会員ネット内の法律・税務相談室より、皆様のお役にたつと思われる事項を抜粋して紹介させて頂きます。
なお、当機構会員の方でまだ会員ネットにご登録されていないかたがいらっしゃいましたら(ご登録は無料です)、ぜひともご登録いただき、どんどんご質問をお寄せ下さいますようお願い致します。
トップページからユーザー登録を行った上でログインしてください。
※通知した企業別ID、パスワードではログインできません。
質問1.
1.CEPAにて貨物運送代理サービス、(Freight Forwarding Agency Services)及び倉庫サービス(Storage
and Warehousing Service)に関して最低投資金額は same as that for Mainland enterprise
とありますが、これは外商投資企業の最低投資金額(100万ドル)とは違い、純中国資本が会社設立する場合と同じと理解してよろしいでしょうか? その場合の最低投資金額は幾らでしょうか?
2.一方で物流(Logistics)、輸送(Transport Services)に関しては最低投資金額の規定がありませんが、幾らでも良いということでしょうか?
3.貨物運送代理サービスの範疇は外商投資国際貨物運輸代理企業管理規定に定めるもの、即ち下記と同じと理解してよろしいでしょうか?
国際貨運代理企業は自営または代理による輸出入(国際貨物輸送業務に関連したもの)業務として、以下に列挙する一部或いは全部の業務を経営することができる。
(1) 船腹予約(用船、チャーター機、チャーター船)、託送、倉庫保管、梱包
(2) 貨物の荷揚げ、荷卸の立会い、コンテナの積み入れ積み出し、小口配送、積み替え及び関連の短距離輸送サービス
(3) 通関、検査、試験、保険の代理手続き
(4) 関係書類、証書の作成、運賃支払、雑費決済及び支払
(5) 国際展示品、個人の物品および国境通過貨物の運輸代理
(6) 国際複合輸送、集積輸送(コンテナ積み入れを含む)
(7) 国際速達(私信および県級以上の党・政府・軍機関の公文書の配達は含まない)
(8) コンサルタントおよびその他の国際貨物運輸代理業務
回答1.
お問い合わせの件は、9月29日に中国大陸と香港の間で締結されたCEPAの付属文書4の内容についてのご質問だと思われます。(9月29日に締結された内容については、下記から検索することができます。尚、締結文書は中国語のものが正で、英文はあくまでも参考訳になります。)
http://www.chamber.org.hk/wto/content/cepa_pr_rta_main.asp
1.中文の締結文書を見る限りは同じと考えてよろしいかと思います。内資企業の最低資本金については現時点では事務局で情報を持ち合わせておりませんので、調べるようにします。
2.確かに最低資本金について規定はありませんが、これはイコール「規制が無い」ことを意味するものではないと思います。
3.ここでいう貨物運送代理サービスは、あくまでもCPC(Central Product Classification-註)を参照)での分類によるものですので、具体的なサービス内容が外商投資国際貨物運輸代理企業管理規定に定めたもの同じかどうかは不明です。おそらく関連規定が出て、そこで業務範囲が明確になるものと思われます。
註)CPC(Central Product Classification)は国連が定めた、モノ、サービスの分類であり、中国のWTO加盟議定書のサービス約束表でもこのCPC毎に開放内容が提示されています。
CPCについては簡潔に説明した資料を探すことはできませんでしたが、
http://unstats.un.org/unsd/statcom/doc02/cpc.pdf
などが参考になると思います。
質問2.
香港からの出資で独資卸売商業企業や物流企業が設立できるとありますが、現在既にある中国内の外資合弁卸売商業企業の試行弁法がその基礎となる法律と見てよいでしょうか?
また貿易企業と卸売企業の区別はどんな点ですか? 現状の批准機関は商務部のみという理解で正しいでしょうか?
また実際にCEPAを活用して批准が得られるのかどうか、何か中国から説明はあるのでしょうか? 合弁卸売企業は何故実例が少ないのでしょうか? 障害があるのでしょうか?
回答2.
『外商投資商業企業試点弁法』がCEPAにおける卸売商業企業の根拠法規になるかについてですが、現時点では
『外商投資商業企業試点弁法』第19条にて「香港特別行政区、マカオ、台湾地区の投資者が祖国大陸に投資して設立する合営商業企業については、本弁法を参照して執行する」(「準用」ではない)と規定している。
貿易・流通業をはじめとするサービス業の開放の約束事についてはCEPAのAnnex4に記載されているが、CEPAに基づいて規定した法規はまだ出ていない。
という点から、基礎となる法規になるかについての判断はまだできない状況です。
貿易企業と卸売企業の区別についてですが、『中外合弁対外貿易公司設立に関する暫定弁法』と『外商投資商業企業試点弁法』でそれぞれ認められた、輸出入権、卸売・販売権の2点で比較しますと以下の通りになります。
【輸出入権】
貿易企業:自営製品の他に認可を経た経営範囲内での代理通関が可能
卸売企業:自営製品のみ
【卸売・販売権】
貿易企業:当該企業が輸入した商品の国内卸売が可能
卸売企業:自営製品と中国国内商品の国内卸売が可能
批准については上述の通り具体的な法規が出ていない状況ではありますが、99年公布の『外商投資商業試点弁法』の批准が国家経済貿易委員会と対外貿易経済合作部で行われており、今年の組織改正で国家経済貿易委員会の国内流通部門が商務部(旧対外貿易経済合作部)に移管された事を鑑みて、基本的には商務部が批准すると思われます。合弁卸売企業についてはご指摘の通り実例が少ないのは、恐らく合弁卸売企業の設立要件が厳しいためと思われます。
注意して頂きたいのは、CEPAはあくまでも大陸と香港の間で締結された協定=約束事であり、この協定に基づいた法規が出て初めてどのような企業が設立できるかが明確になるという事です。中国ではWTOで承諾したスケジュールに沿って市場開放が進んで行くと予想され、香港企業が先行者利益を受ける期間は決して長くないかもしれませんが、香港企業にとって製造業はもとよりサービス業については、より少ない資本や有利な条件で先行して中国本土の市場に参入できる恩恵は大きいと思います。CEPAの動向は注目されており、機構としても今後の状況について追いかけていきたいと思いますので、情報が入り次第ご案内いたします。
質問3.
