会員ネット内の法律・税務相談室より、皆様のお役にたつと思われる事項を抜粋して紹介させて頂きます。今回は中国での株式上場に関する質問を取り上げました。
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質問1 国独資企業による設備輸入について(2002年7月26日)
上海に日本の会社が100%出資する外資企業(以後、新会社)を設立し、その新会社が設備(新・中古を含む)を日本から購入(輸入)する予定です。
『中華人民共和国外資企業実施細則』42条では「機械設備などの購入を自身で決定する権利を有する」ということですが・・・
(1)新会社は設備の購入先を自社にて決定できるのでしょうか?
100%外資企業の場合は規制はないと理解していますが、10万ドル以上の設備購入については、入札が適用されると聞いたことがありますので)
(2)設備による現物出資の場合、設備輸入後、商品検査機関が設備の評価をすると理解していますが、I/V価格と検査機関の評価価格が異なった場合、どのような処置をしないといけなくなるのでしょうか?
回答1
(1)の設備の自社購入権については、外資企業法第42条に規定されており問題はございません。
そこで、蛇足になりますが、「10万ドル以上の設備については入札を行わなければならない」という話について補足させていただきます。これはおそらく、「機電製品国際入札募集管理弁法」(外経貿部、1999年3月14日公布、同年5月1日施行)、「機電製品国際入札募集・入札実施弁法」(外経貿部、2000年10月8日公布、同年11月1日施行)という規定からくる誤解だと思われます。上記の規定は、中国の公共プロジェクト等で設備を調達する際に適用される法律ですが、その第9条に「1回の輸入金額が10万米ドルを下回るプロジェクトについては、入札募集をしなくてもよい」という条項があります。すわなち、10万米ドル以上については国際入札を行わなければならないということが定められているわけですが、もちろん本件のような外商投資企業の設備投資とは全く関係のない話です。尚、本件に関連するやり取りとして、法律税務相談室No361「合弁企業の機器調達」以下に回答しているものがございますので、そちらもご参考までにご覧いただければと思います。
(2)の外商投資企業が自社購入する設備の価格評価についてですが、以前は「外商投資財産鑑定管理規則」(国家輸出入商品検験局、財政部、1994年3月18日発布、同年5月1日施行)により商品検験局が強制的に評価を行い、その評価額を基準とするやり方がとられてきましたが、99年秋以降はそれが緩和されています。
「当面の外商投資財産の価値鑑定工作に関する通知」(国家輸出入商品検験検疫局・税関総署1999年9月30日公布、同年10月1日施行)によれば、独資企業に対しては強制的な評価を行わないことが規定されています。この通知が出て以来、実際の価格認定については、基本的に外資系企業の揃えたエビデンスによって価格評価がなされるようになっているようです。輸入設備は取得価格に現地までの輸送に要した運送費や保険料が上乗せできます。価格評価には認可が必要となりますので、それらのエビデンスを持って、出入国検験検疫局宛申請をしてください。
それでも、中古設備などにおいて自社評価と出入国検験検疫局評価が大きく食い違う場合の考え方については、法律税務相談室No43「中古設備」以下のやり取りで説明させていただいておりますので、そちらをご参照下さい。
質問2 傘型企業による出資金の付け替え(名義変更)について(2002年7月30日)
最近、中国に傘型企業を設立し、それ以前に本社からの直接出資で設立されている現地法人の出資金の一部を付け替える(名義書換)方法があると耳にしました。やり方としては、
(1)傘型企業の登録資本金を30百万米ドル以上にする(実際の払込はせず)。
(2)本社と傘型企業の間で現法の出資金譲渡契約を締結する。
(3)譲渡代金の決済は行わず(日本への外貨送金不可のため)、お互いに債権・債務を持ち合う。
というものです。このようなやり方は中国の現行の規定等に照らして可能なのでしょうか。また、傘型企業と親会社の間で出資金譲渡代金の未収・未払いと出資金・資本金のという債権・債務を相殺することは可能なのでしょうか。是非ご教示ください。
回答2
傘型企業の設立、経営範囲等を定めている「暫定施行規定」、「暫定施行規定の関係問題に関する解釈」、「補充規定」、「補充規定(2)」にはご質問にある付け替え(名義変更)が出来るか否か、規定されておりません。
弁護士によれば、外経貿部が外商投資企業の設立を審査認可する際の指導性意見として通知した《「外国投資家投資企業の審査認可業務の指導に係わる意見」の印刷発布に関する対外貿易経済合作部の通知》がある由で、本通知には傘型企業に関しても若干触れられているようです。その中に「投資性会社の投資家が既存の中国における投企業の登録資本を投資性会社に譲渡する場合には、投資家が投資性会社の定款所定の全部の登録資本を支払っている限り、認可を経て、外貨現金による投資方式によらないで投資性会社の登録資本を増加することができる」と定められているようです。本通知によれば、ご質問の付け替え(名義変更)は、定款に定めた登録資本金を実際に払い込み、且つ許可を得れば可能だと思われますが、本通知はあくまでも指導意見であり、現在も有効なのかどうか定かではありません。
なお、日系企業の中には上記の方法で傘型企業の増資を行なった事例も聞いております。
また、仮に当局が現物出資(現地法人の持分)による増資を認めた場合、本社名義を傘型企業の名義に変更する手続きを行なえば手続き上は可能だとの会計士のコメントがありました。
以上
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