会員ネット内の法律・税務相談室より、皆様のお役にたつと思われる事項を抜粋して紹介させて頂きます。
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質問1.工会の設立について
100%外資系の会社の場合、工会(組合)の設立は、必要なのでしょうか? 設立が必要な場合は、どのようなことをすればよろしいのでしょうか?
回答1.
100%外資系の場合、「外資独資企業法実施細則」の第66条〜69条に工会に関する規定があります。その第66条で「外資独資企業の従業員は『中華人民共和国労働組合法』の規定に従って、基層労働組合組織を設立し、労働組合活動を展開する権利を有する」とあり、工会の設置は義務ではありません。但し従業員から設立要求を求められた場合、一般的にそれを拒むことは出来ません。
中国では工会は工会法に基づいて運用されますが、設立にあたって工会は中華全国総工会の下部組織として位置付けられ、設立する工会はその上部組織への報告及び許可が必要(第11条)となっています。
設立にあたって会社側が行うべきことは、当局の労働部門に工会の設立に関して相談すること、また上部組織と接触することが必要だと思われます。
また工会と良好な関係を保つことが企業運営を円滑に行うための秘訣とよく言われていますので、工会の幹部選出にあたっては、会社側とうまくやりあえる方が選出できるよう調整する必要もあるかと思います。中国では経営側に属していても工会に加入することも可能ですので、そうした方の工会への加入を検討することも必要でしょう。
経費、設備面で会社側が留意する点として、工会の活動経費として会社側から全従業員の賃金総額の2%を組合経費として割り当てる必要があり(第42条)、工会の事務及び活動展開のために必要な設備及び活動場所を提供する必要があります(第45条)。また組合専従者の賃金は企業が払う必要があります(第41条)。
会社が工会との間で何を行うべきか、またどのように関わるべきかはここでは触れませんが、当機構のデータライブラリーの「高井伸夫法律事務所の日系企業講談」第29回から33回で工会について触れていますので、そちらもご参照ください。
質問2.駐在員の労働契約
中国に駐在する場合、駐在員は勤務する中国の会社と労働契約をする必要がありますか? ある場合は、契約書にどのような項目を盛り込んで契約すればよろしいのでしょうか?
回答2.
結論からいうと、お問合せのケースでは、一般的に中国の会社と労働契約を締結する必要はないと考えます。通常、日本人社員が現地法人において一定期間業務に就く場合、当該日本人は日本の本社に籍を置いたまま現地法人に出向くことになります。これをここでは「出向」といいましょう。(同じく出向く人間を「出向者」といいましょう)。
この「出向」の場合、出向者の雇用関係は、一義的に本社と出向者本人との間にあります。従い、現地法人との間では、改めて雇用契約を締結することはありません。しかしながら、現地法人における出向者本人の責任範囲や待遇を、現地法人と出向者を送出す日本本社との間で取り決めておく必要があるので、「出向契約」なる契約をこの両者間で締結しているのが一般的です。
では、具体的に何を出向契約において規定すればよいかというと、以下の項目が挙げられるのではないでしょうか?
1.「出向」の定義、出向者の特定
2.出向者およびその家族の待遇(赴任/帰任費用、給与/賞与、住宅費用、現地車両、業務出張、
有給休暇/帰国休暇、労働環境、疾病/死亡時の対応)、
勤務条件
→特に出向者の給与・賞与の負担については、日本国内の税務上の問題もあり、(1)出向者が独資企業に赴任する場合、基本的には現地独資企業負担し、(2)合弁企業の場合、合弁会社の賃金規定に従い出向者に支払い、不足分を出向元である本社が負担しているケースがあるようです。いずれにしろ、出向者の給与・賞与の負担については、本社の経理・人事部門と慎重に相談して進めるべきでしょう。
3.出向者の権利・権限、派遣元会社の代理権の否定、出向者および派遣元会社の免責
質問3.就業規則への記載事項
現在、サンプルを基に就業規則を作成していますが、日本の就業規則作成の場合、必ず記載しなければならない事項(絶対的記載事項)、記載すれば守らなくてはならない事項(相対的記載事項)というようなものがあります。中国の就業規則にも、絶対的記載、相対的記載事項はあるのでしょうか。調べた本によるとこのようなものは明確に決まっていないとありました。本当でしょうか?
