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1.はじめに
中国のISO事情をご説明する前に、よく知られているようであまり知られていないISOという言葉と日本でのISOについてご説明します。
1) ISOとは
◆ 正式名称 : 国際標準化機構"International Organization for Standardization"という国際組織
◆ 本部 : スイス ジュネーブ
◆ 設立 : 1947年
◆ 正規会員 : 世界137カ国以上
◆ 業務 : 世界共通の規格・基準を12,000以上制定(例:フィルム、ISOねじ等)
上記の国際組織が発行する代表的な規格が、最近よく耳にする品質マネジメントシステム規格「ISO 9000」と環境マネジメントシステム規格「ISO
14001」の2つです。ISO 9000とは、提供する商品(サービスを含む)の品質に対して組織が取り組む体制を整備し、継続的に改善するための規格であり、ISO14001とは、環境に対して組織が取り組む体制を整備し、継続的に改善するための規格です。
2) 日本におけるISO
日本ではJAB(財団法人日本適合性認定協会)がISO(9000、14001共)に関する全てを管理監督しています。JABの主な業務は、「認証機関の認定/登録」「審査員研修機関の認定/登録」「審査員登録機関の認定/登録」の3つです。2001年6月20日までにJABに認定/登録された機関数は、次の通りです。
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情報源
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認証機関
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審査員研修機関
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審査員登録機関
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CNACR
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36機関
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18機関
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1機関 |
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CNAB
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30機関
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18機関
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1機関 |
当社は、日本でISOが全く認知されていない1992年からISO認証取得コンサルティングとセミナーを実施しています。セミナーについては、JABからISO9000/14001の審査員研修機関として認定されています。セミナーはJAB認定審査員研修1,335名を含む66,880名の受講者実績、コンサルティングは874社の実績があります。この実績に裏付けられたノウハウを中国にも展開し、中国でもISO認証取得コンサルティングを行っています。
中国でも、ISOが全く注目されていない1994年に上海に子会社である上海愛佩技術諮詢有限公司を合弁で設立し、ISO認証取得コンサルティングを始めました。2000年には、独資(100%子会社)にし、過半数の社員が日本語を話せることをセールスポイントに日系企業を中心にコンサルティングを実施しています。日本においても中国においてもISO分野の草分け的存在であると自負しています。 |
2.中国におけるISOの歴史
日本におけるISO認定機関は前述の通りJABだけですが、中国には「1カ国 1認証機関」という国際ルールに反して3つのISO9000認定機関と1つのISO14001認定機関が存在しています。旧CSBTS(国家品質技術監督局)が設立したCNACR(中国品質システム認証機関認定委員会)がIAF(国際認定評議会)など国際団体のメンバーとなっていますが、CNAB(中国輸出入企業認証機関認定委員会)や中国国防工業認証認可委員会の2つの認定機関も中国政府から認められ、独自に認定業務を実施しています。CNABはIAFに対して登録申請も出しています。
現在まで3つの認定機関に登録されたISO9000認証機関は約64機関です。しかし、同じ認証機関でも異なった社名でCNACRとCNAB双方に登録されているケースもあるため、認証機関や登録企業の全体像を把握するのは困難です。ISO14001認証機関は12機関が登録されています。
【認定機関の比較】
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対象規格
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認定機関名
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監督機関
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ISO9000
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CNACR(中国品質システム認証機関認定委員会)
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旧CSBTS(国家品質技術監督局)
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CNAB(中国輸出入企業認証機関認定委員会)
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旧CIQ(国家輸出入商品検験検疫局)
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中国国防工業認証認可委員会
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国防科学工業委員会
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ISO14001
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中国環境管理システム認証機関認定委員会
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−
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【中国ISOの変遷】
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西暦
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出来事
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1987
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(ISO9000規格発行)
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1992
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ISO9000規格を中国語訳し、GB/T19000-1992発行
中国初の認証機関「上海品質システム審査センター」設立
CNAB設立
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1993
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(日本でJABの前身である財団法人日本品質システム審査登録認定協会設立 )
CNACR設立
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1994
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(ISO9000規格改訂)
