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要旨
小売業・卸売業への外資参入は対外開放後長い間禁止されていたが、92年の「外国投資家の小売商業に対する国務院の規定」により限定的に小売業への参入を認め、また98年の「外国投資家投資商業企業試行弁法」で卸売業についても認めるなど、制限が厳しいながら段階的に開放されつつある。
中国政府はWTO加盟交渉を経て、小売業、卸売業については、加盟後3年以内に外資に対する制限を大幅に緩和することにしている。一方すでに進出している外資商業企業は、地方政府の越権認可によるものが多く、現在中央政府が整理を進めている。
中国政府としては、今後は業態面ではコンビニエンスストアおよび中型スーパーマーケット、地域面では中西部への進出を重点的に推進する模様である。 |
I.小売業・卸業の外資開放の歴史
1.小売業の限定的開放(1992年〜)
1992年7月「外国投資家の小売商業への投資に対する国務院の規定」の制定により、限定的ながら小売業が外資に開放された。
(規定の内容)
進出地域は北京・上海・天津・広州・大連・青島及び5つの経済特区に限定し、各地域1つまたは2つの外資企業を試験的に認める。
手続きとしては、地方政府商業部門に申請し、地方政府商業部門が審査を行ったあと、最終的に国務院が認可する。
投資形態は合資または合作で外資100%は認めない。
経営範囲は百貨店形態での国内仕入・輸入品の小売及び中国製品の輸出に限り、卸売り及び輸出入代理業務は認めない。
年間輸入数量は当該年度の販売額の30%を越えない範囲とする。
この法規適用の第1号として、1992年に上海に日本ヤオハン、香港ヤオハン国際と上海第一百貨商店による合弁の第一八佰伴公司(上海新世紀商厦)が誕生した。これ以降国務院は合計20の小売合弁企業を認可した。尚チェーンストアについては、95年10月に国務院が2社を試験的に北京と上海を営業地域として設立許可した。
ところが92年の国務院規定の認可条件が厳しく、かつ手続きが煩雑であった為、地方政府が独自に外資系小売企業を認可する動きが各地で見られ、こうしたいわゆる越権認可企業は98年までに199社設立された。日系、米系、欧州系の有名な外資系企業の多くも実際は地方認可で営業が行われている。(例えばフランスのカルフールは中国全国展開しているが、すべて地方認可でおこなっており、各地方とも合弁パートナーが異なる。)
設立方式としてこの他にも、国内小売企業が外国企業に管理を委任する「委任管理経営」、外国企業が中資企業店舗から売り場のリースを受ける「リース経営」、外国企業が商標権譲渡により、中資企業の売り場に自社ブランドの商品を提供する「専門店経営」等様々な形態が現われたが、中央政府はこれら規定はすべて違法と見なしている。 地方認可の外資小売企業が乱立する中、1997年5月、国務院は緊急通知を出し、地方政府による外資企業認可を即時停止した。その後、国家計画委員会、外国経済貿易部、国内貿易部、国家工商局は共同で地方政府が認可した小売合弁企業を審査した。その結果を元に1998年9月国務院が「非試行外商投資商業企業の整理に関する通知」(国務院98号文件)を出し、各外資小売企業に対して改善を命じた。
(1998年9月国務院98号文件の内容)
地方政府認可の外資小売企業のうち42企業については引き続き経営を許可。199企業については改革を要求。具体的には1992年の国務院の規定に基づく事とし、以下の観点から審査を行う。
中国側企業の出資比率が50%以上(中西部は40%以上)であること。
チェーンストア、倉庫式店舗の場合は中国側企業が過半数の出資を占めること。
経営期間は30年を超えないこと(中西部は40年)。
卸売を行わないこと。 審査に合格した小売企業についても、輸出入権を認めない、経営範囲・建設規模の拡大を認めない、分店の設置・経営期間の延長を認めない、設備・原材料輸入時の税の減免措置を適用しない、等の条件をつけ、国務院認可の小売企業との差別をはかった。
2.卸売業の限定的開放、小売業の一層の開放
1995年に外国企業投資奨励産業リストが発布され、全額外資出資は認めない条件で小売卸売り、物資供給が制限乙類に分類、卸売業の開放が初めて明文化された。(98年にリストが改定され、国内商業として制限乙類に分類、ただし外資の過半数の出資は認めないこととされた。)
1999年6月、国家経済貿易委員会、対外貿易経済合作部が「外商投資商業企業試行弁法」を発布、限定的ながら外資に対する卸売の開放策が初めて具体的に法文化された。また小売業についても対象が各省都、自治区首府、直轄市、計画単列市および経済特区まで広げられた。(試行弁法の詳しい内容は次項参照)
この法令に基づいて初めて認可された外資卸売企業が、丸紅と上海一百(集団)有限公司の合弁による上海百紅商業貿易有限公司(2001年8月設立)である。
一方地方政府の越権認可による外資商業企業については、2001年8月に再度国務院が「非試行外商投資商業企業の整理に関する通知」(国経貿外経(2001)787号)を出し、1999年の試行弁法に基づき整理する旨通知した。試行弁法で認められた都市の外商小売企業については、先進的な技術を持ち積極的に中国産品を購入している企業に限り、試行弁法で認められた企業と同等に扱う。それ以外の都市の外商小売企業については1998年の98号文件に基づき、輸出入権等は付与しないこととした。また、今後外資商業企業およびその支店を設立する場合は1999年の試行弁法に基づき申請、認可するように徹底した。
