会員ネット内の法律・税務相談室より、皆様のお役にたつと思われる事項を抜粋して紹介させて頂きます。
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質問1.進料企業から来料企業への設備移動について
現在華東地区合弁企業にて進料加工を行っておりますが、この度華南地区にて香港現法からの来料加工へ事業を移転する事になりました。
華東地区合弁企業へ設備投資をしてから5年以下で加工貿易設備の監督管理期間を過ぎておらず、合弁企業の免税枠内で輸入したため積戻等を行う場合関税,増値税が必要という話がまいりました。
(1)これらを回避するための直接的方法はあるでしょうか?
(2)関税、増値税を納めて積戻を行い、再度香港現法へ売却、来料加工の免税枠で中国へ輸入すると、再度加工貿易設備の管理に入ります。
関税、増値税を収めた後で、監理解除手続きを行えば、中国国内での転売(来料加工工場への移送)は可能になるのでしょうか?
回答1.
1.加工貿易設備の監督管理については、『加工貿易輸入設備関連問題に関する通知』(対外貿易経済合作部、税関総署
(1998)外経貿政発第383号 1998年7月1日発布・実施)にて規定しております。
この通知の第7、8条にて、加工貿易設備は5年間税関による監督管理が行なわれ、無断で国内販売、交換、譲渡、抵当または他の用途に転用してはならず、監督管理期間内に加工貿易を解除する場合、元の外経貿審査批准部門の審査を経た後、主管税関が審査をし、積戻し、設備の使用年数にもとづき減価償却した後の価格で関税と輸入段階での増値税を納付し、監督解除手続きを行なうことになっています。
監督管理期間経過後であれば、関税・増値税の納税は不要ですが、監督管理期間内の場合は、関税・増値税は納めなければならず、納税を回避する方法は特段ありません。
2.監督管理期間内に関税・増値税の納税と解除手続きをした後に、転売が可能かについてですが、昨年6月に加工貿易調査を行なった際には、税関は原則転売を認めないというスタンスでした(廃棄、積戻しは可能)。
仮に転売が認められたとしても、この設備は国内貨物となりますので、華南の来料加工工場に加工貿易免税設備として輸入することはできず、やはり一度国外に積戻しをし、再度輸入する方法が現実的かと考えます。
また再度輸入する場合の注意点ですが、本設備は既に進料加工において使用されている設備で「中古設備」扱いとなります。当初から中古設備として輸入していた場合は別ですが、新規で輸入していた場合は再度輸入する際に中古設備輸入の諸手続が必要となりますのでご注意ください。
加工貿易設備の取扱い、および中古設備の輸入については、機構ニュースNo.109、112にて調査レポートを掲載しておりますので、こちらもご参照ください。
質問2.輸出税額還付について
次のルートで金型を中国から日本へ輸出しようと計画しています。
D⇒C⇒B⇒A
注)A:顧客(日本)
B:弊社(日本)
C:弊社の生産子会社(中国)
D:金型外注先(中国)
ここで、Cが中国国内で支払った増値税が100%還付出来るのかどうか教えてください。
なお、このケースでCの役割は「金型の代理購入者」です。
回答2.