回答3.
ご質問ですが、おっしゃるとおり、就業規則の記載事項については労働法第4条に「使用者は法により規則制度を制定し、及び整備し……」と就業規則についての記載があるだけで、当該規則制度の内容については明確な規定は特にありません。
ただ、一般的には、日本で作成するのと同様に、職場秩序の確立・維持、労働条件の規範化を図るという目的及び労働契約との整合性の観点から、日本で使用する就業規則をベースに作成すれば良いかと考えます。一般的に以下の項目が考えられます。
(1)総則(目的、適用範囲、定義など)
(2)採用(採用の原則・方法、労働契約の締結・解除、試用期間など)
(3)服務規律(労働者の責務、服装、社内決裁、上司の指示・報告、兼職の禁止、金品・書類・
機器の管理、設備の目的外使用の禁止、会社物品の持出禁止、携帯品検査、機密保持など)
(4)労働時間と休憩(勤務時間、労働時間、残業、休憩、遅刻、早退、欠勤、女子従業員の待遇
など)
(5)休日・休暇(法定休日、有給休暇、帰郷休暇、振替休暇など)
(6)賃金、旅費、慶弔金、各種手当など
(7)国内異動、出張、出向など
(8)業務外疾病などの医療期間及び傷病手当、業務災害の補償など
(9)安全衛生(目的、災害予防、安全のための遵守事項、健康診断など)
(10)研修(海外研修の実施、研修後の勤務義務、損害賠償など)
(11)賞罰(奨励・表彰・懲罰の内容、賞罰手続など)
(12)定年、退職(退職申出手続、退職制限など)
(13)解雇(解雇事由、経済補償、損害補償など)
(14)社会保険、住宅基金など
(15)その他(改正、付属規定、施行日など)
また、サンプルをもとに作成する場合は、数値等の相違・地方独自の運用がある場合もありますので、一度地元の労働局に内容を確認されることをお勧めいたします。なお、当機構のデータライブラリーにも『就業規則』のフォームがございますので、ご参照ください。
質問4.休暇時の賃金
有給休暇及び法で定められている特別休暇を取得中の社員への賃金支払いの基準は、あるのでしょうか?(EX:通常所定賃金の100%、70%等)
回答4.
休暇時の賃金についてですが、根拠規定としては『賃金給付暫定規定』(労部発(1994)489号)があげられます。その第11条に「労働者が法に基づく年次休暇、帰省休暇、結婚休暇、結婚休暇及び葬儀休暇を享有する期間について、雇用単位は労働契約で定める基準により、労働者に賃金を給付しなければならない」と規定してありますが、具体的な支払基準については、個別に労働契約において定めますが、日本と同じく所定賃金満額が支払われるのが一般的です。
ただ、進出する地域によっては個別の規定が存在する場合もあります。『広東省女子従業員労働保護実施弁法』(1992年4月1日施行)第5条5項では、出産休暇中の給与支払いについては、「出産休暇中の給与は従来通りに支給し、既存の福利待遇及び皆勤評価奨励に影響しない」、また同法第8条では「出産休暇満了以降に、何らかの支障により育児が困難になり、本人がそのことを会社に申請し、会社が許可した場合には、子供が1歳になるまで哺乳休暇をとることができる。哺乳休暇期間中は通常給与の75%の支払いをしなければならない」と規定しています。
因って、事前に現地の労働局に確認することをお勧めします。有給休暇、特別休暇の具体的な内容・日数については、スレッドNo.1110で触れているのでこちらをご参照ください。
以上
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