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1)中国の外資導入状況及び関連政策について
対外貿易経済合作部外国投資管理司 司長 胡景岩
本日は中国の外資直接導入の現状と関連政策についてご紹介したいと思います。 外資直接導入は、対外開放政策の重要部分で、20数年来、対中投資は規模拡大を続けています。2001年4月末現在、設立許可を受けた外資企業は累計で37万社を超え、契約金額は7,000億ドル弱、実質利用金額は3,500億ドル超となっています。今年の1月〜4月、外資導入は引き続き速いペースで成長を遂げており、外資企業の設立許可は7,433社で、昨年同期比22.66%増、契約金額は202.48億ドルで、昨年同期比38.28%増、利用金額は109.53億ドルで、12.43%増です。
1993年から2000年にかけ、中国は連続7年世界で最も外資導入の多い国で、外資企業への就業人口は凡そ2,100万人、都市労働人口の10%弱を占めています。
数年来、多くの多国籍企業とその関連企業が、中国を投資の重点国と考え、資金・技術集約型の大型投資やインフラ投資が大幅に増加しています。投資分野も拡大され、多くのサービス分野も条件付で対外開放を始めています。沿海地区の外商投資の伸びと共に、内陸部の外商投資導入も比較的速い速度で伸びています。
続いて、最近の外商投資に対する法律法規の改正状況についてお話します。
中国のWTO加盟交渉は、最終段階に入り、WTO加盟条件に合わせるため、現在、我々は対外経済貿易の法律法規の改正と整理を行っています。対外経済貿易体制の改革と需要に則し、WTOの規定や国情等に基き、現行の法律法規を調整し、社会主義市場経済の需要、WTO規定要求、中国の国情に合致した、統一された、完全且つ透明な法律体系を整えていきます。このような改正作業は多くの法律法規に関係してきます。その中、『中華人民共和国中外合弁経営企業法』、『中華人民共和国中外合作経営企業法』、『中華人民共和国外資企業法』の改正は、外資の大きな注目を集めました。
『中華人民共和国中外合弁経営企業法』、『中華人民共和国中外合作経営企業法』、『中華人民共和国外資企業法』及びその実施細則は、その公布以来、中国の対外開放拡大、外商投資導入、対外経済協力や技術交流の強化に重要な役割を果たしてきました。しかし中国のWTO加盟のプロセスに合わせ、この三つの法律の規定を中国の改革開放の新しい情勢にさらに適合させるためにも、また国際慣例や規則に合致した社会主義市場経済の法律体系を構築するためにも、適度に改正を加えることが必要でした。真剣な審議を経て、この三つの法律に対して以下の改正を行いました。
(一)外貨バランスについて
1.『中華人民共和国中外合作経営企業法』第20条の「合作企業は外貨収支バランスを自ら維持せねばならない。できない場合は、国の規定により、関係機関の協力を要請できる」を削除。
2.『中華人民共和国外資企業法』第18条第3項の「外資企業は自ら外貨収支バランスを図らなければならない。外資企業の製品を関係機関の承認後に中国市場で販売、それにより外貨出資不均衡が生じた場合、認可機関が責任を持ち解決する」を削除。
上述法律の公布時は改革開放初期で、外貨不足の状況下、外資収支バランス保護の為厳格な外貨管理制度の実行が必要でした。国全体の外貨収支バランスを保持するため、合作企業と外資企業の外貨収支バランス問題についても明確な規定を行いました。中外合弁経営企業についても、同様の要求をしています。
もちろん1994年以前から、外商投資企業の外貨収支バランス問題解決のため、多くの措置を講じてきました。例えば、外貨調整センターを設立したり、国内販売した際の外貨(兌換券)受取許可等をおこないました。
改革が進展したことにより、1994年、中国の外貨管理体制は人民元の経常取引下での条件付兌換を実行、1996年には全ての経常項目における取引決済と兌換制限を廃止し、12月1日、IMFの協定第8条を正式に受け入れ、経常取引下での人民元兌換を実現しました。1997年1月14日国務院は、1996年1月29日公布の『中華人民共和国外貨管理条例』の改正を行いました。改正後の第5条では、「国は国際間の経常取引決済と兌換の制限をしない」と、法律上で明記しました。合作企業や外資企業の外貨収支バランスの自己解決は、我が国の外貨管理体制改革と市場経済発展の新しい形勢にそぐわなくなってきたのです。
また、WTOの『貿易に関する投資措置協議』規定でも、「外貨バランス制約により企業の輸入を制限してはならない」と明記しており相応の改正が必要となったのです。
(二)「現地調達率」条項について
『合弁経営企業法』第9条第2項を「合弁企業が認可範囲で必要な原材料、燃料等の物資は、公平・合理原則に基づき、国内市場或いは国際市場で購入できる。」と改正。
『外資企業法』第15条は、「外資企業が認可範囲で必要な原材料、燃料等の物資は、公平・合理原則に照らし、国内市場或いは国際市場で購入できる。」と改正。「同等の条件下では、まず中国で購入するものとする」という規定は削除。
「中国で購入」という規定を改正した原因は、企業が如何に調達するかは、企業が市場の状況により自主決定すべきで、政府の関与は不相応という認識にあります。また、WTO協議の最重要原則の一つは、非差別性原則(最恵国待遇や内国民待遇も含む)で、『貿易に関する投資措置協議』でも、企業に対し現地調達率の要求を出してはならないと規定しています。我が国の法律はWTOの原則に合致しておらず改正が必要だったのです。
(三)輸出義務要求について
