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質問1.退職金制度について
弊社は蘇州工業園区に立地しています。「江蘇省外商投資企業労働管理弁法」(2002年8月28日)により退職金制度(満1年勤務につき1ヶ月分給与相当額)が廃止になりました。これは社会保険制度が整い退職金が年金に移行したからと聞いています。
ところが、2003年12月12日施行の「江蘇省労働合同条例」で上記の満1年勤務につき1ヶ月の退職金が、最高12ヶ月迄というのが復活されたと聞いています。この条例に従い、年金と別に退職金を支払わなければならないのでしょうか。
また、退職引当金を設定して原価算入しても税務上、認められるのでしょうか(税務上、退職引当金制度が存在するのでしょうか)。
回答1.
ご質問の中で「退職金」と書かれているのは、「経済補償金」のことと思われます。以下、その前提で回答させて頂きます。
「経済補償金」とは、ある条件によって労働契約を解除する場合等に雇用者から労働者に支払わなければならないものです。「退職金」と呼ばれることも多いようですが、ここでは法律の文言に従って「経済補償金」と標記させて頂きます。
なお、養老保険(定年退職後の年金)や失業保険といった社会保険は、雇用者と労働者双方が保険料を拠出し、社会保険取扱機構から支払われるものであり、雇用者が支払う経済補償金とは異なるものです。
長文になりますが、当方の整理もかねて経済補償金について順を追って説明させて頂きます。
<労働契約の解除>
まず、労働法(1994年7月5日公布、1995年1月1日施行)によれば、労働者と雇用者は必ず双方の権利及び義務を明確にするべく、労働契約を締結しなければなりません。労働契約上、労働契約期間や労働契約終了の条件は必要記載事項であり、期間満了または労働契約終了の条件が生じたときは、労働契約は直ちに終了します。
一方、下記の場合は、雇用者は労働契約を解除することができます。
@ 当事者間の合意により労働契約を解除する場合(労働法第24条)
A 労働者が病気を患い、又は業務外で負傷し、もとの業務に復帰することができず、また使用者が手配するその他の業務にも従事することができない場合(同第26条の1)
B 労働者がその職務に堪えることができず、訓練又は職務調整を行った後もなおその業務に堪えることができない場合(同第26条の2)
C 労働契約の締結時において依拠した客観的状況に重大な変化が生じ、その結果労働契約を履行することができなくなり、当事者間の協議で労働条件の変更について合意に達しない場合(同第26条の3)
D 雇用者が破産に直面し、法定更正期間にあり、又は生産経営上甚だしい困難が生じ、人員整理をしなければならない場合(同第27条)
E 試用期間中に採用条件に適合しないことが証明された場合(同第25条の1)
F 労働規律又は雇用者の定める規則制度に著しく違反した場合(同第25条の2)
G 職務怠慢又は不正利得行為により雇用者の利益に対して重大な損害をもたらした場合(同第25条の3)
H 法により刑事責任を追及された場合(同第25条の4)
また、労働法第32条では、以下の場合は労働者が随時労働契約の解除を雇用者に通知することができる、としています。
I 使用期間内にある場合
J 使用者が、暴力、脅迫又は不法に人身の自由を制限する手段により労働を強制する場合
K 使用者が、労働契約に約定するとおりに労働報酬を支払わず、または労働条件を提供しない場合
<「規則」上の経済補償金>
労働法第28条では、上記@〜Dの理由で労働契約を解除する場合、雇用者は労働者に経済的補償を与えなければならない、と規定しています。
この規定に従い制定された「労働契約違反及び労働契約解除にあたっての経済的補償についての規則」(労働部 1994年12月3日公布、1995年1月1日施行。以下、「規則」)により、「経済補償金」が規定されています。
上記@〜Dのどの場合も、労働契約を解除した雇用者は、労働者の勤続年数に応じて1年毎に1か月分の賃金に相当する経済補償金を支払わなければなりません。例えば勤続7年の労働者なら賃金7ヶ月分相当の経済補償金が必要となります。(規則第5〜9条)
ただし、@及びBの場合は、経済補償金の上限は賃金の12か月分とされています。(ACDの場合は上限規定なし。)
