会員ネット内の法律・税務相談室より、皆様のお役にたつと思われる事項を抜粋して紹介させて頂きます。今回は保税区に関するいくつかの質問を取り上げました。
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質問1.保税区に設立する企業の最低資本金について(2001年11月12日)
会員ネットデータライブラリー資料の「保税区での会社設立・運営の概要(2001年7月作成)」に、認可条件として加工企業の最低資本金20万ドルと記載されております。また、公司法では有限責任企業の最低資本金は50万元と定められています。20万ドルとは保税区のみの規定と理解しておりますが、その法的根拠(準拠法)は何になるのでしょうか?また、保税区以外でも、公司法以外の独自の規定を設けているケースはあるのでしょうか。
回答1.
保税区での会社設立の最低登録資本は、保税区管理委員会の独自規定によるものと思われます。因みに上海外高橋保税区連合発展有限公司の説明書によると、合弁企業設立の場合、外資側の最低投資金額は10万米ドル、独資企業の設立は最低登録資本金が20万米ドルとされています。
現在、全国に15ヶ所の保税区がありますが、最低登録資本はそれぞれの保税区で定めております。外高橋保税区以外の保税区も概ね20万米ドルのようです。外商投資企業の登録資本に関する個別の規定は、他にも小売・卸売企業や投資性公司(傘型企業)など制限業種に見られますが、保税区に関しては国務院の「試点区」に指定され、独自の政策実施が認められていることによるものと思われます。その他、経済技術開発区、輸出加工区の最低登録資本金について調べましたが、統一された規定はないようです。実際にいくつかの経済技術開発区(国家級)、輸出加工区に確認してみましたところ、天津経済技術開発区は、20万米ドル(合弁、独資とも)、南京江寧経済技術開発区は合弁は20万米ドル、独資は10万ドルとの回答でした。輸出開発区については、北京天竺輸出加工区:制限なし、天津輸出加工区:制限なし、大連輸出加工区:20万米ドル(合弁・独資とも)、上海松江輸出加工区:14万米ドル(合弁・独資とも)、広州輸出加工区:20万米ドル(合弁・独資とも)。証左の通り、経済技術開発区、輸出加工区により異なっており、それぞれの開発区、加工区で定めていると思われます。但し、経済技術開発区、輸出加工区とも、基本的に生産企業を誘致していますから、プロジェクトによって投資額が全く異なることは当然のこととして想定しています。したがって、上記の各開発区の最低資本金は、これを満たさないと認可されないというものではなく、「これ以上の金額を投資する企業を優先する」という目安と理解されるのがよいでしょう。空き状況や企業進出の勢いなどで、その金額も変わるものと思います。
質問2.保税区へ輸出した際の増値税還付について(2002年2月21日)
保税区に貨物を持ち込んだ際の増値税が還付されるようになるとの話(2001年12月現在)でしたが、既に実施されているのか、その後の状況を教えて頂けませんか。また、保税区から直接輸出されず、一旦国内に販売された後輸出された場合でも還付されるのでしょうか。
回答2.
国家税務総局に照会したところ、(1)草案は既に国務院に上がっているが、まだ承認されておらず、いつ承認されるかはわからない、(2)承認されれば、新しい規定として発布されるだろうが、その規定はこの問題だけでなく保税区や輸出加工区のほかの問題も包括したものになろう、(3)貨物が区外から区内へ搬入された後、再度区外へ搬出、最終的に輸出された場合は、まず区内企業へ販売した区外企業に還付し、最終的に輸出する区外企業に還付される。(区内から再び区外へ搬出される場合は、通常の輸入と同じ扱いとなる。)
ということでした。
ただし、国務院の承認の後、通知として出るのか、保税区に関する新しい規定として出るのか、また国家税務総局の単独発布か、他の機関との合同発布か、など現段階ではわかっていません。希望的観測ですが、通知や規定が出れば、地方での実施は以前よりも早いと思います(2002年2月26日回答分)。
質問3.外高橋保税区における異地通関について(2002年2月27日)
上海の外高橋に商社の現法のような会社を設立し、日本からの製品を販売したいと考えております。基本的に上海にて価格コントロールをしたいと思っており、すべて上海現法経由して中国各地への販売することが理想です。聞くところによれば、異地通関はできないと聞いております。仮に広州にある顧客へ上海現法経由して販売する場合、日本からの輸入は上海現法で、荷物は広州揚げということは可能でしょうか?
