|
中日投資促進委員会会長 商務部部長 薄煕来
尊敬する豊田章一郎会長、ご来席の皆様、おはようございます。本日、我々の会合には大勢の友人が遠路はるばるおこし頂きました。特に豊田先生、西村先生、千速先生、今井先生、緒方先生はすべて日本企業の著名人であり、また中国経済界の良い友人でもあります。はるばる日本から北京におこし頂きまして、まず熱烈に歓迎致します。また阿南大使も自ら本日の会合に参加して下さいました。
本日の会合は中国と日本の経済協力が成功を収めている基礎の上に開催された投資促進会議です。中国と日本の投資促進の歴史に目を通したことがあります。1988年に中国の李鵬総理が日本の竹下登首相と会見した際に、これから日本企業の対中投資をいかにして促進するかについてお話がございました。1988年の10月に日本興業銀行の池浦会長が86人もの代表団を率いられ中国を訪問されました。またわざわざ北京、天津、上海、大連などの投資環境を視察されました。当時の朱熔基上海市長も池浦先生とお会いしました。1989年4月に李鵬総理と竹下首相との協議によりそれぞれ投資促進の機構を設立することになりました。1991年の6月に中日双方の投資促進機構が北京で初めての合同会議を開催したわけです。当時の李鵬総理と日本の海部俊樹首相など、両国の指導者達は会議の開催に祝電を打ちました。これを以って両国投資促進機構の協力事業が始まった訳です。
1992年から両国の投資機構は北京と東京で交互に合同会議を開催して参りました。中国側については、当時の呉儀対外貿易経済合作部長は5年間連続で毎年自ら合同会議に参加しました。1998年から石広生対外貿易経済合作部長が4年間連続で合同会議に参加しました。中日の投資促進機構は非常に大きな役割を果たし、また実り多い成果も上げております。歴史を振り返ってみれば、中日双方の両国の経済貿易協力に熱心な方々が今まで多大な努力を払われてきました。それがあって現在の経済、投資、貿易などといった多くの分野での協力事業の喜ばしい成果が上がった訳です。日本の企業の対中投資は既に中国の改革開放の中では積極的、重要な役割を果たしております。未来に向けて以下の面について皆様と意見交換をしたいと思います。中国の外資導入についてお話しします。
第一に外資導入は著しい成果を収め、これからも積極的に導入することは変わらない政策であります。皆様もご承知のとおり改革と開放は中国政府が長く貫いてきた基本国策であります。過去26年間、中国政府は市場経済体制改革を貫き、絶えず対外開放を拡大し、伝統的な経済体制から市場経済体制への移行を全面的に実現し、WTO加盟を果たすまでの長い道のりでは、15年間も交渉し続けました。中国は徐々に世界経済への融合を図り、既に経済発展を促す促進的、積極的な力になりつつあります。中国の改革開放の26年間は、積極的な外資導入の促進発展の26年間でもありました。中国政府はこれからも外国投資の導入を対外開放の重要な内容として参ります。グローバル経済の発展の傾向を真剣に研究し、世界経済構造調整のチャンスを適時に把握し、外資導入と中国経済の発展目標と結び付け、中国経済発展の段階に応じてふさわしい外資導入政策を制定してゆきます。
中国外資導入の水準は絶えず向上しており、外資導入の構造と品質も改善されています。2004年10月までの統計によれば、外国投資企業の数は累計で25万社を超え、実行ベースの金額は5,500億ドルを超えました。外国投資は製造業、サービス業、農業、インフラなど幅広い分野にわたっています。現在、対中投資を行なっている国と地域の数は190を超えています。世界最大の多国籍企業500社の中、450社も対中投資を行なっております。その中30社あまりは地域本部を設立しました。ここ数年間、中国の経済の主力として外国投資企業の国民経済発展促進への寄与度が明らかに高くなっております。2003年、外国投資企業の固定資産投資が中国全社会固定資産に占める割合は11%に達しています。外国投資企業の工業増加値が全国工業増加値に占める割合は28%に達しています。輸出額は全国輸出額の55%を占めています。外国投資企業に従事している従業員は2,350人を超え、全国非農業労働人口の約10%を占めています。
26年間の実践でも立証されているように、外資導入は中国の国内と海外という2つの資源、2つの市場の融合を加速化しております。我々に近代的な管理経験とマーケティングの理念をもたらしました。また大量の資金、実用技術を導入し、中国の研究開発能力を増強しました。多くの人材を育成し、さらに多くの雇用のチャンスも創出しました。また国家の税収と外貨収入も増やしました。また外資導入は中国の開放型経済のバランスと発展を促し、経済構造の調整と産業のグレードアップを加速し、国家経済の実力と競争力を強めました。また思想の開放と理念の改革を促しました。社会主義市場経済の設立と法律の制定に重要な役割を果たしました。
