外資系企業に対する貿易権と流通権開放の現状および今後の見通しについて

孫 鵬 対外貿易経済合作部外国投資管理司 副司長

皆様。
本日この機会をお借りして、皆様に中国の外商投資の貿易流通分野における開放の現状と、WTO加盟後のこの分野での対外開放の拡大等の外資導入政策の方向性についてご紹介できることをうれしく思います。


一. 貿易流通分野の開放の現状

(一)輸出入貿易
 外国投資者の対中投資を引き付けるため、中国政府は改革開放の当初から、すべての外商投資企業に対して、自社産品の輸出権と自社用機器設備・原材料などの輸入権を与えました。この他に、現在、批准を経て対外貿易輸出入業務および一部の対外貿易業務に従事することのできる外商投資企業は、主に以下の形態があります。
1. 外商投資貿易公司
 1996年9月、対外貿易経済合作部は『中外合弁対外貿易公司設立に関する試点暫定弁法』を発布し、上海の浦東および深?経済特区内に中外合弁の対外貿易公司を設立し、国が組織的に統一して取り扱う16種類の輸出割り当て商品と、国が査定公司による取り扱いを実行する14種類の輸入割り当て商品を除く、その他の商品および技術の輸出入業務の経営を許可しました。これにより中国の外貿分野における外商投資の試験的導入が始まったのです。
 現在、国が正式に批准した合弁外貿公司は5社あり、その内3社は上海、2社は深センにあります。
2. 外商投資投資性公司
 対外貿易経済合作部が1995年に発布した『外商投資の投資性公司設立に関する暫定規定』および1999年と2001年に発布した二つの補充規定にもとづき、条件に合致する外国投資者は、中国国内において投資性公司を設立することができます。投資性公司は、その投資先企業が生産した製品を販売或いは取次販売の形式で販売することができ、また輸出割当や輸出許可証管理製品でない商品を国内で購入して輸出することもできます。さらに、投資性公司がその投資した企業の生産する製品を購入し、商品としてのシステムを構成した後、国内外で販売することも許可しています。投資した企業が生産する製品では商品構成を完全に満足できない場合は、国内外でシステムを商品構成するために国内外で関連製品を購入することを許可しますが、その購入したシステムを構成する関連製品の価値は、システムの構成に必要な全ての製品価値の50%を超えてはなりません。同時に、投資性公司が投資する企業の操業前、或いは投資する企業の新製品の生産開始前、製品の市場開発を行うために、批准を経て、投資性公司が投資する公司が生産する製品と同等或いは類似の非輸入割当管理の製品を親会社から少量輸入して、国内で試験販売することを許可することもできます。投資性公司が上述のシステムを構成するために関連製品を輸入、或いは試験販売用の製品を輸入する場合には、投資性公司の登録資本中の現金出資分、外貨利益或いは国外からの外貨借入資金を使用しなければなりません。また輸入金額の毎年の累計は、公司登録資本中の現金出資の20%を超えてはなりません。また、その年の輸入金額が公司登録資本中の現金出資の20%を超えなかった残りの部分を、次年度に繰り越すことはできません。
3. 年間輸出額が1000万ドル以上の外商投資生産型企業
 対外貿易経済合作部が2001年に下達した『外商投資輸出入経営権拡大の関連問題に関する通知』にもとづき、条件に合致する外商投資生産型企業は、批准を経て非割り当て許可証管理、非専売商品の仕入れ輸出業務に従事することができます。また、自社製品の輸出割当入札に参加することもできます。
4. 保税区内の外商投資企業
 外国企業は国務院の批准を経て設立された深?福田、沙頭角、汕頭、厦門、海口、大連、天津、青島、張家港、外高橋、寧波、福州、広州など13の保税区において貿易企業を設立し、保税区内で中継貿易および保税区内の企業のためにその生産用の原材料、部品の代理輸入、製品の代理輸出を行うことができる、と中国政府は規定しています。
5. 外商投資商業試点企業
 現行の『外商投資商業企業試点弁法』にもとづき、国務院の批准を経て設立された外商投資商業企業は、国内商品の輸出業務と自営商品の輸出入業務を行うことができます。
6. 外商投資研究開発センター
 『外商投資輸出入経営権拡大の関連問題に関する通知』にもとづき、外商投資研究開発センターがその研究開発する製品の市場調査を行うために、その親会社が生産した高新技術製品を少量輸入し、販売することを許可します。

(二)国内商業流通
 1992年、国務院は、北京、天津、上海、大連、広州、青島および5つの経済特区においてそれぞれ1〜2社の中外合弁商業小売企業を試験的に設立することを決定し、小売業の外資導入を試験的に開始しました。その後、さらに北京と上海で2社の合弁チェーンストア企業を試験的に設立し、内陸部において台湾との合弁で数社の商業小売企業を試験的に設立しました。1999年6月25日、国務院の批准を経、国家経済貿易委員会、対外貿易経済合作部は共同で『外商投資商業企業試点弁法』を下達しました。試験地域を省都、自治区の首府、直轄市、計画単列市、経済特区に拡大し、かつ中国側外国側の資格条件、株式比率などについて明確に規定しました。これと同時に、国は上海において外商投資卸売企業の試験的設立を決定しました。
 現在、国が批准した合弁の商業小売企業は46社、商業卸売り企業は1社(丸紅が上海に投資設立した上海百紅商業貿易有限公司)です。欧米の有名な多国籍チェーンストア、例えば、ウォールマート、メトロ、オーシャン、B&Qなどのグループは、みな中国に投資し店舗を構えています。その内、国の批准を経て、アメリカのウォールマートは13店舗、ドイツのメトロは15店舗、フランスのオーシャンは4店舗、イギリスのB&Qも12店舗を中国においてすでに設立しています。
 これと同時に、国の関係部門は現在、法に則り、地方が独自に審査批准した277社の外商投資商業企業について整理、整頓を行っており、整理改革を経て要求に合致する企業については、引き続き経営することができます。目下のところ、すでに50社近くの整理改革が完了しており、その他の企業の整理改革も急ぎ進行中です。