今回のWTO加盟において、このような異地通関ができるようになるのでしょうか?
ご教示願います。
回答3.
日本からの輸入製品を上海の外高橋保税区内貿易会社を経由して、保税区外企業に国内販売する場合に、製品を異地通関(製品が保税区税関を経由しない輸入取引)することは可能です。異地通関については、2000年6月2日付で上海の外貨管理局が公布した「保税区企業の区外貿易公司への業務委託の政策運営強化に関する通知(上海匯発154号通達)」により、一時できなくなりました。しかし、外高橋保税区進出企業からの強い要望により、上海外貨管理局は、同年7月27日に国家外貨管理局の承認を得て、「保税区の貿易取引に係る外貨管理に関する通知(上海匯発178号)」を公布しました。これにより、現在は異地通関するための決済ルールが規範化されていると考えられます。
また、外高橋ではないですが、2001年11月に深センの福田保税区管理局を訪問した際に、保税区内貿易企業が異地通関する事の可否について質問しましたが、可能である旨回答もいただきました。
異地通関する際の決済ルールのポイントは以下の通りです。
A.保税区外企業が区内企業に代金を支払うケース
区外企業は、(1)区内企業との貿易契約、(2)区内企業の「保税区外貨登記証」の写し、(3)
貿易輸入核銷単(通関申告書代用)、(4)輸入貨物申告書、(5)相応の商業インボイスで銀行にて送金手続きを行う。
区内企業は受け取った代金を海外送金する際に、(1)輸入契約、(2)"経営単位"を区外企業とする輸入報関単の写し、(3)外貨購入・支払金額を照合・確認後の電子データー通関申告書、(4)相応の商業インボイスで銀行にて送金手続きを行う。
B.保税区外企業が直接海外に代金を支払うケース
区外企業は、(1)区内企業との貿易契約、(2)区内企業と海外企業との輸入契約、(3)区内企業の「保税区外貨登記証」の写し、(4)輸入核銷単、(5)輸入報関単、(6)相応の商業インボイスで銀行にて送金手続きを行う
質問4.保税区の貿易商社の区外事務所設立について(2001年12月28日)
保税区の貿易会社が区外に事務所を設立することが正式に認められるとのことですが、本当でしょうか?
回答4.
ご質問の件は、そのとおりです。12月14日に行った当機構と中日投資促進委員会の実務問題意見交換会の際に、国家工商行政管理局の王小莉処長が、保税区の外商投資企業に区外での事務所設置を許可するという説明をしています。
12月27日の「中国工商時報」に、その規定が発布されたという記事が載っています。それによれば、規定の内容は以下のとおりです(要約です)。
1. 保税区の外商投資企業は、区外に事務所(原文は「弁事機構」)を設置することができ る。その業務範囲は、親企業の経営範囲内の連絡業務とする。
2. 区外に事務所を設置するときは、外商投資企業の事務所設置に関する条件、登記機関、 登記手続きにより行う。
3.登記については次のとおり行う。
(1) 事務所の「外商投資企業弁事機構注冊証」の有効期限は暫定的に1年とし、違法行為がなければ延長することができる。
(2) 事務所の登記機関は、登記時に書面で元の登記機関に確認する。事務所の経営活動が規定に違反した場合は、事務所の登記機関が「公司登記管理条例」および施行細則により処罰する。
4.事務所に対しては、保税区の優遇政策を適用しない。
5.事務所は、外貨口座を開設することはできない。事務所は、親企業からの経費以外、 いかなる収入も得てはならない。
6.事務所以外の経営性の分支機構を設置してはならない。
以上です。正式な通達は既に工商行政管理局から出されております。近日中に会員ネットにアップする予定ですので、全文はそちらでご覧下さい。尚、事務所を設置できる場所ですが、王処長に聞いたら「中国内であればどこでも可」ということでした。
以上
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