投資機構会員ネット・法律税務相談室より(第15回)

 会員ネット内の法律・税務相談室より、皆様のお役にたつと思われる事項を抜粋して紹介させて頂きます。
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質問1 OEM生産委託製品の中国国内販売について


(1) 現在、中国地場企業に対して弊社の商品を委託生産させており、原材料等は全て現地調達で、一部の商品を日本で引取っております(地場企業からは、他社に対する輸出もあるようです)。今回この商品をその生産地場企業を通じ一部中国国内向けに販売させようと考えております。この際、弊社或いは地場企業は何らかの手続きを踏む必要があるので しょうか?また、その手続きは難しいものでしょうか?


回答:
 地場企業が現地で自らの名義で販売するのは問題ありませんが、ご質問の趣旨はそのような、当たり前のものではないと理解しております。 第一に、想定されているケースが、御社が商流に入るものである:すなわち(商流)地場企業→御社→客先、(物流)地場企業→客先、というものであるならば、克服しがたい困難があるのではないかと思います。すなわち、御社は中国に販売拠点を有しているわけではありませんので、中国国内の商流に入ることは認められず、客先から御社への代金決済も送金することができないのではないかと思われるからです。
 第二に、想定されているケースが、御社が商流に入るものではなく、地場企業→客先という商物流の形態をとりつつ、御社のブランドを付して販売するというものであれば、御社は地場企業との間で商標ライセンス契約を締結し、それに基づくロイヤルティの形式で回収を受けることとなります。商標ライセンス契約は商標局に届出をしなければ外貨送金の根拠となりえませんが、当該届出自体は認可とは異なり、一定の形式要件さえ満たしていれば問題は大きくないものと考えます。

(2)「中国では企業の営業許可の範囲は特定されており、広範囲の営業許可取得は困難」との認識でおり、OEM生産(輸出)を行っている地場企業が、この商品を中国内販売しようとする場合、営業許可の範囲を変更する必要があると考えております。この理解は正しいでしょうか? 
正しい場合、かかる営業許可の変更は簡単にできるものなのでしょうか?

回答:
 地場企業が他社の製品をOEM生産行い、中国国内で販売することは流通行為となることから、当該地場企業は流通業務に関する営業許可を受ける必要があります。しかしながら、生産型企業が流通業務に関する営業許可を新たに受けることについては、外資企業と同様に地場企業も簡単には取得できないと聞いています。


問2 商標ライセンス契約について

(1) 現在中国で商標登録申請を行っておりますが、商標登録の手続きが終了する前に、上記国内販売を行うことについて、問題はありますでしょうか?(商標登録終了しなくとも販売は可能ですか?)その商標登録は「手続完了迄に少なくとも3ヶ月、長くて1年必要」と 商標登録申請を行う事務所から言われております。これは事実でしょうか?また、1年かかったとしてその効力は申請日に遡って発生するなどの保護措置はあるのでしょうか?

回答:
 商標登録をすることと販売を行うこととの間には関連性はございません。したがって、商標登録前に販売を行うことに問題はありません。また、商標登録を行った後に、上記のように商標ライセンス契約を締結してそれを届け出ることが必要とされます。
 期間の点については実務の実態を反映しているものと思います。実際に1年以上かかるケースにも遭遇したこともあります。従って、現地事務所の説明は問題なしと考えます。
 商標権の効力ですが、中国は登録主義を採用しており、登録して初めて商標権が認められることから、遡及することはありません。ただし、同時に先願主義が採られておりますので、先に商標登録申請を行った者は後に申請を行った者に対して優先権を主張することができるという意味での保護を与えられることとなっています。かかる法制は日本と異なるところはありません。

(1) 現在中国で商標登録申請を行っておりますが、商標登録の手続きが終了する前に、上記国内販売を行うことについて、問題はありますでしょうか?(商標登録終了しなくとも販売は可能ですか?)その商標登録は「手続完了迄に少なくとも3ヶ月、長くて1年必要」と 商標登録申請を行う事務所から言われております。これは事実でしょうか?また、1年かかったとしてその効力は申請日に遡って発生するなどの保護措置はあるのでしょうか?

