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2004年2月4日(水)から6日(金)までアルカディア市ヶ谷にて、第2回中国ビジネス実務セミナーが開催されました。各講義の終わりに行われた質疑応答の中から第一限「中国の会計制度」についての質疑応答をご紹介します。
講師:監査法人トーマツ 中国室 高橋勝 公認会計士
会計士制度
質問1
会計担当者の資格要件だが、合弁会社に海外から派遣され財務を見ることになった場合、会計士資格証書を中国において取得することが必要になるのか?
回答1
規定と運用が一致しているわけではないので、その必要はない。その程度の能力が必要だという一つの目安である。但し中国人の会計担当者に対しては要求される。過去数年以内に設立した、もしくはこれから設立する会社の場合、税務登記をするときに会計担当者が資格を持っていることを証明、提出することが義務づけられている。要求された場合には相応の方を採用し、それを証明しなければならない。但し日本人が管理者の立場で行く場合、会計担当者の資格までは求められない。記帳をする担当者にその資格、能力があればよい。
質問2
昨年、香港の会計士に業務の拡大がされたと聞いた。香港の会計士も中国の会計士と同様の業務を行えると考えてよいか?
回答2
香港の会計士というのがどういう方を指すかわからないが、香港の会計士でも中国の会計士の資格を取得していれば中国で業務ができる。香港には英国にならったChartered
Accountant、勅許会計士という制度がある。香港は財務諸表と同様に、会計士制度も英国の制度を持ってきている。オーストラリアや香港は英国にならった制度の下に会計士資格があり、その資格で業務を行っている。ちなみに日本の制度は米国の公認会計士制度をそのまま持ってきたものである。講義で話した会計士制度というのは中国のものである。台湾や香港はもともと中国人なので、勉強して中国の会計士を受験する人も多く、合格している人も多い。
質問3
中国の会計監査では外商投資企業は中国の会計士の監査を受けなければならないが、中国の国営企業、あるいは民間企業、あるいは合弁企業ではどうなのか?
回答3
合弁企業の場合、外資が25%出資していれば外商投資企業となるので受けなければならない。国営企業や私企業の場合、工商行政管理局に財務諸表を提出するという義務があるので、その中で規定があるようだ。
我々も国営企業そのものを監査することはあまりなく、外商投資企業が我々の顧客であるので、その守備外のことはよくわからないが、他の案件で聞くところによると、やはり工商行政管理局に財務諸表を提出しなければならない。その際、ローカルの会計士の監査を要求されているという話は聞いている。その信頼性については、レベルの差が大きいことと思うが、一生懸命やらないと会計事務所としての認可が抹消されてしまうこともあって、最近はよいローカルの会計事務所も出てきているようだ。
朱鎔基が中心になり、会計事務所の制度の改革を始めたので、かなりレベルが上がっている会計事務所もある。とはいえ現在、中国の会計事務所は8,000ヶ所あるといわれているうち、レベルが高いのはよくて100ヶ所位であろう。それ以外の7,900ヶ所位は旧態依然としているようだ。ご存知の方もおられるかもしれないが、監査といってもちょこちょこと来て気付いた点だけ指摘するだけで網羅性は確保しない。会計士であれば気付いたところだけ挙げるのなら簡単である。税務調査でもそうだが、いくつかポイントがあり必ずどこか漏れ、問題はある。ある部分だけ集中的に調べれば絶対、問題が出てくる。それが大した問題ではなくても、これを修正しなさいという項目を一枚付けるだけで、元々企業が作った貸借対照表、損益計算書は訂正しない。それを監査報告書として出すので、網羅性が確保されていない以上、基本的に監査になっていない。そういうレベルなので、信頼度はあまり高くないといえる。
科目内容
質問4
損益計算書で主要業務収入原価と営業費用、管理費用の内容は何か? 人件費や減価償却費はどこに入るのか?
回答4
主要業務原価には大きく分けて三つある。材料費、人件費、その他の製造経費である。この場合の人件費は製造に携わる者の人件費が含まれる。主要業務の利潤の下にある営業費用、管理費用は構成項目は同じで、販売に関連した費用を営業費用とする。販売促進費、広告費は代表的なものである。販売を担当する者の人件費、福利厚生費、販売に使った車輌のガソリン代、車輌の減価償却費などが入る。管理費用の中では最も大きいのは日系企業では総経理の人件費である。社長や副社長の人件費や関連する費用など、トータルに会社を管理することにより発生する費用である。どういう費用が含まれるか具体的に提示はしないが、企業会計制度の規定を見てもらえれば、日本と同じような項目が入っていることが理解できると思う。財務費用は受取利息、支払利息、為替差損益等が含まれ、日本では営業利益の前に記載されず、営業外のところに記載されるが、中国では同列に記載される。なぜかといわれても理由はわからない。
質問5
各費用の内訳は税務当局に提出する財務諸表に添付しなくてもよいか?
回答5
基本的に製造費用の内訳は記載されるが、税務局に出す財務諸表には付属明細書として記載する項目があり、定型フォームがある。内訳も記載して添付することになっている。
質問6
税法上の問題でその他の損金不算入の項目に違法経営による罰金が入っているが、例えば交通違反も違法経営に入るのか?
回答6
入る。
質問7
(テキスト)20ページの交際費の損金算入限度超過額の下、損金算入限度額と考えてよいか? そうすると売上がベースになっており、かなり損金算入が認められる部分が金額的には多いように思えるが、日本的な感覚でいう交際費とここでいう交際費に違いがあるのか?
回答7
日本的な感覚でいうと認められる金額がかなり大きいと思う。但し日本が認めていないので比較の問題でそう感じるかもしれないが、交際費の範囲は中国では基本的に明確なものはない。日本の企業ではおおよそ日本の税務規定を準用して規定をつくり、それに準拠して計算しているところが多いと思う。日本の場合、ある一定規模の企業であれば交際費は基本的にゼロである。それに比べれば比較的多いといえるかもしれない。
(以下は「投資機構ニュースNo.101」に掲載)
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