会員ネット内の法律・税務相談室より、皆様のお役にたつと思われる事項を抜粋して紹介させて頂きます。
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質問1.設備改造について
弊社は製造合弁会社(以降A社)を設立しております。A社は中国国内メーカーから設備を購入する予定ですが、そのままでは機能的に使用できないため、一旦日本本社(以降A本社)へ持って行き、改造し、再度A社へ供給したいと考えております。このとき、A社は、購入した設備を日本A本社へ改造委託することが可能ですか?(A社の営業範囲は部品製造とその販売です)またA社とA本社の契約は、どのような形態になりますか?改造委託契約となるのでしょうか?(設備+改造費の表示はしなければいけないのでしょうか?)
回答1.
中国現法が調達した国産設備を、一旦国外に輸出して改造し再輸入することは、税関の管理上、「修理物品」の再輸入の範疇となり可能だと思われます。2002年1月1日施行「税関輸出入貨物課税価格審査・決定規則」第14条では、修理のために国外に運送される機械器具、運送手段又はその他の貨物について、輸出時に既に税関に申告しており、かつ税関の規定する期間内に国内に再輸入される場合、税関の審査・確定する国外修理費用及び材料費並びに当該貨物を国内に再輸入するための運送及びその他の関連費用、保険料をもとに課税価格を評定する」としています(これに該当しない場合は通常の輸出入扱いとなり、再輸入時は設備本体価格も課税対象となるものと思われます)。
契約の形態については、「改造委託」という概念が正しいのかわかりませんが、契約の中では、上記法令から少なくとも改造費用の明示は必要だと思われますので、事前に当局で確認されることをお勧めします。
質問2.輸入関税について
(1)先日中国の貿易公司の方から聞いたのですが、香港で3年以上経営活動をしているメーカー企業は、今後輸入関税「0」で中国に完成品の輸出が出来るようになるとのことでした。このような香港メーカーに対する優遇措置が本当にあるのでしょうか?
回答.
ご質問の件は6月末に中国と香港の間で締結された経済貿易緊密化協定(CEPA)に関するものではないかと思われます。この協定の内容については以下香港総商会のURLをご覧下さい。
http://www.chamber.org.hk/wto/content/cepa_pr_rta_main.asp
協定の要点は以下のとおりになります。
1.香港製品の中国での輸入関税のゼロ関税適用
香港製品273品種の中国本土での輸入関税について2004年1月1日よりゼロ関税を適用する(Article5-3)。それ以外の273品種以外の香港製品については2006年1月1日までにゼロ関税を適用する(Article5-4)。ただし「香港製品の定義」については2004年1月1日より以前に同意に達するようにする(Annex2-2)。
中国本土は香港製品に対してアンチダンピング,相殺関税、セーフガード適用の措置を行わない。また関税割当も行わない(Article6-9)。
2.サービス分野に関する香港企業の中国本土へのマーケットアクセスの開放
17のサービス分野に関する香港企業の中国本土への優先的参入を認める(Article12)。
香港企業の定義は以下のとおり(Annex5)
香港で会社登記を行っていること。
香港での営業期間が3年以上経過していること。
香港で業務規模に相当する建物を所有あるいは借用していること。
従業員総数の50%以上を香港で雇用していること。
上記URLにAgreementの本文,付属文書,サマリーが英語、中文繁体字でみることが出来ますので、正確な内容については原文でご確認下さる様お願いいたします。
具体的な優遇措置はこのCEPAの内容をお読みいただければと存じます。ただし香港で3年以上経営活動をしているという条件が必要なのはマーケットアクセス分野であり、ゼロ関税適用については現段階ではまだ明らかになっていない香港製品の定義に合致する必要があります。
(2)
香港総商会のURLで香港企業の定義についてAnnex5(英文)を見ると「Registered overseas companies...are
not included」となっていますが、これは日本企業の現地法人にはCEPAの適用はない、ということでしょうか。
回答.
今回締結された経済貿易緊密化協定は中文が正文になると聞いていますが、ご質問の英語に該当する部分は「在香港登記的海外公司及弁事処除外」とあり、普通に解釈すれば海外企業の香港支店および駐在員事務所が該当し、日本企業の香港現地法人はここでは特に除外されないものと思われます。
質問3.無償品(金型)の輸入時の増値税に関して
金型を中国企業に日本から無償で貸与する場合の増値税の考え方ですが、無償での貸与に関わらず、輸入時点で増値税が課税される根拠は何処にあるのでしょうか?
回答.
ご質問の中で「日本から無償で貸与する場合」とありますが、これは加工貿易を行う場合に認められた設備の無償貸与という前提で回答させていただきます。この場合の根拠法は「輸入設備税収政策の調整に関する国務院の通知」([1997]国発37号)および「加工貿易輸入設備の関連問題に関する対外貿易経済合作部および税関総署の通知」([1998]外経貿政発第383号)になります。
383号通知前文では「加工貿易において外国企業の提供する価額評価しない輸入設備」について「『外国投資家投資プロジェクト非免税の輸入商品目録』所定の商品を除き、関税および輸入段階の増値税の徴収を免除する」とあります。
ここで金型がどのように扱われるかですが、過去、この法律税務相談室では「金型は原則設備と見なされず、消耗性物品にあたり、設備免税の対象外」と解釈し、「ただ地方によっては対応が異なり免税になるケースもある」と述べてきました(スレッド1256)。しかし、最近税関総署より発布された「減免税政策執行中の若干問題を明確にすることに関する通知」(署税発〔2003〕172号)第1条第4項で、「単独で輸入するHSコード8207の金型は、『外国投資家投資プロジェクト非免税の輸入商品目録』に属し、一般に規則どおりに徴税しなければならない。」となっており、これにより単独で輸入する金型は輸入免税の対象外であること、つまり『外国投資家投資プロジェクト非免税の輸入商品目録』に属することが明確になったと考えられます。
(2)
その増値税は中国内の貸与先が負担すべき増値税なのでしょうか?金型を再度輸出すれば増値税は還付されるのでしょうか?
回答.
上記ケースの場合、輸入増値税となるため、輸入者が増値税を負担することになります。また再度輸出の際ですが、生産型企業が増値税の輸出還付をうけられるのは「自社生産の製品」に限られますので,自社で使用した金型を再輸出しても輸入時に支払った増値税は還付の対象になりません。念の為申し添えておきますと、使用後の金型を再輸出した場合、「減免税政策執行中の若干問題を明確にすることに関する通知」(署税発〔2003〕172号)によれば、その再輸出の取引自体に増値税は賦課されません。
(3)
無償、有償に関わらず、輸入増値税として、輸入する際には免税対象以外は全て増値税が課税されると考えれば宜しいでしょうか?
回答.
増値税課税についてはご指摘のとおりですが、運用面で、課税対象にもかかわらず課税されていないという話も聞きます。
以上
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