中小企業の国際化と中国進出における問題点![]()
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信金中央金庫 アジア業務相談室長 篠崎幸弘 1.企業の国際化と人材育成 企業の国際化には、図表1のとおり(1)国内、(2)貿易、(3)委託加工、(4)合弁企業、(5)独資企業といった発展段階を経ていくものとされ、各発展段階において次の段階に向けて人材育成等が行われることが必要である。しかしながら、最近の中小企業の中国進出を見ていると国内取引しかない企業がいきなり独資で中国に進出するというケースが増えており、こうした企業では進出のための十分な社内体制ができないまま進出することとなっている。
2.信用金庫取引先現地企業が抱える問題点および撤退理由 図表2は私どもが隔年で調査している信用金庫取引先の海外進出状況調査における進出企業の抱える問題点を回答数の多い順に並べた表である。多い順にいうと、現地社員の教育、為替変動、文化・慣習の相違、現地工場の生産性、人件費の上昇、派遣社員の選定、資金調達、制度・政策の変更、販売不振で、ここまでがそれぞれ回答数の合計が100を超えており、総回答が約1000社なので、約10%の抱える問題である。
(注)比率=回答数/回答企業数(当項目につき回答のあった企業数) 進出企業が文化習慣の相違、派遣社員の選定、資金調達などの問題を抱えるのは、当初の計画や調査が非常に甘かったといわざるをえない。中小企業を支援する機関はみなこういう結論に至っているようで、「F/Sをしっかりやりましょう」というのが我々支援機関の間で合言葉になっている。 3.中国進出のキーワード 最近の中国進出のキーワードは何かというと、環境問題、PL対策そして知的財産権である。中国でものを作る場合、中国の環境基準をクリアすることが必要であり、そういう意味では進出プロジェクトにメッキや染料などの工程が含まれる場合、非常に大きなクリアすべき問題を抱えていることとなる。我々は今すぐ進出しない企業には、ISO9000および14000シリーズを取得することを勧めている。また、中小企業の場合、知的財産権のうち特許権は考えにくいが、ケースにより商標権は確保すべきではないかと思っている。 (以下は「投資機構ニュースNo.99」に掲載) |