中国の経済規模と外資導入の規模はかなり高い水準まで達しております。これから引き続き外資導入が必要かどうかというご質問もあります。以上申し上げました私の主旨というのは、中国政府の外資導入政策はこれからも変更することはないということです。今まで外資導入は大きな成果を上げてきましたが、今後とも引き続き対外開放を実行し、外資導入を引き続き貫いて参ります。これからもさらに積極的かつ効果的に外資を利用していきます。また関連の法律法規と政策の安定性と連続性を保ち、外国投資企業のために良い投資環境を作ります。平等互恵、共同発展の目標を実現して参ります。
第二に中国はWTO加盟の公約を着実に履行し、積極的に対外開放を拡大し、外資導入のためにより良い条件作りに努めてまいります。WTO加盟以来、中国は全面的に公約を履行し、2,500あまりの法律を修正しました。これは大変煩雑な作業です。現在、WTOのルールに従った対外貿易経済関係の法律体系を作り上げました。透明度も大いに高くなっております。貨物貿易の分野では輸入関税を大幅に削減しました。現在の関税総水準は既に10.4%にまで引き下げられています。また同時に非関税措置も大いに減らし、農産物の輸出補助金をすべて撤廃しました。対外貿易の分野では中国政府は飛躍的な進歩を遂げました。既に世界の基準に達し、あるいは超えている進歩を遂げました。サービス貿易の分野では中国政府は40あまりの関連の法律法規を出しました。金融、保険、貿易、流通、物流、商業、通信、建築、緑化、観光、交通など幅広いサービス貿易の分野にわたっております。来年2005年1月1日以降、中国WTO加盟の過渡期が期限切れになりますが、それ以降新たな貿易段階に入ると思います。中国のサービス貿易における開放はさらに加速化されることも予測できます。外国投資企業は中国においてもっと多くの開放政策を享受することができると思います。もっと透明度の高い、もっと開放された環境の中で、外国投資企業が発展できると信じております。
今年に入って中国は対外開放の分野では一連の新しい措置を講じました。6月1日実施の『外商投資企業商業分野管理弁法』によって流通分野での公約を履行しました。また7月1日実施の『対外貿易法』は、半年前倒しして対外貿易権の開放の公約を履行しました。また9月1日実施の『外国投資の金融機構の管理に関する実施細則』の発表をもって、外国投資企業に対する金融保険分野での経営地域、業務範囲、持ち株比率の制限を緩和しました。今年発表された『自動車金融会社管理弁法及びその実施細則』は、自動車金融のサービス市場を開放しました。またこの他に関連の規定も修正しました。多国籍企業が中国で地域本部を設立し、運営センター、財務会社、アウトソーシング業務を行なうために有利な条件をつくりました。今年発表された『企業集団財務会社管理弁法』という法律によって外国企業による財務会社設立のハードルを大いに引き下げました。今年10月28日には『中国と外国の合作合弁によるラジオ・テレビ番組の制作の経営企業に関する暫定規定』も出しました。これにより初めて外資が中国国内で番組制作ができるようになりました。また自動車販売に関する関連規定と訪問販売の立法に関する作業も着々と進んでおり、年内には発表する予定です。書籍新聞関係の卸売市場の分野は近いうちに条件付きで対外開放することになります。ですから中国の対外開放の環境は日増しに改善され、開放の分野も絶えず、また具体的に拡大しているといえるでしょう。
産業政策の面で中国は、外国投資企業が今後、ハイテク分野と研究センターに投資することを重点的に奨励しております。より多くの多国籍企業が中国で地域本部、サポート基地、買付センター、物流センター、運営センターの設立することを奨励します。また人材、研究開発、生産、サポーティング、運営の現地化を加速化しております。より多くの投資者が中国をアウトソーシングサービスの中心とし、中国の質の高い人的資源や良好な通信インフラを生かし、多国籍企業のグローバルネットワークにおいて優れたサービス製品を提供するよう奨励します。また中国は近いうちに新しく修正された外国投資企業の産業指導目録を発表する予定です。新たな指導目録はより一層外商投資の分野を拡大します。
また地域政策の面では中国各地域の協調発展を重視しております。今後、東部沿岸地域の投資をさらに奨励すると同時に、中西部地域と東北旧工業基地への投資を積極的に奨励します。中西部地域の優位性を十分生かし、また外資導入を拡大するために今年8月1日に中国政府は、『中西部地域における外国投資企業向けの優位性を持つ産業目録』というガイドラインを出しました。また東北旧工業基地の対外開放を拡大するため、中国政府は新しい外資導入政策を引き続き模索する予定です。そして外国投資企業が中国国有企業が外資を利用して積極的に改革と改造を進めるよう、外資による国有企業のM&Aの政策法規を整備します。更に外国投資企業の影響を発揮させ、東北振興に役立てるよう努力していきます。実際、今年の統計からもわかるように、外国投資企業、その中に日本企業も含まれますが、東北地域への投資が大幅に伸びています。
