投資機構会員ネット・法律税務相談室より(第11回)

 会員ネット内の法律・税務相談室より、皆様のお役にたつと思われる事項を抜粋して紹介させて頂きます。
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質問1 外資の業務受託会社設立について (1)
 日本では、企業内の一部業務をアウトソーシング(外部業務委託)することが一般的になっております。中国においても、最近は外資のコールセンターが設立されているとか、外部企業の経理業務などを請け負う業務受託業者もあると聞いております。そこで、以下の点について情報があればお教えください。
(1)中国で外資が業務受託企業を設立することは可能でしょうか?
(2)可能とすれば、どのような条件(合弁でないと認可されない等)をクリアーする ことが必要でしょうか?

回答1
 ご質問の件、実際に現地でコンサルティング会社を経営されている数社の方にヒアリングしました。考え方は大体以下の通りです。
 業務受託企業について、その設立要件等を定めた法律はないようですが、「業務受託企業」としての会社の設立は難しく、まずはコンサルタント会社として設立し、個別の業務受託について営業範囲に含めていくということになりそうです。御社が具体的にどのような業務をお考えかによりますが、個別業務についてはそれぞれ要件が定められているものもありますので注意が必要です。業務委託の内容によって、産業指導目録上の具体規定を参照して判断するほかないと思います。
 ご質問にあるような、経理事務の受託を実際に行っている会社もありますが、これは人材派遣ではなく、あくまで経理事務の受託という形態を取っているそうです。経理担当者の派遣業務ということであれば、これは人材派遣業に当りますので、「人材市場管理規定」(国家工商行政管理総局、2001年9月11日公布、10月1日施行)に定められる要件を満たした上で、認可が必要となります。また、コールセンター等も「価値増加電信」業務に当る可能性があり、その場合は、「外商投資企業電信管理規定(国務院、2001年12月11日公布、2002年1月1日施行)の「価値増加電信」業務の認可が必要となります。上記規定は、データライブラリー内に入っています。法務サービスの提供という観点からは、No598:中国におけるアドミ・サービス会社の設立 以下にやり取りがございますので、そちらも参考にして下さい。


問2 外資の業務受託会社設立について(2)
 ある外資系製造工場にある純水供給設備、排水処理設備、空調機器設備、スチーム供給設備の管理メンテナンスを業務受託する会社の設立を検討しています。但し、上記の設備には投資をせず、すべてこの製造工場の資産とし、受託会社は技術者を派遣し管理メンテナンス業務のみを行う予定です。
 このような特定業務に関して法的に外資企業(特に独資企業)の設立は問題ないか、また可能な場合、合弁、出資比率構成などに規制がないか、ご教示ください。産業投資目録に記載がないので判断に迷っています。

回答2
 メンテナンス業については、おっしゃるとおり、現行の「外商投資産業指導目録」にはありません。関連法令を調べてみましたが、今も有効と思われるのは、外資による自動車修理業の管理に関するものだけです。設備のメンテナンス業は、許可類、つまり奨励でも制限でもない業種で、設立に関しては特に法的な規制はないと思います。
 但し、以下の2点に注意が必要でしょう。
(1)特定工場の設備のメンテナンスを行うということですが、企業を維持・発展できるだけの収益性があるかどうかです。審査・認可機関がF/Sの収益見通しを見て、収益が小さい、あるいは発展性が低いと判断した場合、否定的な反応が出てくる可能性があります。
(2)設立が認可されたとして、排水処理設備、スチーム供給設備など特殊な設備の取扱いについては、関係当局の個別許可が必要かもしれません。
 老婆心ながら、現地で審査・認可機関に相談されることをお勧めします。


問3 外資独資企業の分司機構設立について
 現在、華南地域で外資独資企業の設立を準備しておりますが、同業種の企業を別の地域にも展開することを考えています。今のところ、それぞれ別の法人として設立する方向で検討していますが、先行して設立した企業の分支機構として別の地域に工場を建設することは可能でしょうか。
 手順については、貴機構のデータベース「分支機構の設立手続き」に説明されておりますが、審査認可機関の許可事項でありますので、許可を得るための条件(例えば、一定の操業期間や経営状態など)はあるのでしょうか。
 また、手続きや運営上でのメリット・デメリットの実例があれば教えてください。

回答3
 分工場は分支機構の一つである事から、分支機構の設立を認めている『企業法人登記管理条例施行細則』により法的には設立が認められています。但し、日系企業が、省や市を跨ぐ形で分工場を設立した例は殆どないと思われます。中国に複数の工場を持つ当機構会員メーカー数社にヒアリングしましたが、分工場をお持ちの会社はありませんでした。本工場で保税通関した部品を、分工場へ搬送し一部加工を行うべく設立を検討したものの、管轄税関から「輸入部品の保税管理ができない」との指摘を受けたり、分工場の設立を検討していた地区の政府から、「分工場ではなく独立法人を設立してほしい」という要請があって、設立を断念した会社がありました。
 分工場の設立については、法律では認められているものの、実際には税関管理・許認可面など設立にあたって困難なことが多くあるように思われます。

以上