要 旨
税関区を跨る転廠については、『加工貿易保税貨物の税関区を跨る深加工結転に関する管理弁法』の施行により、手続が簡便化され、保税手帳の突き合せの必要性もなくなったため、華東地区をはじめ、遠隔地での転廠行為がこれまで以上に活発になると思われる。
転廠取引について、税関は「輸出入取引」と定義する一方、税務局は「国内取引」と定義しているため、原則増値税課税としているが、地域によっては税務局の了承を得て免税としている場合がある。
加工貿易設備の監督管理期間(5年)を過ぎた場合、監督解除手続を経れば、その後の転売・継続使用・積戻し・廃棄の取扱いは企業側で自由に行なうことができる。監督管理期間内の取扱については、転売は一般的に禁止と考えられているが、積戻・継続使用の手続については、関税・増値税を納めた上で可能である。どちらにせよ、監督解除手続後、中国国内に設備を残す場合は輸入許可証の取得、中古機械輸入手続が必要となる。
|
はじめに
近年の対中投資の増加に伴い、世界の対中貿易総額は年々増加傾向にある。そのうち、加工貿易(来料加工、進料加工)形態による貿易額は2003年には4,048億USドルにのぼり、5年前と比較して約2倍以上の伸びを示し、貿易総額に占める割合においても約55%を占めるなど、世界と中国との貿易取引において、大きな影響力を持っているといえる。
これまでは、実際には中国に進出せず、中国の安い労働コストを生かした取引を行なっていた外国企業も多かったようであるが、今や元請先である大手企業の進出増加や中国国内マーケットへの展開志向に伴い、大企業から中小企業まで幅広く中国に進出するようになった。企業は中国進出とともに、これまでの顧客への現地における製品供給、自社製品の国内販売のニーズがある一方、日本への輸出(最終間接輸出も含めた)取引には、加工貿易形態を利用することが多く、そういった影響もあり、加工貿易(来料加工・進料加工に限定はしたが)の貿易額における外資系企業の占める割合は現在約80%と大半を占め、「中国進出=加工貿易の実施」という進出企業における事業展開上、必要不可欠な存在となっているものといえる。
しかしながら、加工貿易の実態としては「保税」という特定の優遇を享受できる一方で、中国国内の保税輸送や手続の面でトラブルが多いなど、税関による厳しい監督管理が存在している。また、その運用においても地域及び担当官により対応に差があるなど、必ずしも統一されておらず、現地進出企業にとっては、大きな悩みとなっていることも少なくないものと思われる。
その中において、これまで実際には華南地区でしか運用されていなかった転廠に関連する規定が今年3月に修正され、また貨物管理の面においても4月に新しく規定が出され、若干ではあるが、法制度上は明確になったものといえる。これはより企業の利便性を高めるためとも思われるが、実際に、各企業の現場ではどのような運用が行なわれているのか、実態を調査するため、天津・上海・東莞・広州の日系企業及び関係機関を訪問した。
今回は、これまで華東などでは実質不可能とされた「転廠」を中心に、加工貿易に関する設備や税務もあわせて、調査内容をまとめたのでご参照いただきたい。
(以下略。全文は「投資機構ニュースNo.109」に掲載)
サイトの内容の無断転載、複製を禁じます。
Copyright(c) 2001-2004, JAPAN-CHINA INVESTMENT PROMOTION
ORGANIZATION, All right reserved.
|