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質問1.設備免税に関して
設備の免税枠を利用して設備を輸入しようと考えています。免税で輸入した設備は自社で使用することが原則ですが、最初から外注工場に貸与することを目的とした設備を輸入する際に、免税で輸入する事は可能でしょうか。当社は該当の設備免税枠を持っております。
回答1.
ご存知のとおり、輸入設備の免税については『輸入設備税収政策の調整に関する通知』(以下「設備通知」、国務院[1997]37号 1997年12月29日公布 1998年1月1日施行)及び『外商投資企業の輸出入貨物に対する監督管理及び徴税弁法』」(以下「弁法」、税関総署 第29号 1992年7月25日公布 1992年9月1日施行)に規定されています。各法規では、その免税対象となりうる設備として次のものを挙げています。
<設備通知(第1条1、3項)>
@自家用の設備
A及びその設備に付随して輸入される技術及び付属品、備品
<弁法(第13、14、15、17条)>
@契約の規定に従って、外国側合営者の出資とされる機器設備、部品その他の資材(その他の資材とは、工場[作業場]建設及び機器の据付又は固定に必要な材料をいう。以下同じ)
A投資総額の範囲内の資金で輸入される機器設備、部品その他の資材
B増加された資本で輸入される、国内では生産・供給を保証することのできない機器設備、部品その他の資材
C外商投資企業が@〜Bの貨物および生産管理設備を輸入する場合
D(エネルギー関係であるため省略します)
E外商投資企業が投資総額の範囲内で、国の規定に基づいて自家用かつ合理的数量の交通手段、生産用車両及び事務用品(設備)の輸入
列挙したもののうちで質問のケースは弁法記載Aが該当するとも考えられますが、この設備の定義については設備通知においてその範囲を「自家用の設備及びその設備に付随して輸入される付属品、備品」と規定しているように自家用を前提としているため、おっしゃられる「外注工場への貸与目的にある設備」はAに該当しないものと思われます。したがって、当然輸入当初より「外注工場に貸与する」ことを当局に対して明言した設備の免税輸入は不可能であると考えます。
次に考えられるケースとして「当初は免税設備として輸入した設備をその後に、他社に貸与する」場合がありますが、弁法第18条にあるように輸入免税設備は税関の監督管理にあります。輸入免税設備が税関監督管理下におかれるということは、弁法第5条の「税関の監督管理貨物に属するものは、税関の許可を経ないで、みだりに売却し、譲渡し、抵当に供し、又は他の用途に転用してはならない」という規定に従わざるを得ず、またスムーズに認可されるとは考えにくいため、やはりその貸与自体も相当のリスクがあると考えます。
また、多少ケースは異なりますが、実際の事例として、ある生産型企業において税関への届出なしに別の地に輸入免税設備を移転させた際に、税関からの抜き打ち検査において「税関の許可なく移転させた」ことを理由に、輸入当初に遡って輸入関税増値税の納付を要求されたと聞いたことがありますので、輸入免税設備の移転についても事前に地区の税関に個別に確認されるなど細心の注意が必要です。
質問2.合弁会社
設立費用の負担
中方と合弁会社設立の検討を進めています。合弁会社の法人格取得のための行為(各種認可の取得)、および合弁会社の実際の営業を開始する準備として必要な行為(従業員雇用、事務所賃借、その他事前営業活動)を行うに際し、数十万人民元のレベルで(合弁会社設立前に)費用が発生することが予想されています。これら設立費用は、本来的には合弁会社が負担すべきものとの認
識でおります(合弁会社が負担できなければ、中方当事者が一旦立て替え、各当事者にて按分で負担すべきであると考えています)。日本法の下では、設立時の会社の財政的基盤を危うくするとの懸念から、これら設立費用を会社が負担するためにはその旨を定款に記載し(商法168条/変態設立事項)、検査役の調査を受けることが要件とされている、と理解しています(商法173条)。
中国法の下での設立費用の負担につき、実務も含め、留意すべき点あれば教示いただきたく、宜しくお願いします。例えば、中国法の下では、設立費用を会社が負担するためには定款にその旨書き込むことが必要など、特別なアレンジメントは求められていますでしょうか?