@及びBの場合の計算基準賃金は、契約解除前の12ヶ月間の平均賃金、ACDの場合は当該労働者の平均月間賃金と企業平均月間賃金のいずれか高いほうになります。
また「規則」では、賃金の不当控除、支払遅延及び時間外労働割増賃金の不払いの場合、ならびに賃金がその地域の最低賃金基準を下回る場合にも、経済補償金を支払わなければならないとしています。
なお、Aの場合は医療補助金も支給しなければなりません。
<「外商投資企業労働管理規定」に関する補足>
外商投資企業には「外商投資企業労働管理規定」(労働部・対外貿易合作局制定、1994年8月11日交付・施行。以下「規定」)も適用されます。「規定」第19条には「企業は本規定第11条第1号、第3号、第12条の規定に従い、労働契約を解除する従業員に対して、生活補助金を一括で支給しなければならない。(以下略)」とあります。
「『労働法』の徹底的実施にあたっての若干の問題に関する意見」(労働部制定 1995年8月4日公布・施行)93によれば、この生活補助金とは、「規則」に定める経済補償金と同一です。因みに、「規定」第11条第1号は上記@に、第3号はJKに、第12号はA〜Cにそれぞれほぼ該当します。
<江蘇省の場合>
さて、地方政府によっては、労働契約解除の要件や経済補償金支払事由などについて、「規則」に追加した形で独自の法規を制定する場合があります。このような地方独自の法規(地方性法規)が無い場合は、当然「規則」がそのまま適用されます。
江蘇省の場合、「江蘇省外商投資企業管理弁法」(以下「弁法」)が2002年4月24日付けで廃止され、2003年12月12日に「江蘇省労働合同条例」が施行(公布は2003年10月25日。以下「条例」)されるまでは、「規則」と「規定」が適用されていたはずです。現在は、「条例」が適用されます。
「条例」でも、上記@〜Dの労働契約解除の場合の経済補償金については「規則」と同内容の規定がされています。ただ、@およびBの場合は12ヶ月分を上限とするものの、当事者間でそれ以上の経済補償金を約定していれば、それに従います。
また@〜D以外に次の場合も、雇用者は労働者の勤続年数に応じて1年毎に1ヶ月分の賃金に相当する経済補償金を支払わなければならないとしています。
○ 雇用者が以下の状況で労働関係を打ち切る場合
・ 書面による労働契約がまだ締結されていないが、労働者がすでに雇用者の要求に従って労働義務を履行している状況で、雇用者が労働関係を打ち切る場合
・ 労働契約が満了しているが、雇用者がまだ労働者との労働契約の打ち切り又は継続の手続きを処理していないものの、労働者が依然として働いている状況で、雇用者が労働関係を打ち切る場合
○ 労働者が以下の状況で労働契約を解除する場合
・ 試用期間内にある場合(上記I)
・ 雇用者が暴力、脅迫又は不法に人身の自由を制限する手段により労働を強制する場合(上記J)
・ 雇用者が身体検査、体罰、侮辱などにより、労働者の人格の尊厳を著しく侵害した場合
・ 雇用者が法規あるいは労働契約に約定するとおりに労働報酬を支払わず、または労働条件を提供しない場合(上記K)
・ 雇用者が労働者のための社会保険費の納付を拒んだ場合
○ 雇用者が解散、あるいは法による廃業、破産宣告あるいはその他の原因で労働契約が打ち切られた場合
以上、長々と書きましたが、本件含めて労働・社会保障制度に関する法令・行政通達は頻繁に変更されますし、細かい運用は当方では分かりかねますので、地元政府関連機関から直接情報を収集されることをお勧めいたします。
なお、2つめのお問い合わせについて、そもそも外商投資企業の経済補償金の税務上の取扱いについて、明確な規定がありません。公認会計士事務所に確認したところ、経済補償金の引当は、規定が無い以上できないとのことです。
質問2.タックス・スペアリング・クレジットについて
回答は「投資機構ニュースNo.124」に掲載しております。
質問3.連帯保証について
回答は「投資機構ニュースNo.124」に掲載しております。
質問4.香港子会社株式の投資性公司への譲渡について
回答は「投資機構ニュースNo.124」に掲載しております。
質問5.アフターサービスについて
回答は「投資機構ニュースNo.124」に掲載しております。
以上
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