II.外国投資家投資商業企業試行弁法
現時点(2001年11月)における外資小売企業、卸売企業設立については、経貿委、外経貿部による「外国投資家投資商業企業試行弁法」(1999年6月25日発布)が適用される。
この弁法によれば、小売企業、卸売企業とも中央認可、かつ原則外資マジョリティーは認めない内容になっている。但し認可企業に対しては輸出入権が与えられ、自営製品の輸入、中国製品の輸出が可能となっている。
◆外国投資家投資商業企業試行弁法の概要
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小売業
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卸売業
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| 登録資本 |
・ 5000万元以上(中西部は3000万元以上)
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・ 8000万元以上(中西部は6000万元以上)。
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| 出資比率 |
・ 3つ以下の分店を開設する商業企業、及びコンビニ・専門店・専売店の場合、中国側出資比率は35%以上。
・ それ以外は中国側出資比率51%以上。
・ 但し国内調達比率が高く、輸出拡大が可能な企業については国務院の認可後、外国側の出資マジョリティーが許可される。
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・ 中国側出資比率は51%以上。(小売を兼業する場合も同じ)
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| 申請資格(外国企業側) |
・ 申請前3年の年平均商品売上高20億米ドル、かつ申請前1年の資産額2億米ドル以上。 |
・ 申請前3年の年平均商品売上高25億米ドル、申請前1年の試算額3億米ドル以上。
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| 申請資格(中国企業側) |
・ 申請前1年の資産額5000万元以上(中西部は3000万元以上)、かつ商業企業の場合、申請前3年の年平均売上高3億元以上(中西部は2億元以上)、対外貿易企業の場合、申請前3年の年平均自営輸出入額5000万米ドル以上(内輸出が3000万ドル以上)。 |
・ 申請前1年の資産額5000万元以上(中西部は3000万元以上)、かつ商業企業の場合、申請前3年の年平均売上高3億元以上(中西部は2億元以上)、対外貿易企業の場合、申請前3年の年平均自営輸出入額5000万米ドル以上(内輸出が3000万ドル以上)。
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| 経営期間 |
・ 30年を超えない(中西部は40年)。 |
・ 30年を超えない(中西部は40年)。
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| 経営範囲 |
・ 商業小売(代理販売、委託販売を含む)経営。
・ 国内製品輸出業務の組織化。
・ 自営商品の輸出入業務。
・ 関係する附帯サービス経営。 |
・ 国内商品および自営輸入商品の国内卸売。
・ 国内製品輸出の組織化。
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| 許可地域 |
・ 省都、自治区首府、直轄市、計画単列市、経済特別区。 |
・ 省都、自治区首府、直轄市、計画単列市、経済特別区。
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| 分店 |
・ 中外双方の直接投資及び直接経営の直営チェーン形式に限る。 |
・ 中外双方の直接投資及び直接経営の直営チェーン形式に限る。
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| その他制限 |
・ 商品輸出入代理業務は禁止。
・ 年度商品輸入総額は当該企業の当該年度商品売上高の30%未満。
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・ 商品輸出入代理業務は禁止。 |
| 許認可手続き |
[1]中国側企業が試行地区の経済貿易委員会にFSおよび関係文書を提出。
[2]地区経済貿易委員会が国内貿易主管部門と共同で所定の手続きに従い国家経済貿易委員会に報告。
[3]国家経済貿易委員会が対外貿易経済合作部の意見を求めた後に審査認可する。
[4]その後試行地区の対外経済貿易部門が所定の手続きに従い対外貿易経済合作部に対し契約及び定款を提出、対外貿易経済合作部が契約、定款を審査許可。
[5]その後、認可を取得した合弁企業は国の工商行政管理部門で登録登記を行う。 |
後半へ
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