(リース)に定義されております。
質問(4)
 奨励類或いは全製品輸出の許可類プロジェクト等の要件を満たせば、リースでも関税等が免除されますか?
回答(4)
 ご指摘の通り、要件(総投資額の範囲内、対象プロジェクト等など)を満たせば、関税、増値税は免税となります。なお、リース料総額が総投資額にカウントされます。

 

以上