投資機構会員ネット・法律税務相談室より(第13回)

 会員ネット内の法律・税務相談室より、皆様のお役にたつと思われる事項を抜粋して紹介させて頂きます。今回は、設備免税に関するご相談について取り上げました。
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質問1 国産設備を購入する場合の増値税等の還付

 独資製造メーカーを国家級開発区に設立しました。このプロジェクトは奨励項目に認定されており輸入機材に対して、関税及び増値税が免除される事になっています。その場合、国産設備を購入する場合でも増値税が還付される権利が有ると聞き及んでいます。国産機器の増値税還付に関して下記につきご回答願います。
1.増値税等が還付されるのは"輸入設備と国産設備の合計金額が"総投資額を超えない範囲"又は"登録資本金(日本で言う払込資本金)を超えない範囲"のどちらでしょうか?
2.国産設備の購入先等には制限があるのでしょうか?

回答1
 国産設備購入にかかる増値税還付については、国家税務総局の「外商投資企業国産設備購入税額還付管理試行弁法」(99年9月1日施行)に規定されています。

1.還付の上限は、税務局の「確定税額還付投資総額」(原文は「核定退税投資総額」)の範囲内とされています。その計算式は、
    投資者各方の現金投資総額−購入済みの免税輸入設備総額 です。
なお、「現金投資総額」は、出資金と借入金の合計です。規定には書いてありませんが、この点は前に国家税務総局の担当者に確認しています。

2.購入先等の制限及び還付の条件は
1) 現金で購入した未使用の国産設備(中国内の企業が生産した設備)であって、投資者の現物出資によるものではないこと、
2) 購入前に税務局に登記すること(「外商投資企業採購国産設備登記手冊」が交付される)、
3) 設備を販売する企業(原文は「供貨企業」)から増値税専用インボイスと、販売企業が主管税務局から交付された「税収(出口貨物専用)?款書」を取っておくこと、(注)?は糸へんに激のつくり
4) 購入後、輸出還付手続きにより還付を受けること(それには、増値税専用インボイス、「税収(出口貨物専用)?款書」のほか、支払い証明、「登記手冊」、売買契約書コピーが必要)、などです。

 ご質問の購入先については、「供貨企業」とあるだけで、製造メーカーからでなければならないのか、別会社でもいいのかは、わかりません。増値税専用インボイス、「税収(出口貨物専用)?款書」が取得できる企業ということが条件ですから、別会社でもよいように思えますが、念のため税務局にご確認ください。


問2 中国の中小企業の定義

中国の中小企業の定義について資本金、従業員数などの具体的な規定がありますか?

回答2
 「中華人民共和国中小企業促進法」(主席令第69号2002.6.29公布、2003.1.1施行)でいう「中小企業」とは、各種所有制及び各種形態の企業を含み(同法第2条)、外資系企業も対象となります。これについては、10月18日に東京で開催した当機構と中日投資促進委員会との「第12回定期合同会議」でも、国家経済貿易委員会の方から同様の発言がありました。
 中小企業の定義については、同法では「従業員数、売上高、資産総額などの指標にもとづき、業種の特徴に結び付け制定する」(第2条)とされています。ちなみに現行の分類基準としては、1988年に国家経委、国家計委、国家統計局などが公布した「大中小工業企業分類基準」があります。同基準は、業種が細分化され分類上煩雑なため、運用上は、業種を問わず『特大型企業=年間売上高と資産総額が50億元以上』『大型企業=年間売上高と資産総額が5億元以上』『中型企業=年間売上高と資産総額が5000万元以上』『小型企業=年間売上高または資産総額が5000万元未満』とされているようです。


質問3−1:対中貿易における商流と物流に関して
<背景>
日本商社:A社
中国メーカー:B社(河南省)
中国メーカー:C社(上海)
A社はB社より原料を購入しC社へ無償で供給、その後C社で加工した製品をA社が買い取るという契約における質問です。

1.B社は日本へ原料を輸出せず中国内のA社が指定したC社へ納入します。一方、売買代金の精算は、A社からB社へ原料購入代金を支払い、A社はC社から製品代金を入金するという商流となります。このような契約は中国において認められるのでしょうか?原料・製品代金決済時にはどのような手続きを踏むべきでしょうか?
2.この場合原料の所有権はA社に確保できるのでしょうか?
税金(増値税等)の問題はどうなるのでしょうか?

回答3−1:
 結論から言うと、できないと思います。そもそも外国企業であるA社は、中国内で売買を行うことが認められていません。また、外為法上も、B社からA社が購入する行為は輸出になりませんので、代金決済ができません。
 中国内で物流を完結したいということであれば、いったん保税区へ輸出する形式をとるしかないでしょう。その場合、保税区の会社に販売する必要はなく、A社の所有物として保税区の倉庫会社に保管・輸送等を委託すればよいと思います。
 理論的には、こうした保税区を経由した取引が可能だと思いますが、実務上は障害があるかもしれませんね。この点は、無責任なようですが、「やってみないとわからない」と言うほかありません。

質問3−2:
 いったん保税区へ輸出する形式をとるしかないとの事ですが、その場合の日本A社から中国メーカーB社への代金支払いは可能ということでしょうか?

回答3−2:
 当方が調べた限り、中国企業から外国企業への輸出取引で、商品を保税区に搬入することに関する直接的な規定はありませんでした。
 ただ、税関の規定では、非保税区から保税区への貨物の搬入は輸出手続きを取るべきことが規定され(「保税区税関監督管理弁法」97年8月1日施行)、また外貨管理局の輸出代金回収・照合に関する規定では、保税区も輸出の対象とする旨が規定されている(「輸出代金回収・照合専用綴発行の関連問題に関する規定」97年10月15日付)ことから、中国メーカーB社が保税区税関で輸出手続きを行った時点で日本企業A社が代金支払いを行うことは可能と考えられます。
 なお、実務上も可能である旨、会員から教えていただきました。

質問3−3:
1.B社が保税区で輸出手続を取る際、輸出相手としては、搬入先であるC社でしょうか、それとも契約先であるA社とすべきなのでしょうか?いずれの場合も、貨物の引渡し先として、保税区指定倉庫で問題ないということでしょうか?
2.この場合、B社が輸出手続を取るのは、出荷元である非保税区税関と理解していいのでしょうか?
保税区向け輸出の場合、今のところ増値税は還付されないと理解していますが、その理解は正しいでしょうか?

回答3−3:
1.ご質問のケースでは、輸出先は契約先であるA社でなければなりません。輸出通関手続きは、保税区税関で行います。
2.保税区向け輸出の場合、ご指摘のとおり、今のところ輸出者に対する増値税の還付は行われていません。還付を行うという方針は、既に昨年12月に発表されていますが、今もって実施規定が出ていない状態です。


以 上