投資機構会員ネット・法律税務相談室より(第21回)

 会員ネット内の法律・税務相談室より、皆様のお役にたつと思われる事項を抜粋して紹介させて頂きます。
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質問1.
「外国企業の投資による投資性公司の設立に関する規定」の第3条によりますと、投資性公司設立の申請に際して、下記の4項を満たさなければならないものと考えています。
(1)申請前1年の当該投資者の資産総額は4億米ドルを下回らないこと
(2)中国国内において外商投資企業を設立済みで、その実際に払い込んだ登録資本の出資額が1,000万米ドルを超えていること
(3)三つ以上の投資予定プロジェクトの項目建議書が認可済みであること
(4)投資性公司の登録資本は3,000万米ドルを下回らないこと
1.(3)「三つ以上の投資予定プロジェクトの項目建議書が認可済みであること」に関し、以下の点を教えてください。
@「投資予定プロジェクトの項目建議書」とは具体的にどのようなものなのでしょうか?
A「投資予定プロジェクト」とは、投資性公司設立後の新規投資先への投資予定を意味するのでしょうか?
Bそれとも既存投資先でもよいのでしょうか? つまり、投資性公司設立前に中国での投資先が3件ありさえすれば、要件を満たすのでしょうか? 既に投資先があったとしても、投資性公司設立後に増資を行うことが要件を満たすために必要になるのでしょうか?
2.日本法人が中国本土の現地合弁会社3社に出資しているという状況で、新規の投資先がない場合であっても、「投資予定プロジェクトの項目建議書が認可済み」であれば、投資性公司は設立できるという理解でよろしいでしょうか? また、「投資予定プロジェクトの項目建議書が認可済み」という点について、どの機関のどういう認可なのでしょうか?
3.投資性公司設立にあたって払い込まれた3,000万ドルの出資金は、既存合弁会社の持分買取に使用できるのでしょうか? つまり、
@日本法人が所有する既存合弁会社の持分を投資性公司が買い取る場合
A既存合弁会社の独資化にあたって、合弁パートナーから持分を買い取る場合
のいずれか、もしくはいずれにおいても使用可能でしょうか?
4.登録資本100万米ドルの会社を中方と日方それぞれ50%出資(50万米ドルずつ)で設立し、その後、中方のもつ持分すべてを60万米ドルで買収する場合、上記における「実際に払い込んだ登録資本の出資額」としては100万ドルということになるのでしょうか? 「実際に払い込んだ」という点で、「日方」は「会社には」当初の「50万ドルしか実際に払い込んでいない」とも思えます。