増値税の還付についてのご質問ですが、まず前提としてC社の貿易権について確認させてください。通常生産型企業の場合、自社で製造した製品に限り輸出権を有しております。D社製造の金型を購入し、そのままB社に輸出することはC社の輸出権の範囲ではできません。『外商投資商業分野管理弁法』に基づき、卸売の経営範囲拡大の申請をし、認可を得る必要があると考えます。
C社が金型メーカーで、D社に一部外注しC社が最終加工した金型をB社に輸出することは可能です。その場合の輸出増値税の還付ですが、2004年1月から特定品目を除き輸出増値税の還付率を引き下げる旨の通知が出ております。(『輸出貨物税還付率調整に関する通知』財政部
国家税務総局 財税[2003]222号 2003年10月13日公布 2004年1月1日施行)金型の輸出増値税還付率については直接明示されてはおりませんが、第4条(四)にて「(本通知)第1条〜3条および第4条(一)〜(四)で規定する貨物を除き、現行の輸出税還付率が17%および15%の貨物は、その輸出税還付率を一律に13%に引き下げる」と規定しておりますので、恐らく金型に関しても13%の輸出税還付率が適用されると考えます。そして、最終的な還付税額の計算式として「免税控除還付方式」が取られ、増値税徴税率(17%)と還付率(13%)の差によって、還付できない税額が発生します。よって、C社がD社から購入した際に支払った増値税の一部は還付されませんので、実質全額還付を受けることはできないことになります。
質問3.中国輸入申告価格について
中国での免税設備を輸入する段取りで準備しております。
日本との契約は、「DDU中国工場」となっておりますが、中国では「CIF」価格に基づき、申告すると聞いております。その場合、現地費用分の海外送金の問題も有り、通関書類上にどのように記載すれば良いものかわかりません。中国輸入時の書類操作上の「DDU」⇒「CIF」変更のみで対応すべきでしょうか? 免税枠の申請は、「DDU」価格で取得すべきでしょうか?
回答3.
事務局には上記質問に対する実務知識があるものがおらず、会員企業さんの中で知見のある方にお伺いしてご意見をいただきましたので、それを記載させていただきます。
現状、中国輸入通関におきましては、DDU(DELIVERED DUTY UNPAID)価格をCIF価格として申告することが可能だそうです。
DDU契約のインボイスを、中国国内輸送費用を控除したCIF価格のインボイスに作り変え、現地通関で使用した場合、中国から日本への外貨送金額がCIFまでの価格となり中国国内輸送費用の送金を受けることが出来なくなる恐れがあるとのことです。
ちなみに日本の輸入通関におきましても、DDUに含まれております日本国内輸送費用を控除していないインボイスであればCIF価格として輸入申告することが可能だそうです。
質問4.代金回収に対する保険
中国では国内販売の代金回収に対する保険(CREDIT INSURANCE)を扱っている保険会社はありますか?
回答4.
ご質問は、中国に於ける代金回収リスクをカバーする「信用保険」の付保が可能かどうかですね。
先ず、信用保険の概要をご説明しますと、
@債権者と債務者が締結した契約において債務者の債務不履行により債権者が被る損害をカバーする保険です。
A保険契約者(保険料負担者及び付保手続当事者)及び被保険者(保険事故により損害を被る者)は、共に債権者である。
B債権者の持つ同種複数の契約を一括して付保する必要がある(特定の個別の1契約毎の付保は出来ない)。
Cカバーする債務は売買契約における買主の債務等に限定。
以上の内容が信用保険のポイントです。
次に、ご質問の中国で当該「信用保険」を手配できるかの点ですが、
@中国では、当該リスク(代金未回収問題)はかなり前から顕在化されており、引受保険会社(財産保険会社=日本の損害保険会社に相当)を見つけるのは、困難と思われます。
私の経験では、かつて引受していた財産保険会社は存在していたようですが、当該事故が多発し、収益悪化(保険リザルトのアップ)のため、保険引受を中止した旨聞いたことがあります。
A仮に引受保険会社があったとしても、引受審査はかなり厳しいものと思われます。
B中国に進出している日系の損害保険会社も当該保険引き受けはしていないと思われます。
以上が、当該保険マーケットの実態と思いますが、個別に保険会社に当って確認するしか方法はないと思います。中国の財産保険会社(PICC、CPIC、平安等)や日系保険会社の支店もしくは駐在員事務所に確認することをお勧めします。
なお、ご質問の中国国内での保険手配とは異なりますが、この種のリスクを補填するものとして、日本で手続を行なう貿易保険があります。ご存知かもしれませんが、念のため簡単にご説明致します。
@「日本貿易保険」は独立行政法人の日本貿易保険(NEXI)が保険者として、日本企業が行なう輸出・輸入、海外投資、海外融資等の対外取引に伴うリスクをカバーする保険です。
Aこの保険の中で「輸出契約の相手方債務履行の遅延」により被った損害(代金未回収)は貿易保険の対象になるかと思います。
* 貿易一般保険約款第3条第12号
履行遅延:3ヶ月(但し、平成13年3月31日以前の約款適用契約は6ヶ月)
B貿易保険は現在、民間の損害保険会社も代行販売をしていますので、上記「信用保険」と併せて、ご照会されてみることをお勧めします。
質問5.中国輸出保険組合
中国輸出保険組合の業務内容およびどのような組織かご教示ください
回答5.
