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質問1.合作企業の先行回収について
中外合作企業を設立し、外国側がその出資額を先行回収する場合、最近、公布された規定によれば「合作企業が累損を抱えている間は回収できない」とありますが、回収額は合作企業の税引後利益の範囲内と考えるべきでしょうか。
合作企業法実施細則では「税務局の許可を得れば税引き前に回収可能」とも読める条項がありますが、これは具体的にどのような場合に認められるのでしょうか。
回答1.
まず、『中外合作経営企業法』第21条によれば、「先行回収」は全ての固定資産を合作期間満了時に中方の所有に帰することを前提に、合作契約において「先行回収」の実施を約定することにより可能になります。
その具体的な回収方法については『中外合作経営企業法実施細則』第44、45条に規定されており、以下の通りです。
@合作契約書にて外国合作者の収益分配比率の拡大を定める
A財政税務機関の審査認可を経て、所得税納付前に投資を回収する
B財政税務機関および審査認可機関の認可を得たその他の回収方法
しかしながら、ご存知の通り、累積損失が解消されるまで、合作当事者は先行回収を行うことはできません。
ご質問にある「回収額が合作企業の税引後利益の範囲内か否か」については、いわゆる税引後利益のみならず、費用計上としている減価償却相当額もその回収の対象となると考えます。即ち、上述のAにある「所得税納付前の投資回収」とは『中外合作経営企業の外国側合作者が合作期間中に先行的に投資回収することに関する回答』(国税函[1991]502号)によれば、「外国合作者が固定資産の減価償却の方法を利用して投資を回収できること」とされ、また、上述のBにある「その他の回収方法」とは『「中外合作経営企業法実施細則」の若干の条項の執行に関する説明』(外経貿[1996]658号)によれば、「財政機関および審査認可を経て、固定資産の減価償却分を取得する方法」と説明されています。
尚、減価償却相当額も回収の対象とする場合、一般的に合作契約で「企業が計上する固定資産の減価償却額を以って、期間を分けて外国投資者に返還する」旨の条項を織り込むことになります。
申請手続については、『中外合作経営企業外国側合作者の先行投資回収審査認可弁法』(財政部令 2005年6月9日公布、9月1日施行)によって規範化されており、企業所在地の省級財政機関に対して、申請書(回収金額、期間、方法などを記載)、認可証書、営業許可証、合作契約、定款、出資検査報告、董事会決議、監査済み会計報告、など所定の書類を提出し、財政機関は書類が完備された段階から原則20日間以内に認可の可否を下すことになっています。
質問2.貨物直送の場合の増値税還付について
商流として保税区企業が国内から貨物を購入して国外へ輸出するものの、実際の貨物は国内購入先から国外へ直送する(貨物は保税区に入区しない)場合ですが、保税区企業は増値税還付を受けることはできるのでしょうか。また、保税区企業が直接還付を受けられないとすれば、どのような形で解決しているのでしょうか。
回答2.