回答1.
 1.@合弁、独資等を設立する際に作成する書類としての、F/Sの前段階の項目建議書のことです。
A投資性会社による投資という点は一切考慮することなく、投資性会社を設立する外国投資家(=親会社)が投資しているか、またはそれが投資する予定の、という意味です。「投資している」という状態も含まれていることについては、下記Bに対するコメントをご参照ください。
B投資予定プロジェクトと称しているのは、既に投資しているプロジェクトのみならず、投資予定であっても項目建議書認可を取得し、具体化しているものについては勘定に入れる、ということだそうです。従って、既存投資先でもよく、それについてわざわざ増資を行う必要もないものと考えます。
2.「外国投資家の投資により投資性会社を設立・運営することに関する規定」(2003年6月10日公布)第3条の条件に合致していれば投資性会社を設立することは可能です。すなわち、日本の本社が中国大陸に既に合弁会社を3社設立し、且つ投資総額が1,000万米ドルを超えていれば、新規案件がなくても設立は可能です。
 しかしながら、実際に新規投資案件がなければ、所謂最低資本金の3,000万米ドルは、@新規に設立する外商投資企業への出資、A設立したが払込み未了の出資額についての出資もしくは増資部分についての出資、またはB内資資本会社の出資者からの出資持分買取に使うことが限定されている(同規定第8条)ため、実際上上記三つの案件がなければ3,000万ドルは氷漬けになってしまいます。
 更に同規定に従い投資性会社の経営範囲の拡大を狙うには、その条件として「払い込んだ登録資本金額が3,000万米ドル以上であり、かつその投資先企業の投資に既に用いられている」ことが要求されているため、実務上3,000万米ドルの使い道を予め検討することが必要でないかと考えます。
 項目建議書の認可部署は、合弁・合作企業の場合、業種により異なります。提出するのは中方パートナーで、認可機関は申請受領後検討したうえで一定期間内に認可するか否かの回答を出します。外資企業の場合はもっぱら対外経済貿易部門に提出しているようです。
3.投資性会社の3,000万米ドルの資本金の使い道は、上記(1)の質問に対するコメントにある通りで、既存の合弁会社の持分買取には用いることは認められておりません。但し、一定の条件を満たせば、現実的には既に設立した外商投資企業の持分を投資性会社の増資として付け替えることは可能のようです。
 まず、ご質問の『投資性会社の増資として付け替える』ことの意味について、ご理解のとおりで正しいと考えます。
 これは、当時の対外貿易経済合作部による《「外国投資家投資企業の審査認可業務の指導に係わる意見」の印刷発布に関する対外貿易経済合作部の通知》において、「投資性会社の投資家が既存の中国における投資企業の登録資本を投資性会社に譲渡する場合には、投資家が投資性会社の定款所定の全部の登録資本を支払っている限り、認可を経て、外貨現金による投資方式によらないで投資性会社の登録資本を増加することができる」と定めていることに基づきます。
 また、「一定の条件」とは、上述の規定にある通り、@登録資本が払込済みであること、およびA商務部の認可を取得すること、が挙げられます。
 なお、本件に関わるものとして過去の回答をご参照ください(No. 646、885、1003)。
4.本件は、「外国企業の投資による投資性会社の設立に関する規定」(2003年7月10日施行)第3条第(1)項第1号における投資性会社を設立する出資者の資格要件に関する問題です。
 ご質問の趣旨は、中方の持分を買い取る場合、当該持分は上記資格要件における「実際に払い込んだ登録資本の出資額」とみなされるのか、更に、その場合、日方が買い取る中方持分の買取価額は、元々中方が実際に払い込んだ額なのか? または日方が実際に買い取る価額なのか? というものだと考えます。
 「実際に払い込んだ登録資本の出資額」とは、会社の登記完了後に資本金口座を開設し、その口座に対して出資者が引受けた登録資本を直接出資する、と厳密に解釈可能でしょう。しかしながら、投資性会社の出資者の資格要件として「1,000万米ドルを出資していること」に主眼が置かれており、中方持分の買取部分を「実際に払い込んだ登録資本の出資額」に含めないと明確に規定していない以上、「実際に払い込んだ登録資本の出資額」には中方より買い取った持分の価額も加算されると解釈して良いのでないでしょうか。
 続いて、3の回答に記載の通り、通常、中方出資の持分には土地使用権を含む国有資産が含まれるため、持分譲渡の対象となる国有資産の再評価および確認が必要になります。仮にこの評価で合弁会社設立当時50万米ドルと評価されたものが、日方による中方持分の買取の際に60万米ドルで再評価された場合、所謂「実際に払い込んだ登録資本の出資額」は110万米ドルになるのではないでしょうか。


質問2.
 当社は昨年華東地区に独資で外商投資指導目録上「許可類」の金属加工会社を設立しました。「許可類」のため輸入した生産設備には関税・増値税が課税されています。このたび、その独資会社に同じ金属加工ですが、最先端の技術とその設備を導入する計画があり、その技術は充分「奨励類」に認定されるものと考えています。
 このようなケースで、すでに認可されている分類を「奨励類」に変更することは可能でしょうか? 「外商投資方向指導規定」には変更の説明はありません。可能であるなら、どのような手続きや資料が必要かをご教示願います。

回答2.
 そもそも「外商投資産業指導目録」は、個々のプロジェクトが「奨励」、「許可」、「制限」または「禁止」において、どのカテゴリーに分類されるかを規定しているだけで、導入される技術を分類しているものではないと考えます。従って、新たに先進の技術及び設備を「許可類」から「奨励類」への格上げすることは不可能だと考えます。
 ご質問では明記されていませんが、この格上げの目的が輸入する追加設備の免税枠確保であるならば、ご提案のスキームにおいて、新たに技術及び設備を導入する予定であること、その技術を使ったプロジェクト内容が「奨励類」に該当しそうなことを鑑みて、ご説明通り、これらの技術及び設備を踏まえて増資プロジェクトを立上げ、この増資に係る輸入設備について、F/S報告書にて明記し、輸入免税枠を確保されてみては如何でしょうか?
 商務部にも確認しましたが、独資企業で、以前と同様に「許可類」に分類されるプロジェクトで製品を製造している場合、最先端の技術・設備を導入したとしたことだけをもって「奨励類」に変更するのは、不可能との回答がありました。
 なお、増資の手続きについては、当機構のデータライブラリーの中に資料がありますので、そちらをご参照ください。

(以下は「投資機構ニュースNo.99」に掲載)