回答2.
設立費用の負担に関するご質問ですが、『外国投資家投資企業の準備建設期間の財政財務管理に関係する規定に関する通知』(1995年6月27日財政部発布、以下「通知」)において、外商投資企業における準備建設期間および当該期間内に発生した関係費要の処理について定めています。
即ち、準備建設期間とは、合弁・合作経営企業および外資企業について「契約締結の日から企業が生産経営(試験生産および試験営業を含む)を開始するまでの期間」および「我が国の関係部門が成立を認可した日から生産経営(試験生産および試験営業を含む)を開始するまでの期間」とそれぞれ定め、その期間内で発生する関係費用を開業準備費に組み入れることが認められています(通知第1条)。
次に、準備建設期間以前に外商投資企業設立に関連して発生した費用について、通知第8条では「外国投資家投資企業が契約締結の前に投資各当事者において企業の準備建設のため発生した各種費用支出については、支出した各当事者が自ら負担しなければならない」と定め、準備建設期間以前に発生した設立関連費用は、各当事者がそれぞれ負担する必要があります。
但し、契約締結の前に発生した関連費用について、開業準備費として処理する旨合弁契約などで定めていれば税務上開業準備費として処理可能と伺っております。実際にこのような対応をする場合は会計士とご相談されることをお勧めいたします。
質問3.価格独占行為阻止暫定規定について
独占行為阻止暫定規定は日本の独占禁止法と同じようなものと聞いておりますが、詳しく内容をお教えください。また、実際にこの法律に触れたケースなどあれば教えて下さい。
回答3.
『価格独占行為阻止暫定規定』(国家発展・改革委員会令第3号 2003年6月18日公布 2003年11月1日施行 以下『暫定規定』)は、『価格法』(1997年12月29日第8期全国人民代表大会常務委員会第29回会議採択)に基づき制定された規定で、その名の通り価格独占行為を制止する規定といえますが、中国では体系だった『独占禁止法』自体はまだ存在しておりません。
理由としては、中国がこれまで計画経済体制をとってきたためです。つまり石油・石化産業、航空、道路、鉄道、通信、電力、ガスなど多くの公共性の高い産業において国有企業によって経営され、政府による政策管理がなされています。(政府が政策の監督者であると同時に経営者になっているという行政による「公的独占」状態です。)
よって今までは『独占禁止法』を制定する必要がなかったのですが、社会主義市場経済の導入、WTO加盟など中国の市場開放が進む中で公平な競争が求められ、『独占禁止法』の制定に迫られております。(草案はできているものの、公布の時期についてはまだ明らかになっておりません。)その中で今回の価格面での独占禁止規定が公布されたことは中国の独占禁止の重要な役割を持つと思われます。
前置きが長くなりましたが、『暫定規定』の概要を説明します。
1.「価格独占行為」とは、経営者が相互に結託する、或いは市場支配的地位を濫用して市場の調整価格を操作し、正常な生産経営秩序を撹乱し、その他の経営者或いは消費者の合法的権益を損なう、或いは社会の公共利益を脅かす行為を指します。(第2条)
2.「市場支配的地位」は、主に経営者の関連市場における市場占有の割合、取扱商品代替の程度および新たな競争者の市場参入の難易度などに依り判定します。(第3条)
3.経営者間で協議、決議或いは協調など結託の方式を通じて以下の価格独占行為を行なってはなりません。(第4条)
(1)価格の統一確定、維持或いは変更
(2)生産量或いは供給量の制限を通じた価格操作
(3)入札或いは競売における価格操作
(4)その他の価格操作行為
4.経営者は市場支配的地位を利用し以下の行為を行なってはなりません。(第5〜8条)
(1)仕入販売店へ商品を提供する際その転売価格を強制的に限定
(2)法律・法規に違反して暴利をむさぼること
(3)競争相手を排除し、これに損害を与えることを目的としたコストを下回る価格のダンピング。或いはリベート、補助、寄贈などの手段で形を変えた価格引き下げを用い、商品の実際価格を商品自体のコストより引き下げること
(4)同一の商品或いはサービスを提供する際、条件が同じの取引対象に対し、取引価格において差別待遇を行なうこと
