Vol.3 中国娯楽指南・焦点影片いちおし映画/JIAO DIAN YING PIAN

 

この夏必見!心が洗われる、「こころの湯」

(原題:洗澡 SHOWER)

監督:張楊
出演:朱旭 濮存マ 姜武

 都会に生きる男女の様々な愛情模様を描いた「スパイシー・ラブ・スープ」でデビューした張監督の新作。しかも主演しているのは今や日本でもっとも有名な中国人俳優になった朱旭、物静かな男を演じさせたら絶品(?)の濮存マ、そしてそして、あの姜文の弟、その名も姜武(単純な名前・・・顔が兄とそっくり)という組み合わせ。これだけでも中国映画ファンにはたまらない取り合わせです。
 オープニングに描かれる未来の銭湯像(コイン式全自動シャワー)がなかなかシニカルで面白く、一転して映し出される「清水池」の様子が際だちます。
 物語はこの北京の胡同に残る銭湯に、深センで働くビジネスマンの長男、ターミン(濮存マ)が帰るところから始まります。時の流れがとまったかのような、ほのぼのとしたいろいろなエピソードが語られていくのですが、急速な開発の流れは、やはりこの「清水池」にも確実に迫っているのでした・・・
 朱旭がさすがにうまいのは、いってみれば予想通 りなのですが、アミンを演じる姜武がなんといっても印象的。「サンタルチア」を歌う男との交流、父との毎晩のジョギング、大切な「清水池」での生活。それらで見せる、天真無垢な笑顔になぜかこちらも笑いかけたくなってしまうのです。「失いたくないもの」への愛着ぶり、そしてそれを失ってしまったときの悲しみがストレートに伝わってきます。これは姜兄弟に共通 する、DNAのなせるわざなのでしょうか。
 またこの映画でたまらない魅力だったのが、「清水池」でコオロギ遊び?に興じるおじいさんたち。本当に味のある愛すべき人々のやりとりは楽しく、いいアクセントになっています。
 それと「お風呂」に関する挿話として語られた、母の婚礼のときの話とチベットで「聖なる湖」を探し続ける老婆と孫娘の話にはまいりました。湖を見つけたときの老婆の「五体投地」と女の子の表情、語りがじーんときます。その「さらり」ぐあいがちょうどいいのです。
 あらためて中国の「今」を都会的なタッチで表現できる、張楊監督の才能を感じる秀作です。   (「中国電影館」Yan)

この映画の情報はこちらの公式サイトをご覧ください。 ポニーキャニオンホームページへ

 

 

 

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