中国は現在、政府機能と作業方法の転換を早めております。法律に従った行政の水準を高め、廉潔、精励、勤勉、実務的、高能率な政府作りに務めております。今年7月1日に中国は『行政許可法』を実施しました。法律の形で最大限に審査許認可の必要事項を減らし、政府機関の行政許認可行為を規範化しております。中国の対外開放は法制化の新しい段階に入りました。中国政府は知的財産権の保護を高く重視し、それを投資環境改善の主な内容としております。現在、中国では既に国際的なルールに合致した知的財産権の保護のシステムが形成されました。全ての国際組織にも参加しております。そのエンフォースメントをさらに強化するため、中国政府は12の国務院傘下の国家機関からなる対策本部をつくりました。呉儀副総理自ら責任者を務め、全国の知的財産権保護を統一的に指導し調和させています。また中国最高人民法院と最高人民検察院は現在、知的財産権刑事案件に適用すべき法律の制定を急いでおります。この法律により知的財産権犯罪の刑事処罰のハードルを適度に引き下げることになるでしょう。つまり知的財産権侵害行為の処罰を強化するということです。また中国の地方政府も近いうちに知的財産権の宣伝週間を催し、いろいろな場で多種多様な形式で人々の意識の向上に努めています。欧米諸国及び日本の経済界は中国の知的財産権の保護について非常に関心を持っています。ここで申し上げたいのは、中国の知的財産権の保護というのは、中国の対外開放、対外協力のニーズのために世界の経済界の中国の発展環境に対する評価や意見も真剣に聞き取るべきだというばかりではなく、中国自身の産業発展のニーズのためにも、中国の知的財産権の保護を強化しなければならないということです。知的財産権の保護が有効に行なわれれば、中国の経済構造、産業のグレードアップも有効に行なわれ、適切に高められることでしょう。ですから中国政府は真摯に知的財産権保護に関する作業を展開し、いろいろな知的財産権の侵害行為を取り締まっております。現在、中国政府は数年間に50万人からなる知的財産権保護の執行部隊を組織し、知的財産権保護の作業を積極的に行なっています。もちろん、中国のように人口の多い国では効果的で有力なシステムを形成するのは短期間には実現できないと思いますが、世界の先進的な経験を学びたいと思います。ご在席の日本の友人の皆さん、知的財産権保護について良い経験があれば是非教えて頂きたいと思います。
第三に中国は外国投資者のためにもっと多くの発展空間を提供していきます。改革開放の26年間、中国の人民の生活水準は著しく高まりました。昨年、中国の一人当たりのGDPは1,000米ドルを超えました。これは中国では歴史的な進歩となるでしょう。もちろん国際的な先進国と比べれば、まだまだ遅れています。昨年、米国は36,000米ドル、日本は35,000米ドルと大体35,000米ドルの水準になっています。中国は歩むべき経済発展の道がまだまだ長いといわなければなりません。しかし1,000米ドルというのは中国史上、飛躍的な進歩となるでしょう。世界の人口の5分の1を占める中国の一人当たりのGDPの伸びは世界的に大きな購買力となるでしょう。中国市場引き続き拡大する見通しで、市場の規模は世界の上位に上がることを予測できます。中国市場の迅速な伸びは世界経済の発展に新たな活力となっています。
WTO加盟後、中国の輸入は3年連続で速やかに伸び、外資導入の規模も拡大し続けています。中国の輸入総額は4,128億米ドルとなり、世界3番目の輸入市場となりました。外資導入金額は535億米ドルとなっており、世界の上位に入っています。今年1月から10月までの輸入総額は4,570億米ドルとなり、37%伸びております。外国投資企業の企業数は35,000社を超え、7.7%伸びております。実行ベースの金額は537億米ドルとなり、23.5%の増加です。今年の輸入総額は5,000億米ドルを超え、外資導入は620億米ドルを超えると見込んでおります。中国のWTO加盟以降の3年を振り返ってみれば、大体の統計からもわかるように輸出入総額は毎年平均して約2,000億米ドル増加しており、輸入は約1,000億米ドル増加しています。このスピードで行きますと、数年もしないうちに中国の年間輸出入総額は1兆米ドルを超えると見ております。これまで3年間の発展のトレンドから予測してみますと、簡単にまとめて今まで述べてきたデータとなります。
