今後の中国外資政策について

 7月3・4両日、北京で全国外資工作会議が開催されました。この会議は国務院が主催するもので、当面の外資導入方針を定める重要な会議と位置付けられています。今回は江沢民主席、朱鎔基総理、李嵐清副総理など国家指導者をはじめとして、外経貿部、国家計委、国家経貿委、科学技術部、国務院法制弁公室などの外資関係機関が出席しておこなわれました。内容としては9次五カ年計画における外資政策の総括、および10次五ヶ年計画における外資導入の方針、考え方を中心に議論された模様です。また今回の外資工作会議では、特に従来の投資の規模を追求する方針から、技術、人材、管理技術の導入を重点とすることを強調しています。
当機構事務局では7月に北京を訪問、外資政策の関係機関(対外貿易経済合作部外国投資管理司、国家経済貿易委員会投資企画司、国家税務総局国際税務司、国務院経済体制改革弁公室特区開放司)の関係者に今後の外資政策について話を聞くことができたので、その内容を簡単にまとめてみました。



1.今後の外資優遇政策・税収政策

これまで外資を導入する為に経済開発区・保税区等を設け、外資企業に対して税制面での優遇政策を行ってきたが、今後は産業別(例えばハイテク産業)優遇政策に転換し、地域別優遇政策は中西部地区に限定する。
現在外商投資企業に与えている所得税減免措置(低税率、2免3減等の所得税優遇)については外資政策の調整に伴い、今後見直しを行う。改定後の税率、実施時期等については現在内部で検討中である。ただし改正する場合でも移行期間を設け、その間は現在の優遇措置を適用するなど既に進出した企業に不利にならないようにこの点は考慮する。
現在開発区が重点としているのは経済技術開発区、高新技術産業開発区、保税区、輸出加工区、辺境経済合作区、リゾート開発区の6種類である。正式な開発区は国家級が140箇所、省級が600箇所であるが、WTO加盟後もその存在意義は不変であり、今のところ開発区自体をすぐに廃止するという考えはない。但し、今後はその税制を非開発区と統一する方向で検討している。また国家級、省級以外の開発区については違法である為、早い時期に見直し、整理していく。


2.新しい外資政策について

外資三法(合弁法、合作法、外資法)については既に改定を行い、外貨バランス条項、ローカルコンテンツ、輸出義務要求などを撤廃した。
現在投資項目を制限している外商投資企業産業目録の改定作業を行っているところである。改定後のリストはおそらくWTO加盟後すぐに発表されることになると思うが、従来の制限分野を極力減らし、投資制限を大幅に緩和する予定である。例えば一般的な製造・加工業は投資制限をほぼ撤廃し、出資比率についても基本的に制限を設けない方向で改定を進めている。
サービス業(貿易、金融、保険、証券、電信、旅行)についてもWTO加盟交渉での合意内容に基づき一層の開放を進める。また奨励類として、ハイテク産業、ソフトウェア開発、バイオ等をいっそう重視していく。
今後多元的な外資導入を促進する為、国有企業との合併、買収に関する奨励政策をうちだし、株式の持ち分制限・資産の買収に関する制限を取り除くようにしたい。具体的な法令は現在内部で検討を行っている。


3.政策の透明性、公開性、公平性について

中国の各機関は国務院からの命令に従い、現在すべての法令、通達、内部文書、その他資料を見直しており、WTOルールに違反するもの、法律に反するものすべてについて改定作業を行っており、廃止、若しくは改定を行うことになる。
また今後の法令はすべて公式的な発表を行い、内部文書での通達という形では行わないようにする。なお中央の規定に違反する地方の法令等についてはすべて無効であり、今後その見直し、全国統一的に運用される法体系の整備を目指し地方政府を指導する。

(扇 常夫)