投資機構会員ネット・法律税務相談室より(第1回)

 当機構では、今年8月より会員専用のネットを開設し、皆様からの各種法律・税務相談にお答えしておりますが、その中で広く皆様のお役に立つと思われるものを抜粋して紹介させていただくことと致しました。第一回は、設備輸入に関する問題を取り上げます。
 なお、当機構会員の方でまだ会員ネットにご登録されていないかたがいらっしゃいましたら(ご登録は無料です)、ぜひともご登録いただき、どんどんご質問をお寄せ下さいますようお願い致します。

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質問1.中古設備の輸入について

 中国の自社工場が使用する中古の機械設備を輸入する際には、機電産品事務室宛の申請が必要と認識しておりますが、最近通関する場所の市政府によって扱いが異なることが分かりました。例えば、(1)天津市であれば、1985年以前に製造された設備は申請すら不可、(2)山東省煙台市であれば、1980年以前製造の設備については申請すら不可、というように5年間の差が出ています。
 また、ある市の機電産品事務室では、中古の設備であっても輸入規制品目に入っていなければ、いつ製造されたかは問題にならず、申請すら不要とのコメントもあると聞いたことがあります。
 中古設備の輸入については国による統一見解はなく、地方独自に決めているものなのでしょうか。中国での中古設備輸入はどのような規制になっているのか教えてください。

回答1.
 中古設備の中国への輸入については、中央で以下3規定のみが定められており、これに基づき審査、許可が行われています。
・「中古機電製品の輸入管理強化に関する通達」〔1997〕国経貿機第877号
・「中古機電製品輸入管理強化に関する補充規定」〔1998〕外経貿機第555条
・「輸出加工区内の企業が中古機電製品を輸入する場合の手続きについての通知」〔2000〕署法第745号
 上記規定によれば、現在では一部の製品を除き、地方の外経貿部の許可を経て輸入できるようになっています(詳しくは会員ネットのデータライブラリー上に「中古機械設備の輸入手続」としてまとめてありますので、そちらをご参照ください)。

 現在でも中央の外経貿部の許可が必要な機電製品として、中古機電製品輸入管理に関する補充通知で指定したリスト(このリストについても会員ネットデータライブラリーに掲載しています)、および割当制、特定登記、集中登記が必要な中古機電製品があります。
 ご質問の中古製品の製造年代に関する規定ですが、上記中古機電製品輸入管理に関する補充通知で指定したリストの中に「1980年以前(80年を含む)の中古機電製品」という項目があります。従って1980年以前製造の中古設備については設備の種類に関わらず地方ではなく中央の許可が必要となります。
 煙台の地方政府が80年以前の設備の申請を受けつけないのはこの規定通りの解釈をしているものと考えられます。天津については「80年以前」というところを「85年」にかえて運用しているものと思われます。
 一方、会員ネットの会議室の中に「広東省では10年以上経過した設備については実質的には輸入が困難」というご発言もあるように、地方によって独自の運用がなされているようです。よって天津地区での運用に関しては、地方当局に根拠法規を確認されることをお勧めいたします。


質問2.中古設備輸入時の評価方法と税務関係について

 以下の前提で、中国の現地合弁企業が中古設備を購入する際の、購入価格、課税対象基礎額、償却基礎額、及び増値税額について教えて下さい。実際の売買価格である3千万円まで商品検査局の評価を引き下げることは難しいでしょうか。
前提条件:
・ 本設備の取得価格 5億円
・ 償却後残存簿価  1億円
・ 現地合弁企業と日本親会社が合意した売買価格 3千万円
・ 商品検査局の評価額 3億円(既に評価は確定している)
・ 本設備の輸入関税 10%(免税措置は受けられない設備である)

回答2.
 既に商品検査局の評価が確定しているということであると、評価額を3億円から3千万円に下方修正することは極めて困難です。商品検査局としては、課税対象だから不当に安く申告していると判断しがちだからです。したがってこの場合は、94年5月の外商投資財産鑑定管理規則に基づき、課税対象基礎額は商品検査局の評価(3億円)となり、本設備の償却基礎額も同様に3億円となります。増値税額は関税込み価格に対して17%の税率がかかりますので、3億円×110%×17%の5,610万円となります。

 


質問3.委託加工に必要な設備の無償、有償貸与について

 中国の現地合弁企業と親会社の間で進料加工の形態で委託加工貿易をしたいと考えております。その際に現地企業に資金負担を極力かけさせないで生産設備を持ち込むにはどのような方法があるでしょうか。

回答3.
 委託加工に必要な設備については、無償貸与または有償貸与の形で持ち込むことができ、その際の関税、増値税は免除となります。

(1)無償貸与の場合
 無償貸与の際の関税・増値税免税措置については外経貿部「加工貿易輸入設備の関連問題に関する対外貿易経済合作部及び税関総署の通知」([1998]第383号)に規定されております。これによれば、国内企業であれ外資系企業であれ、独立、かつ専門の加工貿易生産工場を有し、外国企業が提供する無償貸与(規定では「価格計算しない」)設備をその工場のみで使用し、かつ製品の70%以上を輸出する場合、「外国投資家投資プロジェクト非免税輸入商品目録」に記載される一部設備を除き免税で輸入できることになっています。
 
(2)有償貸与の場合
 リースの場合、御社の事業が中国政府の奨励プロジェクトか制限乙類プロジェクトに該当していれば、リース側がどこであれ購入の場合と同様に、リース料総額が投資総額に収まる範囲で免税輸入が可能です。ただし賃貸契約を結ぶ際、外貨管理局への外債登記が必要なこと、またリース料支払い時に10%の源泉所得税を納めなければならないことに注意が必要です。

現実には、費用面、手続き面から委託側からの無償貸与で対応している例が多いようです。

第2回