中国の市場は絶えず拡大しております。中国国内の市場も速やかに成長しております。今まで中国は確かに非常に貧しかったのです。しかし中国の改革開放を経て一部の地域、特に東南部の沿岸地域は大きく伸びております。経済関係の研究機関の予測によりますと、ここ数年で中国の沿岸地域を主とする比較的経済の発達している地域におきましては、8,000万世帯ないし1億世帯が徐々に世界的に中等レベルの収入が得るようになるでしょう。つまり個人住宅とマイカーを購入する力を持つようになります。中国はまた通信製品、住宅や自動車の面では大きな市場的潜在力を有しております。中国は現在今後20年間の全面的に小康社会を建設するという目標を掲げております。2020年になって中国のGDPは4兆米ドルに達する見込みで、国内消費財小売総額はその際には2兆5,000億米ドルに達する見込みです。中国は世界で2番目の市場になるでしょう。13億の人口を持ち、経済が速やかかつ安定的に発展している中国は大きなビジネスチャンスを秘めています。日本を含む外国投資企業、多くのパートナーのために大きな市場を提供することができるでしょう。
中国の発展潜在力は3つの面で顕在化しております。第一には、市場。第二には、資質の高い人的資源です。改革開放の初期におきましては、中国は廉価な労働力と国内市場を以って海外の投資を導入しておりますが、今後、中国の資質の高い人材は、中国の対外経済協力の中では大きな役割を果たすことを期待しております。今年、中国の大学を卒業する大学生は200万人を超えております。2〜3年後には毎年300万人の大学卒業者が社会に出ます。第三には、中国は政治が安定しています。また周辺環境も友好的で、投資者に安心できる環境を提供できます。中国は26年間も安定的に伸びており、この期間中、国家政策も安定しており、周辺の環境もよくなる一方です。こういう条件により外国の投資企業の中国における発展と利益も確保できると思います。
第四に中日両国の投資協力の基礎は優れ、潜在力は極めて巨大なものだということです。2004年10月までの累計によれば日本企業の対中投資件数は31,000件あまりで、実行ベースの金額は461億米ドルです。また2004年10月までの統計によれば世界のランキングにおいては世界対中投資の第3位にあります。日本の大手企業、特にトヨタ自動車、新日鐵、松下、日立、ソニー、東芝、キヤノンなどといった大手企業は全て優れた企業を設立しております。ここ数年間、日本の中小企業も相次いで中国に投資しております。日本のある機関の統計によれば、大部分の日本の対中投資の利益を上げています。
今後、中日両国の投資協力の展開はより相互補完性を強めると思います。現在、両国の経済間には既に持ちつ持たれつの関係があります。日本の企業家や経済学者の中には、数年後、中国は米国を抜いて日本にとって最大の貿易パートナーになると予測している者もいます。日本は世界的には2番目に大きい経済大国であり、進んだ製造技術、ハイテク基礎研究開発と企業管理の面で非常に強い優位性を持っています。中国は巨大な発展途上国でありますし、自然資源と人的資源に恵まれ、大きな市場潜在力と発展ニーズを持っています。また中国と日本は近隣であり、協力するための良い条件に恵まれております。中国のWTO加盟以降、我々の協力も加速しています。こうした情況の下、我々の協力にはより多くのビジネスチャンスが含まれています。特に日本経済も着実に回復しており、今後日本企業はアジアでも世界でも大いなる事業展開ができると思います。中日両国についていえば、経済界の協力は緊迫感を持って努力しなければならないと思います。今までの協力については非常に満足できる成果が上がったと思いますが、現在、中国とヨーロッパと米国の貿易協力も飛躍的な発展を遂げております。今年は中米間、中欧間の貿易は日本との貿易を超え、かなりのレベルに達すると思います。中国と米国の貿易は今年は1600億米ドルを超えるでしょう。さらに中国と韓国の貿易も800億米ドルを超えると予測しております。このような情勢の下で、その流れに沿って努力していかなければ、これからもうまく展開できないということがいえると思います。中日の経済界は引き続きタッグを組み、協力を深めなければなりません。投資、貿易、サービスといった多岐の分野で協力を深めなければならないと思います。日本の経済はやや困難なところがありますが、潜在力も極めて大きいと思います。また中国の企業は日本の企業をよく存じ上げており、中国の企業は日本の投資を大変歓迎しています。以前、日本の友人にいったことがありますが、日本の経済は困難に直面していますが、しかしこれは富める者の憂いであります。中国の経済については勝報がしきりに聞かれますが、これは発展途上国の喜びであります。中日両国間の格差はまだまだ大きいものがあります。しかし格差が大きいからこそ、私達の協力は相互補完性が強いわけです。ですから中国と日本の経済合作の未来においては、10年、20年という歴史の中で、中日両国の企業が有効に共感を実現できると思います。
(以下略。全文は「投資機構ニュースNo.111」に掲載)
(2004/12/2、会場:北京飯店)
サイトの内容の無断転載、複製を禁じます。
Copyright(c) 2001-2005, JAPAN-CHINA INVESTMENT PROMOTION
ORGANIZATION, All right reserved.
|