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1996
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(ISO14001規格発行)(JAB財団法人日本適合性認定協会に改称)
ISO14001規格を中国語訳し、GB/T24000-1996発行
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2000
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(ISO9000規格改訂) |
【認証取得状況】
中国では3つの認定機関があり、いずれも正式な数字を公表していないため、また多数の外国系認証機関が進出しているため、全体的な状況の把握が困難です。そこで様々な公表データを総合して中国の認証取得状況を推測します。
◆ ISO9000認証取得組織数
| 情報源 |
1993
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1994
|
1995
|
1996
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1997
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1998
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1999
|
2000
|
| CNACR |
14
|
143
|
519
|
1,627
|
4,042
|
8,245
|
14,145
|
25,657
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| CNAB |
−
|
−
|
−
|
−
|
−
|
−
|
−
|
約10,000
|
| 日本(参考データ) |
−
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928
|
1,619
|
2,526
|
4,153
|
6,627
|
10,078
|
14,192
|
◆ ISO14001認証取得組織数
| 情報源 |
1993
|
1994
|
1995
|
1996
|
1997
|
1998
|
1999
|
2000
|
| 環境認定委員会 |
−
|
−
|
−
|
−
|
−
|
−
|
−
|
509
|
| 日本(参考データ) |
−
|
−
|
−
|
106
|
489
|
1,216
|
2,326
|
4,013
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ISO9000は中国全体ではCNACR発表分とCNAB発表分を足すことになるので、2000年末で35,000強、現在では40,000を超え、日本の件数を凌駕しています。またその伸びはますます勢いを増しています。
ISO14001は中国全体でも2000年末で509と少なく、先ずはビジネスに直結するISO9000に優先的に取り組んでいる様子が伺えます。
3.中国ISOの抱える問題点
中国メーカーが「安かろう、悪かろう」から「安いのは当り前、品質で勝負」に進化する際に、ISOは対外的に品質が高いことをアピールする最適の道具でした。中国でISOが加速度的に普及した背景にこのような中国メーカーの事情がありました。しかし、一部では「中国のISOは金で買える」という声も聞かれるように、審査基準が緩い認証機関があったことも加速度的な普及と無関係ではありません。
一部の認証機関に関して審査基準が緩いと言われているのは、全く根拠がないことでもないようです。この背景には、認定機関同士の競争があります。他の国のように認定機関が1つしかないと、登録している認証機関が厳正に審査をしているか厳しくチェックします。しかし、中国のように複数の認定機関間に競争があると、自陣営の件数を増やすために認証機関に対するチェック機能がどうしても甘くなり、モラルの低い認証機関は審査基準を甘くしてまで件数至上主義になりがちです。
前号でご紹介したようにCNABの監督機関であるCIQと、CNACRの監督機関であるCSBTSは今年4月に合併して1つの機関になり、CNABとCNACRも国家認証認可監督管理委員会の管理下に入りましたので、両者が遠からず統合される可能性も出てきました。しかし、統合されるまではこの状況はしばらく続くものと思われますので、中国の子会社や関係会社にISO認証取得させる際には認証機関を慎重に選ぶことが必要です。また、中国の仕入先がISO認証を取得しているからと言って、認証機関も確認せずに、それだけで安心してしまうことも危険です。
用語解説
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JAB
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(Japan
Accreditation Board for Conformity Assessment:(財)日本適合性認定協会)
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CSBTS
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(China
State Bureau of Quality and Technical Supervisions:国家品質技術監督局)
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CNAB
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(China
National Accreditation Board for Import-Export enterprise Certifiers
:中国輸出入企業認証機関認定委員会)
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IAF
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(International
Accreditation Forum:国際認定評議会)
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CNACR
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(China
National Accreditation Committee for Quality System Registration
Bodies
:中国品質システム認証機関認定委員会)
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CIQ
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(State
Administration for Entry-Exit Inspection and Quarantine of the
P.R. China:国家輸出入商品検験検疫局)
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略称未定
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(State Administration for Entry-Exit Inspection
and Quarantine of People's Republic of China:中国国家質量監督検験検疫総局)
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【会社概要】
株式会社エーペックス・インターナショナル
設立 :1980年8月
資本金 :6,225万円
社員数 :218名 (2001年5月1日現在)
URL :http://www.a-pex.co.jp
本社 :〒516-0021 三重県伊勢市朝熊町4383-326
関東 :〒221-0031 神奈川県横浜市神奈川区新浦島町1-1-32ニューステージ横浜低層棟3F
横輪試験所(三重県伊勢市)、山北試験所(神奈川県山北町)、北京、上海
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