Vol.31 出張の達人
中国各都市タクシー事情

 おそらく出張でもっともお世話になる交通手段がタクシーです。以前に比べたらマナーもよくなったと言われますが、各都市によって少し事情は異なるようです。出張者にレポートしてもらいました。

北京

 オリンピック開催も決まり、タクシーに関しても次々と改革が進んでいます。
 たとえば昨年12月から北京のタクシー組合では認定した優良タクシーの屋根の上に「星マーク」を付けるようになりました。まだまだ数は少ないようですが、ひとつの目安になるでしょう。
 さらに緑と白のツートンカラーが目印の漁陽連合出租汽車公司は運転手のサービスに不満があれば乗車代の支払いを拒否してよい、と発表して話題になりました。それによると、乗車を拒否したり、途中で降ろした場合、 理由なく遠回りしたり、メーターより高い乗車代を要求した場合、車内が汚れ異臭を放っている場合、またはエアコンがついてい ない場合、服装が乱れている場合、運転手のひげが伸びている場合、車内でたばこを吸った場合、または乗客同士の話に勝手に口 をはさんだ場合、降車時に荷物を置き忘れを指摘しなかった場合・・・という6つのうち、ひとつでも該当する場合に乗客 は支払いを拒否することができるそうです。これらにあげられているのはどれも「ありがち」なタクシーのトラブル。これをしない、といっている訳ですから安心して利用できます。

 

上海

 国際都市の名に恥じず、中国の都市の中でも快適に利用できると思います。中でも「大衆」(緑とシルバーのツートンカラー)や「強生」「農工商」「巴士」「錦江」といった大手のタクシー会社は車内の清掃も行き届いていますし、マナーも完璧。たぶん従業員教育が徹底しているのでしょう。まず行き先を告げると「○△ですね」と反復して確認しますし、下車時にはレシートを出してくれます。高架を行くか下の道かといった行き方を尋ねられることも。もちろん出張者にとってはよくわからないので「お任せ」になると思いますが、わざと遠回りされる心配もないというわけです。ただし都心では駐停車禁止のエリアも多く、車を拾ったり降りるのに苦労することもありますので、その点には注意が必要でしょう。
 また上海では一般的に23時ごろを過ぎるとタクシー料金の値引き交渉ができるようです。とはいえ、ある程度距離がある場合の話。交渉次第では割高な深夜料金に比べて20%ぐらいは安くなるそうです。

 

広州

 夜9時ごろ南国特有のしめった雨が降る中空港に着きました。国内線到着ゲート前にあるタクシー乗り場に並び、タクシーに乗ろうとしたのですが、行き先(中国大酒店)を告げても、どの運転手もドアを開けてくれません。首を横に振るだけで他のタクシーを当たれ、というジェスチャー。たくさんタクシーが停まっているにもかかわらず、ことごとく乗車拒否するのです。しかも中国人は次々にタクシーに乗り込んでいくのを見て、だんだん腹が立ってきました。そのうち運転手が何人か車から降り集まってきて、雨の中、値段交渉が始まりました。「80元なら行くよ」から始まり、次第に値段は下がっていくのですが、元々メーターなら20元ほどで行けるところ。正規の乗り場でこれでは納得できないので、絶対だめだと拒否しました。日本人だと見るや、この態度が不愉快でしたし、多くの日本人がこれであきらめて乗ってしまっているから、さらにつけあがるに違いないと思ったのです。
 幸い公安の人が何事だ、と見に来たのでおとなしく運転手は乗せてくれましたが、今度はトランクにスーツケースを入れてくれません。自分でやれ、というのです。再び公安に訴えてしぶしぶ入れてくれました。ところが乗ってからも一悶着。メーターを倒さないので抗議すると、とぼけたふりをします。さすがにキレて「監督電話に電話するぞ」と言ってやりました。それでも無視するので、本当に携帯電話を取り出して、後ろ座席に掲示してある「監督電話」の電話番号を運転手に聞こえるように読み上げはじめたら、あわててメーターを倒しました。もちろん実際に掛けるつもりはなかったのですが、このやり方は効果があったようです。
 また、後日街中でタクシーを拾いホテルまで戻ろうとすると、ホテルを知らないといいます。「中国大酒店を知らない?」驚いて聞き返すと「5日前に広州に出てきたばかりでまだよくわからない。道を教えてくれれば行くから」、ということでした。それでは困るのですぐタクシーを降りましたが世相というか、いやはや、という感じでした。日本でもたまにこんな経験ありますけどね。

 

昆明

 花博が行われためか、タクシーもマナーはいいです。タクシーのフロントガラスなど目立つところに花や動物のイラストと数字が入った大きなシールが貼られていたりします。その意味を運転手さんに聞くと、中国語ができない外国人がタクシーを利用したあとでトラブルや忘れ物に気がついたときなど、車を特定するための目印だということでした。中国語ができなくても「ゾウの7番」と覚えていたら車を特定することが出来るというのです。だからこのシールが貼ってあれば外国人でも安心して利用できますよ、と言われました。すべてのタクシーに貼られているわけではありませんが、いざというときのために乗っているタクシーのキャラクターと数字を覚えておいてください。(写真提供:呉暁光さん)

 

 

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