2001.10.26up

中国投資セミナーが開催されました

  10月19日、胡景岩対外貿易経済合作部外国投資管理司司長、周懐世国家税務総局国際税務司主任科員らをお迎えし、投資セミナー及び懇談会を開催致しました。以下投資セミナーでの講演内容、懇談会での質疑応答の内容についてご報告致します。


1. 投資セミナー講演
  (1)「新しい情勢における中国の外資導入」        
    胡景岩 対外貿易経済合作部外国投資管理司司長
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  (2)「中国の外商投資奨励租税政策の動向と展望」       
    周懐世 国家税務総局国際税務司主任科員
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2. 投資セミナー質疑応答

質問1.
 傘型企業への一部輸入件付与についての質問。傘下企業の製品を販売する際に親会社製品の輸入が許される「系列関連商品」というのはどういうものか具体的に教えてほしい。

回答1(胡景岩司長).
 「系列関連(中国語で系統集成)商品」という言葉は新しい用語で、システム・インテグレーションのための関連商品の意。傘型企業が投資した傘下企業の製品を販売する際に、消費者が一体として欲しいと思う製品、具体的にいうと、テレビでいえば、その周辺機器であるアンテナやチューナー、コンピューターでいえばその付属製品が必要となる。こうした製品が「系列関連商品」に該当する。こうした製品であれば、傘型企業は輸入が認められる。ただし、あくまで傘下企業の生産する製品が主たる製品でなければならない。現在の輸入権の開放はこの範囲までであるが、中国のWTO加盟後こうした権利は拡大していくことになる。

質問2.
 「外商投資産業指導目録」が改正作業中と聞くが、制定時期はいつになるか。また、奨励項目が拡大し、制限、禁止項目が減少すると理解しているが、製造業において新たに奨励に加えられる項目を2〜3業種例示していただきたい。

回答2(胡景岩司長).
 産業指導目録の改定案は既に国務院の審査に入っているが、いつという具体的な時期については、私も分からない。しかし、間もなくということは言える。具体的な個別項目については言えないが、制限、禁止項目がより緩和された形で改正がなされる予定。

質問3.
 現在奨励類、制限乙類のプロジェクトについて与えられている設備輸入に対する免税について、これまで通り行なわれるのかどうか教えてほしい。

回答3(胡景岩司長).
 この点の政策変更は予定されていない。

質問4.
 税制内国民待遇の実施内容について教えてほしい。

回答4(周懐世主任科員)
 租税政策についていえば、技術改造に係る所得税の優遇措置は当初は内資のみの適用となっていたが、その後外資にも適用されるようになった。今後は新しい政策を発表する際には、内資・外資の区別なく適用されることになる。


3. 懇談会質疑応答

建設会社 A社
 日本の建設会社が中国で建設工事を請負う場合、ライセンスが必要か。またそのライセンスは全国共通か地方どまりか。また現在は一定要件を満たすプロジェクトの工事請負しか認められないと聞いているがWTO加盟後はどうなるのか。

胡景岩司長
 建設業(工事請負含む)はサービス業に含まれ開放される分野。従来はプロジェクト毎の入札により請負業者を選定していた。建設部がプロジェクトの入札に関する規定を定めており今後の改定していくと思うが、直接投資案件ではないためここではお答えできない。合弁会社設立は可能で、建設業の資格を取得すれば、中国国内で工事を請負うことができる。ライセンスの認可権限は建設部、外経貿部で全国共通。従来の様々な規定について調整している段階。

商社 B社
 保税区の貿易会社に関し、WTO加盟後も貿易権が一挙に開放されず段階的に開放されるならば、引き続きこの活用を考えていかざるを得ないが、今後の方向を聞きたい。

胡景岩司長
 WTO加盟後、貿易権の開放は段階的に進めていく。保税区の貿易会社と浦東新区や深セン特区の合弁貿易会社との機能には大きな違いがある。保税区内の企業が保税区外の中国企業と取引する場合、その取引先は輸出入権をもった企業とのみに限定されるが、保税区外(一般の中国の地域)に設立された貿易会社は、どのような企業とも取引できる。
 保税区内で会社を発展させていくのも、今後の開放に伴い保税区外に拡大していくのも、中国への投資に変わりはなくどちらも歓迎する。

製造業 C社
WTO加盟後、貿易権の開放に伴い、海外で生産された製品を輸入して国内で販売できるようになると理解しているが間違いないか。

胡景岩司長
 外商投資企業は、現在のところ極少数の企業のみ輸入業務(親会社の製品を輸入)が認められているが、貿易権開放後は直接的な輸入販売も可能になる。但し徐々に進めていく。現時点でも傘型企業に対する関連部品の輸入、研究開発センターに対する試験設備等の輸入は認めており、こうした合理的な要求については積極的に応えていく方針。

製造業 C社
 WTO加盟後の内国民待遇の原則により、外資企業と中国企業の企業所得税が一本化されると聞いている。これについての考えを聞きたい。

周懐世主任科員
 企業所得税の統一については、いろいろな意見がある。ただ、政策は永久に不変ではなく、いつかは調整する必要がある。その具体的時期は今後の中国の経済情勢を見ながら決まっていくと思う。但し、これまで与えていた優遇を変更することは慎重に考えており、外資優遇政策はある程度保持していくことになろう。

司会者(日中投資促進機構事務局)
 輸出型企業に対する優遇(生産高7割以上輸出する企業に対しては2免3減後も半減を延長、外国投資家が既存の投資先から得た利益を輸出型企業に再投資すると、既に納めた企業所得税が全額還付等)はWTOの輸出補助金禁止規定に抵触するため改正の必要があるとの議論を聞いているが、この点どうか。