5.価格独占行為があった場合、政府の価格主管部門が法によって認定し、『価格法』第40条および『価格違法行為行政処罰規定』第4条にもとづき処罰を実施します。(第9・10条)
6.政府および所属部門は、法によって経営者の価格設定自主権を保護してはならず、市場調整価格に対して不法に関与してはなりません。(第12条)
7.政府はあらゆる組織および個人が価格独占行為に行なう社会監督行為を奨励、支持、保護し、政府の価格主管部門は、価格独占行為の通報者に対し褒章を与えることができ、かつ通報者の秘密を守らなければなりません。(第13条)
このようにカルテルや、再販売価格維持行為、私的独占の禁止を規定しておりますが、問題点もあります。前述の通り、現在は市場経済に転換しつつも多くの産業でいまだに国有企業(政府行政機関)による独占がなされており、これら産業に対して『暫定規定』が厳格に適用されるかどうかということです。
また、中国のように国土が広大で、地域毎の経済圏が存在し、また沿海部と内陸部のように地域毎で市場規模の差が大きい中で、『暫定規定』で掲げられている「市場支配的地位」の適用範囲は、中国を一つの市場として見て判定するのか、省・市など単一の市場として見て判断するのか不透明な状況です。
以上、『暫定規定』の概略について説明しましたが、施行以後『暫定規定』に違反した事例につきましては、北京事務所を通じて国家発展改革委員会価格監督検査司監督処に確認しました。
中央レベルでは『暫定規定』施行以後、価格独占行為が認定された事例はなく、地方レベルは地方の価格主管部門が管轄しているとのことです。
なお、価格監督検査司が価格独占行為に対して能動的に、日々目を光らせているわけではなく、組織・個人からの通報によって価格独占行為が行なわれているか調査を行なうようですが、通報の信憑性の問題などあり調査・認定作業は難しいようです。
また価格独占行為が行なわれた場合、それを対外的に公表はしないと回答をいただきました。
質問4.董事会における注意事項
当社はこの度中国に合弁会社を設立する予定です。協議の結果、董事は中方から3人、日方から2人となりました。(資本金の比率は中方51%、日方49%です)日方から副董事1名、董事1名(総経理兼務)を出す予定ですが、董事会に出席するにあたり日本側が注意しなければならない点、董事会に対する認識としてこれだけは押えておかなければならない点など、董事会に出席するに当たっての「心得」のようなものがあればご教示の程お願いします。
回答4.
董事会は経営に関わる重要事項を決定する重要な機関です。しかしながら、一般的に董事会のメンバーは非常に忙しく、かつ非常勤の董事も含まれているケースもあり、頻繁に開催できるものではないので、董事会を効率的にかつスムーズに運営してゆくことが大事になります。
董事会では、よく当初から議題にあがっていない事項について協議したり、不毛な主張を延々と続けたりするケースがありますが、このような事態に陥らないためにも、出席する董事の方々には、董事会は座談や討論を行う場ではなく意思決定の場であることをしっかり意識してもらう必要があります。
このような意識付けをしてもらうには、董事会開催の前に以下のような準備が必要と考えます。
1)まず、総経理/副総経理をはじめとする経営管理機構が董事会メンバーに対して日常的に経営報告を行う必要があります。御社のケースでは、董事が2名でそのうち1名が総経理を兼任されているので、その董事兼任総経理が副董事長への日常的な報告を行う必要があると考えます。中方においても同様の日常的な報告システムを確立しておく必要があります。またこのような報告は、できれば中方の董事長に対して日方総経理が、中方の服装経理を伴って直接報告できるようになれば、しばし合弁会社の間でトラブルの種になっている中方董事長×日方総経理との間見解の相違を避けることができると考えます。更に、合弁会社は日方と中方の双方の利害が絡むため、それぞれの董事に報告する前に、経営管理機構のなかでも丁寧な調整作業が必要になるのは想像に難くないと考えます。
