会員ネット内の法律・税務相談室より、皆様のお役にたつと思われる事項を抜粋して紹介させて頂きます。
なお、当機構会員の方でまだ会員ネットにご登録されていないかたがいらっしゃいましたら(ご登録は無料です)、ぜひともご登録いただき、どんどんご質問をお寄せ下さいますようお願い致します。
トップページからユーザー登録を行った上でログインしてください。
※通知した企業別ID、パスワードではログインできません。
質問1.三項基金について
税引後利益から積み立てる「三項基金」が会社形態により、強制か、任意かについて教えてください。
|
独資
|
合弁
|
合作
|
| 1、準備基金 |
○
|
○
|
○
|
| 2、従業員奨励基金 |
○
|
○
|
△
|
| 3、企業発展基金 |
△
|
○
|
○
|
○強制 △任意
任意とは董事会にて決議する事を意味します。 以上のような認識で誤りがないか確認願います。
回答1.
まず、ご質問にある「任意」の定義については「積み立てても積み立てなくても よい」と理解して回答致します。
三項基金における強制か任意かについては、企業の設立形態によって取扱に違いがあり ます。
最初に、独資企業については、規定上、準備基金は「累計引当金額が登録資本の50%に達するまで、納税後利潤の10%以上引当せねばならない」、従業員奨励基金は「独自に決定」としており、企業発展基金については特に規定されていません(『外資企業法実施細
則』第58条)。
その中において、比率の定めがない従業員奨励基金は企業独自で低く(0%や1%など) 設定してもよいように考えますが、『外資企業法実施細則』第68条では、「工会がある場
合など、企業は工会と協力して適正設定としなければならない」と規定していることから、 実務上は、あまりにも積立率が低い場合などは財務局などから指導を受けることもあるよ
うです。
董事会の決議については、法的には要求していないものの、三項基金の分配そのものが 利益処分となりますので、不可欠であるものと考えます。
次に合弁企業ですが、規定上、全ての基金について積み立てることが義務付けられ、かつその積立比率を董事会が決定する(『中外合弁企業法実施条例』第76条1項)としていま
す。よって、合弁企業においては三項基金全てを積み立てる必要があり、董事会の決議も 必要であるものと思われます。
合作企業については、合作企業の基本法である『中外合作経営企業法実施細則』には特 に定めはありませんが、『外商投資企業執行新企業財務制度的補充規定的通知』(財政部
第474号 1993年12月23日発布施行)第10条をみる限り、合弁企業と合作企業における取扱 は同様の対応と思われますので、三項基金全てにおいて積み立てる必要があろうかと思われます。
したがって、ご質問にある表においては、合作企業における従業員奨励基金については 「△」ではなく「○」になるものと思われます。
質問2.親子ローン契約の印紙
子会社には、資本金を払込完了し借入金部分を親会社から貸付することになりました。貸 付にあたり「金銭消費貸借契約書」を締結します。契約の条文には、貸付にあたり日本国
法が適用すると記載があります。
そこで質問ですが、 貸付側は、日本の法律が適用になり、印紙は貼るのでしょうか?
借入側は、中国の法律が適用になり、印花税を納めなければならないのでしょうか? どのように処理すればよろしいのでしょうか?
回答2.