回答:
 地場企業が現地で自らの名義で販売するのは問題ありませんが、ご質問の趣旨はそのような、当たり前のものではないと理解しております。 第一に、想定されているケースが、御社が商流に入るものである:すなわち(商流)地場企業→御社→客先、(物流)地場企業→客先、というものであるならば、克服しがたい困難があるのではないかと思います。すなわち、御社は中国に販売拠点を有しているわけではありませんので、中国国内の商流に入ることは認められず、客先から御社への代金決済も送金することができないのではないかと思われるからです。
 第二に、想定されているケースが、御社が商流に入るものではなく、地場企業→客先という商物流の形態をとりつつ、御社のブランドを付して販売するというものであれば、御社は地場企業との間で商標ライセンス契約を締結し、それに基づくロイヤルティの形式で回収を受けることとなります。商標ライセンス契約は商標局に届出をしなければ外貨送金の根拠となりえませんが、当該届出自体は認可とは異なり、一定の形式要件さえ満たしていれば問題は大きくないものと考えます。

(2) 商標ライセンス契約を結ぶ場合の中国サイド゙の根拠法は何になりますか?

回答:
 商標ライセンス契約については、『商標法実施細則』(国務院令第358号、2002年9月15日施行)の第25条と『商標使用許諾契約届出弁法』(国家工商行政管理局、1997年8月1日施行)が根拠法規になります。

(3) 商標ライセンスの登記については、中国相手先の企業が相応の規模を有していない場合、「分不相応=外貨不正流出懸念」との理由に基づき、登記が受け付けて貰えないといった話を聞いたことがありますが、これは事実でしょうか? (締結相手が小企業でも問題ないのでしょうか?)

回答:
 商標ライセンス契約に基づき登記を行う中国側の企業規模について『商標法実施細則』、『商標使用許諾契約届出弁法』とも、企業規模についての制限規定を設けていません。登記申請を受け付けてもらえないということであれば、商標局になぜ受け付けてもらえないかを確認されることをお勧めします。

(4) ロイヤリティ料率ですが、移転価格税制の観点等より、最低料率、最高料率などの規定或いは運用基準などは中国サイド゙に存在しますか?一般的に3〜5%といった数字をよく耳にしますが、何か根拠があるのでしょうか?

回答:
 商標使用許諾のロイヤリティについて、『商標法実施細則』、『商標使用許諾届出弁法』にもロイヤリティ額についての規定がないことから、ロイヤリティ額の基準を定めた法律は存在しません。尚、蛇足となりますが、以前弁護士にヒアリングした結果では、「商標使用許諾については、『技術輸出入管理条例』(国務院令第331号、2002年1月1日施行)を根拠法規としない」という回答を得ております。一般的に3〜5%というロイヤリティ料率は工業所有権ではよく耳にする値ですが、商標使用権においてはもう少し低い料率ではないでしょうか。

(5) 商標契約において相手に債務不履行が発生した場合、どのような法的にはどのような対応をとることが可能ですか?また、それは一般的に実りあるものなのでしょうか?(判決で勝訴しても、執行困難などの障壁はありませんか?)

回答:
 商標契約における相手方の債務不履行ですが、『商標案件の審理における管轄及び法律適用範囲の問題に関する解釈』(最高人民法院審判委員会、2002年1月21日施行)により、商標使用許諾契約に関する紛争案件については人民法院へ提訴することができます。

(6) 中国内で外国製品を販売する場合、製造元、輸入元等を中国語で表記したシール等を貼った商品をよく目にします。 これらについては、何らかの規制があるのでしょうか?

回答:
 中国国内で生産または販売する製品の標識表示については『製品標識表示規定』(国家技術監督局発[1997]172号)があり、同第6条に「製品標識に用いる文字は、規範的中国語でなければならない」とあります。

以上