第15回投資経験交流会・基調発言

−「最近の外資誘致の現状と最新の外資政策について」−

中華人民共和国商務部 外国投資管理司 胡景岩司長

   皆様、第15回日系企業投資経験交流会が日程どおりに開催されましたことは、日中投資促進機構事務局、天津市人民政府、天津経済開発区管理委員会、それにわたしの同僚が多くの準備作業を行ってきたことによるものです。当初、嶋原局長と会議場所の選定を行った際、最初の候補地として挙がったのが天津です。また、開発区管理委員会の李勇主任も天津での開催を望まれておりました。なぜ天津を選んだかという理由は、先ほど王述祖副主任や嶋原局長も挨拶の中でも触れられましたが、天津へ進出している日系企業は、進出を始めた時期にしても、件数、投資の効果にしても、中国において非常に代表的な結果を示しているからです。本日の会議では、こうした企業間で優れた投資の経験ややり方を交流することができますし、一方では中央政府、地方政府の関係者と皆様が日常的に直面されている問題について、交流、検討することもできます。



 まず、現在の外資導入全体の状況についてご紹介いたします。
 今年に入り、中国の外資導入は引き続き良好な伸びを見せております。今年の1月から9月の外資導入金額は487億米ドルで、このペースで成長を続けますと、今年はまだ3カ月ありますので、年間で昨年の金額をはるかに上回るだけでなく、歴代最高記録を示すことにもなると思います。この数字には日本企業の投資も含まれているわけで、1月から9月までの日本企業の投資金額は42億米ドルです。現在、中国に進出している日系企業の件数は31,024社、契約金額は642億米ドル、実行金額は456億米ドルです。
現在すでに営業している外資系企業は24万社ありますが、全体的に営業状態は良好です。これら外資系企業が中国の全体の経済活動に果たす役割はますます大きくなってきております。いくつかの数字を挙げてみます。現在、外商投資企業の輸出は、我が国全体の輸出の57%を占めています。また外商投資企業の工業増加値は、全国の工業増加値の27%を占めています。外商投資企業の納税額は全体の税収金額の21%を占めておりますし、雇用者数は全国の都市部における雇用者数の10%を占めています。これらの指標は、天津ではさらに高いものになるでしょう。現在の中国経済の成長にとって、外資系企業は切り離すことのできない重要なものになっております。また、外資系企業にとっても、対中投資の機会、利益を上げる機会もますます大きなものになるでしょう。

 次に、対中投資を行う上で皆さまがご関心をお持ちの新しい政策についてご紹介いたします。
 WTO加盟以降、皆さまもご存知のように、外資導入に関する法律法規についてWTOのルール、加盟時の公約、また我が国の経済発展の需要にもとづいて、我々は一連の調整を行ってきたのです。WTO加盟後3年まで、我々は市場開放の公約を期限どおりに行っており、ある分野においては公約の期限を前倒しして実行しています。毎年WTOの事務局が審査を行っておりますが、非常に高い評価を得ております。今年に入り、外資導入に関して、皆さまがご関心をお持ちのいくつかの分野において大きな変化がありました。1つは、『対外貿易法』について新たに改正を行ない、7月1日から実施されています。新しい『対外貿易法』は、企業にとって、外貿経営権の条件、政府の管理の面でも大きく改正されています。今年の上半期、我々は従来の『外商投資商業企業試点弁法』についても改正を行ない、日本企業が最も関心を寄せている販売分野の開放について新しい規定を実施しました。この規定では、販売分野へ進出する外資企業の資格条件、設立条件、経営範囲、政府の審査認可管理などについて大きく前進したと言えるでしょう。『対外貿易法』の改正にしろ、『外商投資商業企業試点弁法』の改正にしろ、中国のWTO加盟時の公約時期より半年前倒しして実行いたしました。後ほど質疑応答の際に、皆さまからたくさんの質問を頂戴することでしょうから、商業分野の規定についてはここでは割愛いたします。
 投資性公司に関する規定についても改正しました。投資性公司というのは、多国籍企業が中国の市場に参入するために与えてきた特別な方式であり、政策の上でも他の分野より先行していました。技術支援、経営範囲、輸出入の問題、財務支援などについて、他の分野に比べて弾力性があります。皆さんの中には、『商業分野管理弁法』が公布された後は、投資性公司に対する優遇が薄れてきたとおっしゃる方もいるでしょう。この問題についても、後ほど個別にご説明しますが、実際には投資性公司に対する優遇は引き続き与えられますし、政府も絶えずこの法律について修正を加えていきます。
 また、我々は中西部地区における外資導入優遇目録の改正も行いました。この目録は、本日ご出席の沿海地域に進出されている企業の皆さんにとっても重要なものです。沿海地域の企業が中西部地区へ再投資する際には、これを適用することができます。新しい目録は、奨励の分野においても、数量においても、従来のものと比べ多くの内容が追加されています。その他に、2002年版の『外商投資産業指導目録』について、改訂する必要があるのではないかとおっしゃる方もたくさんおられるでしょう。現在、政府で検討しており、この目録が再度改訂されることを我々も望んでおります。