ご質問の件ですが、ここでの保税区企業とは所謂「貿易型企業」であって、中国内の企業から貨物を購入し、加工等を行なわず、その貨物のまま国外へ直送するものとして回答いたします。
本件に関して、実務上、保税区企業が輸出増値税の還付を受けることは、原則的に難しいと考えます。輸出増値税の還付とは、輸出入経営権を保有する企業に対して、輸出売上に関しては増値税を免税とし、その輸出製品を生産するために仕入れた原材料等にかかる仕入増値税を売上税から控除するか、控除しきれない場合は一定の還付率で仕入税を還付する方式です。(『財政部、国家税務総局の輸出貨物の免税控除税金還付方法実施の更なる推進に関する通知』(財政部、国家税務総局 財税字[2002]7号 以下、『財税字7号』)第1条、第2条)
まず、これまで保税区の貿易企業は輸出入経営権を保有していなかったので、輸出増値税の還付申請を行なうことはできませんでした。最近、保税区の貿易企業も対外貿易法による対外貿易経営者として輸出入経営権の付与が認められるようになりましたから、ここではその対外貿易経営権の取得が認められた保税区貿易企業と仮定して回答いたします。
『財税字7号』によりますと、輸出増値税の還付を申請する為には、還付申請する当該企業が貨物を通関して出国させることが必要で、本件ですと区外の企業が通関を行なうことから本来的には、保税区外の企業が輸出増値税還付申請を行なうものと考えます。
更に、保税区企業が輸出増値税の還付申請を行なう際に、輸出貨物申告書等の証憑を提出する必要がありますが、輸出貨物通関申告書上の貨物の名義はそもそも直送元の保税区外企業であることから、証憑上に不一致が発生し、輸出増値税還付手続き上、支障がある恐れがあります。
以上の通り、保税区外の企業が直接輸出通関して輸出貨物が区外から保税区に通関されない本件取引については、保税区企業が輸出増値税の還付申請を行なうことは難しいと考えます。
質問3.処罰(罰金)と最低給与基準について
従業員に対して処罰(罰金)を課し、給与から控除しようと考えています。ところが罰金を課す際に法的な限度額がどのようになっているのか調べ切れません。毎月の控除後の給与が各都市の最低給与基準を上回っていれば法的には安心のような気がするのですが定かでありません。
「工資支付暫行規定」(1995年)第16条に従業員が会社に対して与えた経済損失の賠償方法に関しての記載はありますが、例えば「従業員が居眠り、遅刻などを繰り返したときのような場合の間接損失に対する罰則としての罰金」の扱いに関する法的根拠はありません。
弊社は合弁企業ですが、中国側パートナー企業は従業員に対して、従来の彼らの手法として「下崗学習」と称し、まともな業務をさせず雑用をさせて、当地の最低給与基準を下回るまで減給処分としています。雑用とは言え「従業員は正常な労働を提供している」のですからこれは厳密には違法と思います。
従って、従業員に対する罰金の取扱いをどのようにしたらよいのか(毎月の控除後の給与が最低給与水準を下回ってもよいのか)、教えてください。
回答3.
結論から言えば、従業員が会社に対して与えた経済損失を補填させる場合にしろ、労働規律に違反した場合に罰金を集める場合にしろ、徴収後の月間給与の金額が当地の最低賃金水準を下回ってはならないと理解しても良いと考えます。
ご指摘の通り、『工資支付暫行規定(日本語:賃金支払暫定施行規定)』(労部発[1994]489号 1994年12月6日公布 1995年1月1日施行)第16条にて、「従業員が会社に経済的損失を与えた場合、毎月の給与から月間給与額の20%まで差し引くことが出来る。但し、差し引いた後の給与がその土地の最低賃金を下回ってはならない」との規定がありますが、これは従業員が会社に対して与えた経済損失の賠償方法の規定です。
一方、労働規律違反の場合を定めたものとして、『企業職工奨懲条例(日本語:企業従業員賞罰条例)』(国発[1982]59号 1982年4月10日公布・施行)という規定があります。この第16条によると「罰金の金額は企業が決める。一般にその従業員の月給の20%を超えてはならない」と規定されており、罰金徴収後の金額が最低賃金を下回って良いか否かについての定めはないものの、この規定の制定時期が1982年と古く、その後に制定された『工資支付暫行規定』第16条の規定を加味して考えると、「労働規律に違反した者」に対しての罰金も「差し引いた後の給与がその土地の最低賃金を下回ってはならない」と考えるべきでしょう。
質問4.コンサルティング費用の営業税について
無錫の中国子会社から役務提供料の送金に対して、「営業税」を課税標準とした『地方教育賦課金』が営業税及び企業取得税と同様に控除されて送金されてきました。
1) 営業税(5%)=役務提供料×0.05
2) 地方教育費賦課金=営業税 ×1%
「教育地方附加費」については『外商投資企業及び外国企業について暫定的に都市維持保護建設税及び教育費附加を徴収しないことに関する国家税務総局の通知』により、外商投資企業及び外国企業からは徴収しないことになっています。
現在、無錫新区の地方税務局では徴収されていますが、新しい通知が出ているのでしょうか。それとも、地方税務局の判断で行なわれているのでしょうか。
回答4.