1.外貨建て借入金は基本的に借入金専用口座に入金する資本取引に該当し、借入金専用口座からの出金は借入契約に定める使途に限定して出金するとされております。仮にA銀行で借り入れた資金をB銀行での貿易決済に使用する場合、A銀行の借入金専用口座から出金してB銀行へ振り替えることはできるのでしょうか?
2.同じような手続になろうかと思いますが、親子ローンの場合地場銀行で借入金専用口座を開設しますが、この場合メイン銀行である外資銀行で貿易決済をしようとする場合、どのような手続きを踏めばよいのでしょうか?
3.親子ローンの場合、外貨で借り入れることになりますが、支払を待たずに人民元に両替することはできるのでしょうか?
回答3.
1.A銀行の借入金専用口座から出金してB銀行へ振替える件。
基本的に問題ないと思われます。おっしゃる通り、借入金専用口座からの払出範囲は「借入金の使途」に限定されます。要は、「貿易決済の使途で借り入れた資金であれば、その資金は必ず貿易決済に充てなければならない」という点です。もちろん、借入金を貿易決済に充当するためには、本来、借入金が入金されている資本取引口座である、借入金専用口座から、経常項目外貨口座へ事務手続上、振替えなければなりません。そこで問題は「資金が実際に振替えられた経常項目外貨口座から貿易決済に充てられたか否か」ということであり、「事務手続上、同じ銀行内で振替えたか、別の銀行に振替えたか、実際に何処の銀行の経常取引外貨口座へ振替えて決済したか」等の問題ではないと思われます。確かに「A銀行の借入金専用口座から振替えられた資金が、B銀行の経常取引外貨口座から同額貿易決済に充てられていること」が説明できれば問題ないと思われます。
2.地場銀行の借入金専用口座に入金されている親子ローンの代わり金を他の外資銀行の貿易決済に充てる場合。
上記1と同じ内容で、振替は可能と思われます。
3.親子ローンの外貨代わり金を、その本来の支払日以前に払出し、人民元に両替すること。
許可事項であると思われます(許可されるか否かは別として)。なぜなら、「国内の外貨預金口座管理規定」第3章では、"借入金専用口座からの払出しは、その目的が借入契約に定める使途であれば外貨管理局の個別許可は不要"とされていますが、上記以外の目的で払出す場合は要許可となっています。最終的に支払が行われないことも考えられますので、直接、支払(本来の使途)に充てる以外の目的で払出す以外は、許可が要るという理屈が背景にあるものと思われます。加えて、参考までに、同管理規定には、資本取引専用外貨預金口座(借入金専用口座含む)の外貨を人民元に交換すること自体も、外貨管理局の許可が必要である旨、規定されております。
尚、内容的にも借入・外貨預金口座の事務手続に係る問題ですので、詳しくは現地お取引の日系金融機関または外貨管理の専門家へのご確認をお勧めいたします。
質問4.
生産に必要な金型・治具を発注者が支給しますが、実際は生産者が購入・管理し、支給者に費用を請求するという取引習慣のある製品を中国企業に販売したいと考えています。つまり、中国企業からも金型・治具費をもらいたいと思いますが、実際の金型・治具は生産場所である日本で保管・使用されるので、中国への輸入に伴う証憑は存在しません。このように、日本で保管される資産の購入に対する支払いをするには、どのような方法が考えられるでしょうか?
尚、金型・治具の所有権は「買主(発注者)」に帰属しますが、日常の管理は「売主(生産者)」が行うことを想定しています。「売主」は、当該金型・治具を預かるという形態になります。従って、その金型・治具は「買主(発注者)」の固定資産台帳に記載されますが、「売主(生産者)」の固定資産台帳には記載されないことになります。
回答4.
ご質問については、以下のスキームで対応しては如何でしょうか。
(1) 売主×買主間で購買契約を締結
(2) その購買契約において売買の対象となる製品の金型・治具の取り回しについて規定
(3) 具体的には、以下の趣旨で規定
A). 金型・治具は、買主が売主に対して無償貸与し、売主は貸与期間の保管責任を負うこと
B). 金型・治具の調達にあたり、売主は買主に協力し、必要であれば買主の承認を得て自ら購入すること
C). 買主は、売主が購入した金型・治具の検収を行った後、売主は買主に請求書を発行し、買主はその請求書に基づき売主に金型・治具の購入代金を支払う(外貨送金する)こと
(4) 外貨管理局に対して、当該契約および売主にくだんの金型・治具が存在している書類を見せ、輸入通関していない金型・治具に対する外貨送金に同意してもらう
いずれにせよ、現地の外貨管理局に確認されることが必要になると考えます。
以上
|