日本の印紙税法基本通達第49条により、課税文書の作成地が国外であれば、その課税文書の権利行使と文書保存が国内であっても印紙税法は適用されません。従って、当該契約書が国外で締結されたものであれば、日本の印紙は貼付不要になるかと考えます。
一方、中国の印紙税暫定条例施行細則第14条では、課税文書が国外で調印されても国内 で使用する場合は印紙税を貼付しなければならず、課税文書が中国国内で法的効力を有し
中国法の保護を受けるものは中国の印紙税課税文書となります。従って、中国国外で締結 した契約書であっても中国で効力を発生するものであれば、中国の印紙(中国では「印花」)
を貼付する必要があります。
これらの規定をまとめると、日本国内で締結された契約書は日本及び中国の印紙税の両 方が適用されることになろうか考えます。
さらに、この場合、日中間の契約書締結においては、日文2通および中文2通の合計4通の 正式な契約書を作成し、締結するのが一般的ですが、日文2通と中文2通いずれも正式文書
であれば、その4通すべてに日本と中国の印紙税を貼付することになります。中国国内で締 結された契約書は中国の印紙税のみが適用されますので、正式文書4通に中国の印紙税が貼付されるでしょう。
いずれにしろ、専門家にご確認されることをお勧め致します。
質問3.現地法人所在地に製品倉庫建設
上海に設立した生産型合弁企業は50年間の土地使用権を得て経営活動しています。 同敷地の空きスペースに製品倉庫を建設しようと考えておりますが、その際、倉庫の建設
と倉庫内の製品入出庫管理は他の物流会社へ委託しようとの案が出てきました。
そこで以下危惧しています。(1)倉庫を建設するスペースは当初土地使用権を得たときの使用目的と異なる目的で使用すること、(2)当該合弁企業への出資関係の無い他人資本で倉庫が建設されること、(3)他人が敷地内に入って倉庫管理業務を行うこと、(4)加えて将来当該合弁企業が生産した製品以外のグループ企業の製品まで含めて保管・入出庫管理するこ
と。これら懸念点に関し実行可否とその論拠をご教示頂ければ幸甚です。
回答3.
ご質問の(1)について
原則、国有土地使用権の払下を受ける場合、土地管理部門との間で締結する払下契約に おいて用途が記載され、かかる用途に応じて土地使用年限が決定されます。例えば、商業
用地であれば40年であり、居住用地であれば70年となっています(『都市部の国有地使用 権の払下及び譲渡に関する暫定条例』国務院制定1990年5月19日公布、同日施行第12条参照、
以下《暫定条例》という)。また、土地使用年限の長短に応じて払下金額も異なってきま すから、結局用途が変われば払下契約に定めた権利義務関係に変更がもたらされることになります。しかしながら、ご質問のケース(工業用地としての50年間の土地使用権を取得済)
では、製品倉庫を建設する場合、工業用地としての用途は変わらないこと、つまり、工業 用地として払下を受けた土地を開発して居住用地として分譲するケースなどとは異なると
考えられますので、同敷地の空きスペースに製品倉庫を建設すること自体は、問題はない と考えられます。
ご質問の(2)(3)(4)について
上記《暫定条例》第24条において、「地上建築物その他の定着物の所有者又は共有者は、 その建築物、定着物の使用範囲内の土地使用権を有する。(土地使用者が地上建築物、そ
の他の定着物の所有権を譲渡する時には、その使用範囲内の土地使用権はこれに伴って譲 渡されるが、地上建築物、その他の定着物を動産として譲渡するときはこの限りではない。)」
と規定されていることから、ご質問のケースのように、「合弁企業が使用権を所有する土 地」の上に、「他人資本による他人に所有権がある建物」を建設することはできないと考
えます(土地建物不可分の原則)。よって、「合弁会社が使用権を所有する敷地の空きス ペースに製品倉庫を建設し、製品入出庫管理は物流会社へ委託する」というケースでは、
「土地の使用権を所有する合弁企業が倉庫も建設し、土地と建物(倉庫)を同一の所有者とした上で、土地と建物(倉庫)を物流会社に賃貸し、賃貸料を徴収する」、あるいは倉庫
の建設を物流会社にさせたいのであれば、「物流会社に敷地の空きスペース分の土地使用 権を譲渡し、物流会社の自らの土地使用権とした上で、倉庫を建設させる」ということに
なろうかと考えます。
一方で、賃貸に関しては、製造現法である合弁会社が不動産の賃貸行為を行うことは、 製造会社としての経営範囲を逸脱することになるのではないかという議論が考えられ、確
かに、法的には、経営範囲外による違法の問題を生じます。しかし、実務上類似スキームの実例はかなりあり、土地と倉庫の賃貸が合弁会社の主要業務にならなければ問題視され
ることはないようです。具体的には、合弁会社の売上の50%に達しないならば許される、と いったアドバイスが国際会計事務所からなされることもあるとのことです。
(質問4,5は省略。全文は「投資機構ニュースNo.107に掲載)
|