 またいくつかの法律が改正されましたが、ここでは1つ1つご紹介はいたしません。
 総体的に見て、中国政府の現在の外商投資誘致政策は安定しており、我々は引き続きこれらの外資奨励政策を実施していきます。

 皆さんが日常業務の中で直面する問題で、今まで突出した問題は、例えば輸出税還付の問題ですとか、深加工結転の問題などがございましたが、いずれも政府の関係部門が一連の新しい改革措置や新しい方法を講じ、この1年余りの間に、企業が直面している問題は解決されたと思います。
 2年前の交流会では、輸出税還付についての質問が多く出されました。本日も王増明処長がお見えですが、現在ではすべて還付は完了しています。皆さん我々に問題を提起する際、政府を信じてください。我々はいろいろな問題を解決する力を持っているのです。
 投資環境の改善についても、今年、新しい大きな動きがありました。1つは、今年7月に国務院が新しい『投資体制改革に関する決定』を公布しました。総体的にいうと、この『決定』は、企業設立の手続きや管理について、従来のものより大幅に簡素化しています。
 もう1つは、今年の7月1日に施行された新しい『行政許可法』です。今まで公布してきた何千もの法律の多くは、企業を規制するものでしたが、『行政許可法』は直接的に言えば政府を規制するものです。この中で、企業設立などの審査認可、政府の管理は公開され、透明なものでなければならないと規定しています。審査認可の手続きについても、政府に対して明確に規制を加えています。例えば、「一次性告知」制度というものがあります。天津ではこのような現象は少ないでしょうが、今までは、一部の地方政府では審査認可機関へ設立申請に行っても再三書類の書き直しなどを求められ、何度も足を運び、やっと認可されていました。このようなやり方は、好意的に見れば、担当者が業務を熟知していないと解釈することもできますが、別の面から見れば不正の現象ではないかとも思います。『行政許可法』の「一次性告知」制度にもとづき、企業が設立申請を行う際、申請書類の不備について一括して指摘しなければなりません。これからは、皆さんが行政機関に監視の目を光らせる必要があります。もし『行政許可法』の規定に基づいて手続きを行わなかった場合、その機関を訴えることもできます。
 もう1つ、皆さんの関心の最も高い問題に知的財産権保護があります。政府は知的財産権保護にさらに力を入れるようにしています。呉儀副総理は、今年の厦門投資商談会の会期中、特に多国籍企業の知的財産権に関する問題の公聴会を開催しました。政府の12の部門は知的財産権保護の管理機構を設立し、呉儀副総理が責任者に就任しています。知的財産権保護に対する司法手続きについても、処罰をさらに厳しくするように法律法規を改正しています。
 いずれにしろ、投資環境はますます整備されてきております。もちろん、皆さんが直面しておられる問題はまだまだありますが、先ほど王副主任もおっしゃったように、これは発展の過程での問題です。問題があることは恐れるに足りません。肝心なことは、どのように対処するかということです。皆さんが問題にぶつかった際には政府へ申し出てください。また政府機関には問題を解決する能力があるということを信じてください。我々の目標は一致しています。企業の問題を解決することではじめて企業が発展でき、発展することではじめて利益を得ることができます。企業が利益を得ることによって、中国政府も皆さんの企業利益の中から利益を得られるのです。つまり、WIN-WINの結果が得られるということです。
ありがとうございました。