『中国輸出保険組合』という名義では情報が見当たりませんでした。しかしながら『中国輸出信用保険会社(中国語:中国出口信用保険公司)』という名義で情報がございました。ご質問の件は多分『中国輸出信用保険会社』ではないかと推察し、これについてコメントさせていただきます。
『中国輸出信用保険会社』の準拠規定に関しましては、『国務院による中国輸出信用保険会社の組織に関する通知』(国初[2001]9号 2001年5月29日)に拠ります。(9号ではなく、19号かもしれません。万一誤りがございましたらご容赦ください。)
業務内容としては、短期輸出信用保険・中長期輸出信用保険・加害投資保険・保証等のサービスを提供すると同時に、信用調査・代金回収業務を取扱っています。加えて、海外からの中国向け投資に対し、ポリティカル・リスクを担保する商品を提供できることも同公司の特長の一つだそうです。
組織としては、『中国輸出信用保険会社』は中国政府100%所有の中国国内唯一の非営利性輸出信用保険会社です。2001年12月に設立され、登録資本金は40億人民元です。北京に本社があり、中国全土において現在、12支店及び7営業管理部があります。
質問6.事後設立
新会社を設立し、従来行っている事業を新会社に移管しようとするとしたときに、中国の法律には日本の商法にある事後設立に類する規定はありますか。
回答6.
新会社への営業譲渡に関するお問合せですね。
日本の商法(第246条)によれば、「事後設立」とは、「現物出資と類似の効果を有し、会社の設立前より存在する財産で、営業のために継続して利用するものを設立2年以内に資本の1/20以上に相当する対価で譲り受ける契約をさし、その場合、裁判所選任の検査役などの価格証明、株主総会の特別決議を要する」と定められており、今回はその前提に基づき、以下コメントいたします。
まず、結論から申しますと、中国では「事後設立」そのものを明記した規定は存在していないようです。
「事後設立」に近いものとしては、『外国投資者による国内企業買収規定』(対外貿易経済合作部、国家税務総局、国家工商行政管理総局、国家外貨管理局2003/3/7公布、2003/4/12施行、以下『規定』)第2条における「外国投資者が外商投資企業を設立し、かつ当該企業を通じて協議により国内企業の資産を買い取って、当該資産を運用する」ケース、または「外国投資者が協議により国内企業の資産を買い取り、かつ当該資産をもって外商投資企業を設立し、当該資産を運用する」ケースが挙げられるかと考えます。
この場合、買収当事者は資産評価機関の売却予定資産に対する評価結果に依拠して、取引価格の確定を行わなければならず、また、この資産評価は国際的に通用する評価方法を採用せねばならないと定められています(『規定』第8条)。
ただし、『規定』のいう「国内企業」に「内資企業」のみならず、「外商投資企業」を含むか否かという問題があります。『規定』には「国内会社(中国語:境内公司)」と「国内企業(中国語:境内企業)」のいずれも登場するものの、前者のみを「非外商投資企業」と明記していますので、後者は「非外商投資企業」ではない、即ち、「外商投資企業」も含むと解釈しうるところですが、各商務部門で見解が分かれているようであり、実務上はこれを含まないことを前提としている運用が比較的多いと聞きます。
また、中国では日本の商法でいう「営業譲渡」のような法律制度も、現状、存在しておらず、基本的には『契約法』上の一般的な売買契約に基づいて資産を譲り受けることになり、原則として認可手続も必要ないようです。しかし、個別に譲り受ける資産を特定し、承継する債権債務の範囲を特定し、債務については債権者の同意を得なければならない等、検討すべき課題は多岐にわたることになります。
以上
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