2)董事会では、複数の重要事項について決定・承認を下しますので、この決定・承認に向けての根回し、関連資料の作成が必要になりますが、これらの過程には多くの時間が費やされます。例えば、董事会では年度会計報告書案の承認を行うのが通常ですが、この承認までには、1年分の財務諸表を作成し、その後公認会計士による法定監査を受けることになります。この間、親会社への事前説明・承認を取り付ける必要があるため、最低2〜3ヶ月の時間は必要になります。したがって、董事会の開催日から逆算して、根回しや関連資料の作成のためのスケジューリングを行ない、そのスケジュール通りに準備を進めてゆく必要があります。御社のケースでは会社設立直後に第1回董事会を開催する必要になりますが、1回目の董事会は通常の董事会に比べ、承認・決定事項が多いため、準備のためにそれなりの時間と作業が必要となるでしょう。
3)董事会決議書面は、日文中文両方準備しておく必要があります。例えば増資決議は、認可機関への提出が必要になるため中文の準備は不可欠です。また董事会決議書面に留まらず関連資料は日中間の公平性を保つためにも日中文双方を準備しておくべきだと考えます。
4)細かい説明になり恐縮ですが、式次第を作成しておき、式次第の時間配分通りにスムーズに議事が進行するよう関係董事に配布しておくことも重要だと考えます。
以上、董事の心構えというより董事会運営事務局の注意事項の説明となりましたが、上記のような下準備があってこそ出席した董事が、董事会が議論の場でなく意思決定の場であるという意識を持ち、ひいては董事会のスムーズな運営が実現できるものと信じます。
質問5.売買契約と注文書・請書について
日本の取引の場合は、売買契約を締結しないで買主が注文書、売主が請書のやり取りをして売買をしているケースがあります。中国において進料加工や親子間貿易を行う場合、売買契約を締結しないで注文書や請書で代行して、増値税の還付、原料の免税輸入、進料加工登記手帳の発行は行うことができますでしょうか?
回答5.
ご質問について「進料加工を行なう場合、売買契約(原材料および完成品の輸出入契約)を締結せずに、注文書・注文請書で代行可能か」との趣旨と理解して回答します。
結論から申し上げますと、進料加工を行なう場合、原材料および完成品の輸出入契約の締結は必須と考えます。
まず、日本親会社と現地法人間で進料加工を行なう場合、『加工貿易審査認可管理暫定弁法』([1999]外経貿管発第314号 1999年5月27日公布 1999年6月1日施行)に基づいて商務部門に申請資料を提出し認可を得る必要があります。商務部門で審査のうえ認可を得ると「加工貿易業務批准証」が発行され、この批准証を基に登記手帳や銀行保証金台帳が発行されます。商務部門に提出する申請書類の一つとして『暫定弁法』第10条(四)で「経営企業が対外的に締結した輸出入契約(正本)」の提出が定められております。
また、現地法人が日本親会社から輸入した原材料の送金を行なう際に必要な書類として輸入契約が必要とされます。(『外貨の買取、売渡、対外支払管理規定』中国人民銀行制定、1996年6月20日公布 1996年7月1日施行 第13条)
ここで問題となるのが所謂「契約」とは何かということです。ご照会の注文書・注文請書がどのような条項を盛り込んだものかは不知ですが、『契約法』(全国人民代表大会1999年3月15日制定、公布 1999年10月1日施行)第12条では、「契約の内容は当事者により定められ、一般的に以下の条項が含まれる。(1)当事者の名称又は指名および住所、(2)目的、(3)数量、(4)品質、(5)代金または報酬、(6)履行期限、履行地および履行の方式、(7)違約責任、(8)紛争解決方法」と規定しており、加工貿易の認可権限を持つ商務部門も契約上の条項を見て認可の判断をすると推察されます。
更に、前述の通り、商務部門に提出する申請書類として「経営企業が対外的に『締結した』輸出入契約」と定められておりますが、注文書だけでは注文者の一方的な意思表示であり『契約が締結された』と見なされないのではないかと考えます。しかし、注文書(またそれに対する注文請書)が上記『契約法』にある条項を具備し、双方が署名をし、申込と承諾の意思表示をすることにより、『締結した契約(に準じる書面)』と見なし、商務部門が受理し、審査のうえ認可する可能性はあろうかと考えます。
以上
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