二. 貿易流通分野における外資導入政策の方向性

 中国はすでにWTOの正式メンバーとなっております。今後は貿易流通などの業種を含むサービス分野の対外開放を、WTO加盟の関係公約を厳格に遵守し、かつ中国におけるサービス貿易全体の発展の要求にもとづき、積極的、安定的に秩序立てて行っていきます。

(一)輸出入貿易
 我が国のWTO加盟時の公約にもとづき、外商投資企業の貿易権の範囲と取得要件を徐々に緩和していきます。この種の企業は、以下のタイムスケジュールにもとづいて、貿易権を付与されます。即ち、加盟後1年目より、外資がマイノリティーの合弁企業に完全な貿易権を付与し、加盟後2年目より、外資がマジョリティーの合弁企業に完全な貿易権を付与します。さらに加盟後3年以内には、中国内のすべての企業に貿易権を付与します。その際、中国は国内における全ての企業および外国企業と個人が、中国の全ての関税領土内であらゆる貨物を輸入することを許可します(議定書の付属文書2Aに定める国営貿易企業の輸出および輸入の製品取り扱いシェアを除く)。但し、この種の輸入権は、輸入業者が中国国内において貨物を販売することを許可するものではありません。販売業務は、中国のGATS項目における具体的な約束譲許表に照らして行います。
 上述した公約に照らし、数年の試験期間を経て、中国の輸出入貿易の更なる発展を推進するため、対外貿易経済合作部は現在対外貿易分野の拡大開放問題を検討しております。更なる開放は、主に以下のいくつかの内容に及びます。
 1.外商投資外貿公司に対しては、審査批准条件を適度に緩和し、試点地域と数量制限を撤廃し、かつ『中外合弁対外貿易公司設立に関する試点弁法』の名称を『中外合弁対外貿易公司設立暫定弁法』に改正する予定です。同時に、国が法に依って審査批准して設立された外商投資外貿公司は、直ちに国内販売と連結した貿易権を取得できます。現在、上述の『中外合弁対外貿易公司設立暫定弁法』はすでに国務院に提出済みです。
 2.現在、対外貿易経済合作部は、外商投資性公司の取次販売分野の更なる開放政策を検討中です。
 3.外商投資生産企業の輸出入権拡大の政策についても更に検討しています。

(二)国内商業流通
 我が国の国内商業流通分野におけるWTO加盟時の公約は主に次のようなものです。
 1.問屋、卸売(塩、タバコは除く)。加盟後1年以内に合弁企業の設立を許可し、全ての輸入品および国産品の販売への従事を許可します。但し、書籍、新聞、雑誌、薬品、農薬、農業用フィルム、化学肥料、精製油、原油は除きます。加盟2年以内に外資がマジョリティをとることを許可し、全ての数量制限を撤廃します。加盟後3年以内には、書籍、新聞、雑誌、薬品、農薬、農業用フィルムの販売業務への従事を許可します。但し、化学肥料、精製油、原油の販売は許可しません。この他の制限は撤廃します。加盟後5年以内には、化学肥料、精製油、原油についても販売への従事を許可します。
2.小売分野(タバコを除く)については、加盟と同時に一定の地区に中外合弁小売企業を設立し、小売業務に従事することができます。但し、書籍、新聞、雑誌、薬品、農薬、農業用フィルム、化学肥料、精製油は除きます。加盟後1年以内に、書籍、新聞、雑誌の小売への従事を許可します。加盟後2年以内に外資がマジョリティをとることを許可します。加盟後3年以内に、全ての地域、数量、企業の株式権、設立の形式の制限を撤廃し、薬品、農薬、農業用フィルム、精製油の小売への従事を許可します。30店舗以上を有し、複数のメーカーが供給する、異なる種類、異なるブランドの商品を販売するチェーンストア、例えば、穀物、植物油、砂糖、タバコ、綿花、自動車、書籍、新聞、雑誌、薬品、農薬、農業用フィルム、精製油、化学肥料を販売するものは、外資がマジョリティをとることを許可しません。加盟後5年以内には、化学肥料の小売への従事を許可し、30店舗以上を有する自動車の小売の外資株式比率制限を撤廃します。
 
 中国のWTO加盟時の公約と我が国の国内商業流通分野における外資利用の発展計画にもとづき、国家経済貿易委員会および対外貿易経済合作部は、『外商投資商業企業管理暫定弁法』を改めて制定し、すでに国務院に提出しています。外商投資に対する国内商業流通分野の更なる開放は、主に以下の面の内容が含まれています。
 1.商業分野での外資利用は、試験段階から開放段階へ転換します。現行の『外商投資商業企業試点弁法』を基礎にして、『外商投資商業企業管理暫定弁法』を制定します。
 2.チェーンストア経営、商業物流を重点として、開放の範囲を拡大します。
 3.商業の発展計画の制定を加速します。
 4.外商投資商業企業の設立条件を引き下げます。
 5.外商の国内商業企業、特に国有商業企業の改編、改造への参入を許可します。
 6.審査批准の手順を簡素化し、審査批准の効率を高めます。


皆様。
以上、中国の貿易流通分野における開放の現状と見通しに関してご紹介申し上げました。皆さんのご参考となれば幸いです。
有難うございました。


 

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