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「鬼が来た!」
原題: 鬼子来了
監督:姜文
出演:姜文 香川照之
カンヌ国際映画祭グランプリ
カンヌでグランプリをとった注目の作品がやっと公開の運びとなりました。ひところこの公開をめぐって姜文と当局との対立が話題になっていましたが、結局、20分ほどをカットすることで上映の運びとなったようです。
タイトルから容易に鬼とは日本軍のこととわかるし、日中戦争の暗いエピソードを綴った作品かと思いきや、ラスト近くまではなかなかブラックユーモアが効いていて、展開が面
白い作品。ワンカットがとても短く、日本語・中国語のやりとりがテンポよく進んでいくので、ついていくのがやっとという部分もあります。
最高だったのはやはり、捕虜になっている日本兵・花屋がありったけの罵声を浴びせようと通 訳のから習ったセリフ。実に憎々しい表情で「過年好!」と叫ぶ画面です。香川照之はこのセリフを100カットも撮影されられたそうで、複雑なその演技は強烈に印象に残ります。なんとかその場をとりつくろう通
訳の機転も笑わせます。
モノクロの映像なので姜文が初監督作品である「太陽の少年」のようなあの、あふれんばかりの鮮やかさとは対照的だと思いながら見ていたのですが、実は最後の一瞬だけカラーになります。ここで状況を述べることは控えますが、そのシーンは「鮮烈」という表現がぴったりで、ずっと記憶に残るであろう映像になっています。姜文の感性を改めて思い知らされ、ちょっと身震いするぐらいでした。ただ、香川照之もインタビューで言っていましたが、酒宴が突然惨劇へとかわるきっかけとなった、花屋の行動はやっぱり少しわかりにくい。平和な日本からみると「戦争の狂気」といってもピンとこないのです。
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脇を固める俳優陣にもなかなか興味深いものがあります。とくにウー長老役の陳述は「枯れ具合」が実にいい。また、澤田謙也演じる酒塚隊長はあまりにもはまっていて、「怪演」という表現がぴったり。こんな人が「日本鬼子」と言われた所以なんだろうな、と見ていて日本人としては悲しくなるやら、やはり複雑な思いがしました。また日本人俳優は軍事訓練から受けたというから、そのリアリティに説得力があります。
余談ですが、最後のテロップに、国民党軍の通信兵?として「姜武」という名前があり、あの姜武がちょい役で兄の作品にでているのかと驚きました。パンフで確認したところ、やっぱりゲスト出演していたそうです。
姜文が「第5世代」「第6世代」という分類にあてはまらない監督であると同時に、この作品は今までの中国映画の系譜とは明らかにちがった存在だと思います。こうなってくると、いったいカットされた部分はどんなシーンだったのか知りたくなるというもの。カンヌで上映され、絶賛されたオリジナル・バージョンがいつの日か公開されることを期待します。
(「中国電影館」Yan)
この作品の詳しい情報はこちらの公式サイトをご覧ください。 
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