周懐世主任科員
 確かに議論、検討されている。個人的意見では、この優遇は外商投資企業にのみ与えられ政策の規模としては大きいものではないし、またこの政策は外国からの投資を奨励するためのもので輸出入を行うすべての会社に対してのものではないことからWTOの内国民待遇と齟齬をきたさないと思う。外国投資企業にのみ与えているこのような輸出優遇策は、WTOルールが許す範囲で今後も継続したいと考えている。

商社 D社
 現状台湾企業に対しては、日本や米国のような外国企業と比較し、優遇している面と同時に制限している面があると理解している。WTOに加盟すると、独立関税地域として台湾も他の外国と同じ扱いになるのか。また中台間でトラブルが起きた場合、WTOルールに従ってジュネーブで解決を図ることになるのか。

胡景岩司長
 WTO加盟メンバーはWTOの規定を遵守しなければならない。またWTOの最も重要なルールは最恵国待遇であり、WTOのメンバーが他のメンバーに対して、特別な優遇を与えることはありえない。加盟メンバー間で紛争が起こった場合には、当然WTOのルールに則って処理される。

サービス業 E社
 半導体装置のメンテナンス・アフターサービス、一部部品供給のための会社を独資で設立すること可能か。その部品輸入のために人民元を日本円に交換することができるか。IT産業向けの部品で産業指導目録の奨励類、制限類に記載のないものがあるが、どういう扱いとなるのか。

胡景岩司長
 産業指導目録の中には、奨励類、制限類甲、制限類乙、禁止類があるが、これに含まれないのはすべて許可類である。精密機器装置のメンテナンス・アフターサービスは奨励類に含まれる。半導体の部品を製造、販売し、かつアフターサービスを行う会社を独資で設立するのは問題ない。その会社が原材料・半製品の輸入にあたり人民元を外貨に交換する場合、許可不要。但し部品を輸入、販売し、アフターサービスをするだけの会社となると貿易会社に当たり制限の対象となる。
 もしメンテナンスサービスを主体とする会社で、それが部品の輸入を行うということであれば、中国のサービス業開放の範疇に含まれる。既に各業界でメンテナンス業、サービス業についての関連規定があり、これらとの整合性を維持するうえでも研究が必要。ただこの分野はこれから徐々に開放されていくことは確かで、今後メンテナンス企業の設立が許可されれば、部品の輸入も可能だし、そのため人民元を外貨に交換することも可能となる。

商社 F社
 研究開発センターを設立する場合、研究開発に用いる投資は2百万米ドルを下回ってはならないという規定があるが、その金額に至らない場合どういう扱いとなるのか。

胡景岩司長
 従来の産業指導目録の中には研究開発センターという項目はなく定義も曖昧であったため、暫定規定の中で研究開発センターの大枠を定義し、投資額2百万米ドル以上の基準を設けた。研究開発センター設立には多額の投資が必要であり、この程度の規模がないとそれなりの研究開発はできないとの一般的な理解に基づく。研究開発センターの設立はこの基準に沿って進めていただきたい。2百万米ドルは、一度でなく数度にわたりある程度の期間(記憶では2〜3年)をかけて投資しても構わない。

製造業 G社
 研究開発センターを製造企業と併設する場合も、2百万米ドルは適用されるのか。機能性プラスチックの製造は、ハイテク業種、先進業種の対象になるのか。機能性プラスチックの生産会社設立した場合、製品は内販できるのか。これを独資の場合、販売会社を設立できるのか。新たに生産企業を設立し設備輸入した場合、関税・増値税は、製品の輸出、内販の違いによって、扱いが変わるのか。

胡景岩司長
 プラスチックの種類は多く複雑であるが、例えばエンジニアリングプラステック(ABS、PTA等)は奨励類に入り、優遇を受ける。つまり独資での設立が認められ、設備を輸入する際には関税・増値税が免税となる。この場合生産する会社自身が販売しなくてはならず、別法人を設立し専門に販売を行うことは、国内貿易会社に該当し問題がある。
既存の製造企業に研究開発センターを併設する場合は非常に緩い政策が適用される。こういう研究開発センターは工場投資の一部分と考えられ、制限は緩い。
製品の輸出、内販の違いによる関税・増値税の扱いについては、もともとが奨励類のプロジェクトであれば、その投資総額に含まれる輸入設備は免税措置を受けられる。その製品が輸出されようが国内販売されようが関係ない。

製造業 H社
 当社は中国でカメラを製造しているが、外資三法の改正でローカルコンテンツに関する条項が撤廃されたにも関わらず、依然として部品の国産化率40%を要求されている。この点どう考えたらよいのか。また輸出要求撤廃に対応し、国内販売を増やす場合の具体的手続きについてお聞きしたい。

胡景岩司長
 ローカルコンテンツについては、外資三法の改正に対応してこれ以外の外資企業に関わる規定を今後すべて修正していく。地方政府に浸透するのには時間がかかるが、しかし必ず地方政府は無条件に国の法律に従わなければならない。但し、カメラは非常に特殊な商品で、ローカルコンテンツ、輸出比率の決定については、カメラ業界独自の規定がある。その規定を今後どのように調整していくかは目下検討中である。輸出比率の変更については、中国に今後新たに設立する企業には問題が起きないが、既に設立されている企業については問題が多く発生している。投資者は法律に則って投資を実施する権利があるが、合弁契約書を変更する等それなりの手続きが必要で、その手続きは規定通りに行う必要がある。

以  上