『外資企業法』第3条第1項を、「外資企業の設立は、中国国民経済の発展に有益でなければならない。中国は、製品を輸出し、先進的な技術の外資企業の設立を奨励する。」と改正。外資企業設立に関して、「先進技術や設備を持ち、又は製品の全て或いは大部分を輸出しなければならない」、という部分は削除。
外資企業が「製品は全てまたは大部分を輸出しなければならない」という規定を削除した理由は次のようなものです。当時外資企業に上述のような規定を行ったのは、外資企業の外貨収支バランスを保持させるためです。現在では、製品は内販にしろ輸出にしろ、企業が国内外市場の状況に基き自主決定すべきで、政府としては輸出の奨励はできるものの、輸出義務を課すことはできません。またこの規定は、WTO規定で禁止している「輸出実績要求」に当ります。『貿易に関する投資措置協議』でも、「企業製品の輸出数量、価格または割当を制限してはならない」、としていることからも、企業輸出義務に関する規定を「国家は輸出を奨励」と改正することは不可避でした。
(四)企業生産計画報告条項について
『合弁企業法』第9条第1項規定の、「合弁企業の生産経営計画は主管部門に届け出、経済契約方式を実施しなければならない。」を削除。
『外資企業法』第11条第1項規定の、「外資企業の生産経営計画は、主管部門に届けなければならない。」を削除。
上述の規定は、往時の計画経済体制の産物であり、又外資企業に対してのみ要求をするのであればWTOの非差別原則に合致しなくなります。現在、企業は充分な経営自主権を有し、政府は主にマクロコントロールを行い、企業の生産経営活動には関与しません。
以上の法律の実施条例や細則の改正も現在進行中で、その内『外資企業法実施条例』は改正公布されています。
今後5年から10年は、中国の経済・社会は引き続き発展すると思われます。第10次5ヵ年計画では、今後5年間の発展の青写真が描かれました。発展や構造調整を主眼とし、改革開放と科学技術の進歩をもとに、人民の生活水準向上を原点に、経済成長と社会進歩を推進していきます。2005年末までには、国内総生産額は12.5億元に達すると推測しており、各国商工業界の貿易や投資協力の展開上で大きなビジネスチャンスを意味します。
中国は外資を有効利用する政策を堅持します。投資環境改善に尽力し、買収、合併、投資基金、証券投資など多方式での利用を研究・拡大し、レベルを向上させます。分野や地域を更に拡大し、対外開放を推進します。
現在、中国はWTO加盟の関連作業を積極的に進めております。加盟後は、義務を履行、規定を遵守します。その結果、サービス貿易など分野の対外開放の足並みは早まり、中国の投資環境は全体的に更なる改善がみられるでしょう。政府は加盟を契機に、投資奨励政策が充分に効を奏するよう努め、外資導入の新局面を創造します。
今後、外資導入を行っていく上で、中国政府は、外商投資の新たな分野を開拓し、法律体系を完備し、政策環境を改善できるよう努力していきます。また、管理システムを整え、法に依る行政を強化し、政府の職能転換していくなどの面でも思い切った措置をとり、外商投資導入を新たな水準に引上げるよう努力します。そのために我々は重点的に次のようなことを行っていきます。
1.サービス貿易分野の対外開放の更なる拡大。商業、貿易、運輸、医療、教育、金融、保険、電気通信及び各種仲介機構などの制限を緩和し、外資がより幅広く活動できるようにします。
2.市場経済の発展とWTO規定に基き、外資企業に関する三大法律の実施細則の改正を引き続き行います。既存の外商投資法規や各部門の規定を計画段階的に調整し、権利侵害行為や海賊版を徹底的に取締り、知識所有権を確実に保護するなど投資者の合法的権益を擁護、国際慣例に合致した外商投資の法律体系を完備するよう努力します。
3.国際的合併で先進国の新産業構造調整のチャンスを捉え、新たな投資方式を広く開拓し、国有企業改革としての外資導入や、国有企業と多国籍企業の協力を推進し、共同発展を実現させます。例えばBOT方式、特許権譲渡の投資方式、外資企業の国内外での株式上場推進等です。
4.西部大開発戦略を積極的に実施し、西部地区のインフラ、鉱産物資源、観光資源開発、エコロジー環境保護、農牧業製品加工、既存生産能力の改造、新型電子部品の開発製造など科学技術プロジェクトへの外資投入を促進します。これは日本企業に大きな投資と貿易のチャンスを提供することを意味します。
5.外資企業の技術導入、開発、刷新を奨励し、資金や技術集約型プロジェクトへの投資を促進し、より多くの先進プロジェクトを設立します。
6.機電製品・部品産業など中小企業への協力を強化し、輸出型外貨獲得プロジェクトを発展させ、投資を促進します。
90年代後半に入り、経済のグローバル化の中、多国籍企業の各国経済発展への影響は益々拡大しています。中国がより発展していくには、積極的に国際競争に参画し、対外開放を拡大していかねばなりません。中国は21世紀更に重要な役割を発揮し、世界各国の企業家に幅広い投資機会を提供すると確信しております。
中日間の経済協力は、一貫して良好で、2001年4月末現在、中国国内の日系企業は2万社強、契約金額は400億j超、利用金額は290億ドルにも達しています。利用金額は、アメリカに次いで第二位です。日本の対中投資企業の経営状況は一般的に良好で、成功率も高いようです。今年に入り、日本はアジア金融危機の暗い影から抜け、好転への道を歩み始めています。日本の商工業界のみなさまがこの機会をとらえ、中国で投資チャンスを見出だされることを心より願っております。また、すでに中国に投資されておられるみなさまの投資協力事業がますますご発展されることをお祈りいたします。
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