まず、「教育費附加」と「地方教育附加」とは別の費用で、「教育費附加」は外商投資企業から徴収されませんが、「地方教育附加」は少なくとも江蘇省内では外商企業からも徴収すべしとの規定(「江蘇省教育費附加、地方教育附加和地方教育基金征収使用管理弁法」(蘇征弁発(2003)130号))が出ており、無錫新区招商局の担当者にも確認したところ、実際にその規定に従って運用しているとのコメントを頂きました。
「教育費附加」は『征収教育費附加的暫行規定』(国発(1986)50号)にて中央政府がその取扱を定めており、一方「地方教育附加」は、「国務院関于『中国教育和発展綱要』的実施意見」(国発(1994)39号)第23条の規定のなかで「国家が規定する教育費附加を額面とおり徴収することを除いて、地方政府は国家の関連規定並びに実際の需要および可能性に基づき、その他教育に用いる地方附加費を徴収することを決定し、支出金はこのために用いるものとする」と定められており、地方政府の権限で「地方教育附加」を徴収することができるようです。
質問5.ホールディングカンパニーでの中国人雇用について
弊社は、バージン諸島に中国のホールディングカンパニーを持ち、このホールディングカンパニーは中国に現地法人を3社有しています。また、このホールディングカンパニーに日本の社員を形式上出向させた上で、ここから現地法人の1社に駐在員として派遣しています。現在、この駐在員の通訳として、ホールディングカンパニーが中国人を雇用することを考えています。
この雇用形態における留意点として、@所得税の支払い方、A社会保障費の支払い方、B档案(だんあん)の取扱い、などが挙げられますが、その他の問題も含め、法的、税務的な点についてアドバイスをください。
回答5.
中国境外の企業が在華の中国人を通訳として用いる場合、当該中国通訳者を雇用して給与を支払うのではなく、通訳業務を依頼しその対価を支払うとの形態をとっているのが通常ではないでしょうか。
そもそも中国境外企業が在華中国人を雇用することは非常に難しいのではないかと考えます。中国の労働関連の規定で、中国境外企業が中国大陸にいる中国人を雇用することを明確に禁止した規定を見つけることはできませんでしたが、次の理由によりこのような形態での雇用は非常に困難と判断します。
まず、外国企業による駐在事務所の設立関連法規として、「外国企業常駐代表機構管理に関する暫定規定」(1980年10月30日公布・施行)がありますが、この第11条に、職員の雇用に当たり政府部門の指定するその他の部門に委託する旨規定されています。これは、常駐代表機構による中国人の直接雇用を認めず、実務上は、政府指定の人材派遣会社から中国人スタッフを派遣してもらい、派遣費用を駐在事務所が当該派遣会社に支払うというシステムになっています。
さらに、当該人材派遣会社では、派遣する中国人の福利厚生(医療保険、養老保険、休業保険、住宅積立など)の手配を行います。
従い、外国企業の常駐代表機構による中国人の直接雇用が認められない以上、中国に代表機構を構えていない境外の外国企業が在華の中国人を直接雇用できる積極的根拠は見当たらないと考えます。また、前段にも記載しましたが、在華中国人スタッフに対する福利厚生の手当ての観点からみても、現実的には直接雇用は不可能ではないでしょうか。
しかしながら、冒頭に記載した通り在華の中国人通訳者に通訳業務を依頼しその対価を支払うとの形態をとり、ご質問にある通り本人の所得税納付、福利厚生手配および人事ファイルの取扱いについて、その中国人通訳者に任せてしまい、境外の外国企業は一切関与しないというスタンスを取るのが実務的にも負担が少ないのかもしれません。
以上
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